TAINSメールニュース No.450 2020.02.20 発行(社)日税連税法データベース

2020年02月20日

【1】今週のお知らせ
 収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・H30-08-24 裁決 棄却、却下 F0-1-1002
  更正の請求と信義則/個人法人間の所得の帰属
 ・H30-03-05 裁決 棄却 F0-1-886
  居住用財産の特別控除/相続により取得した家屋と生活の拠点
 ・H30-02-15 裁決 棄却 F0-1-946
  源泉徴収義務/インド法人に支払った業務委託料
 ・H30-01-12 裁決 棄却 F0-1-930
  居住用財産の特別控除/住民票上の住所と生活の拠点
 
 【相続税】
 ・H31-02-05 東京地裁 棄却 Z888-2291
  納税猶予期限の確定事由/農業経営の廃止の判断基準/法人成りをした場合
 
 【その他】
 ・H30-02-19 東京地裁 一部認容 Z999-0172
  税理士損害賠償/善管注意義務違反/遺留分減殺請求中の「小規模宅地等の特
 例」
 ・H13-01-25 東京地裁 棄却、控訴 Z999-6152
  株主代表訴訟/孫会社の損害と親会社の取締役の任務懈怠責任
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  国外居住扶養親族/送金関係書類
 (平30-02-27非公開裁決 棄却 F0-1-899)
 
  請求人が、国外に居住する請求人の妻の父(義父)に係る障害者控除及び扶養
 控除の適用を求めて更正の請求をしたところ、原処分庁が、義父と生計を一にす
 ることを明らかにする書類の添付又は提示がないから各控除を適用することはで
 きないとして更正をすべき理由がない旨の通知処分を行った事例です。
 
  請求人が義父に係る送金関係書類であると主張する取引明細書は、国外に居住
 する義母名義の預金口座の取引明細書の写しであるから、義父の生活費に充てる
 ための支払を必要の都度、義父に対して行ったことを明らかにしたものとはいえ
 ず、義父に係る送金関係書類であるとは認められない。
  請求人は、義父は、僧侶であり信仰上お金に直接触れることはできないこと、
 障害者であり、本人が直接取引できる状態でないことから、同居している義父の
 受任者である義母に義父の生活費を送金しているという事情がある旨主張する。
 しかしながら、国外居住扶養親族に係る扶養控除等の適用を受けようとする居住
 者は、送金関係書類を、控除の適用を受ける各人別に確定申告書に添付又は提示
 しなければならない旨規定されており(所法120条3項2号)、その例外を認
 める規定は設けられていないのであるから、請求人が主張するような事情等があ
 ったとしても、義父に係る送金関係書類の添付又は提示を免れるものではない。
   ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-899

TAINSメールニュース No.449 2020.02.13 発行(社)日税連税法データベース

2020年02月13日

【1】今週のお知らせ
 複雑な外国税額控除の記載例や説明は価値ありです!〔行政文書の紹介〕
         (TAINSコード:資産税審理研修資料H300700)
  普通の税理士にとって、外国税額控除の処理は複雑なものの一つです。確定申
 告の手引きを読んでもどのように対応していけばよいのかよくわからないケース
 もあります。
  たとえば、海外の不動産を譲渡した場合で、譲渡した年に現地で所得税等が源
 泉徴収され、翌年において、現地で申告をして税金を精算するようなときは、2
 年にわたり外国税額控除を行うケースや、現地での申告により還付が生じた場合、
 還付税額の全部または一部を雑所得の総収入金額に算入させるケースがあります。
  このような複雑な申告処理をどのように記載すればいいのか悩んだ場合、「資
 産税審理研修資料」(東京国税局 平成30年7月作成)の「所得税の国際課税
 と海外不動産の譲渡に係る外国税額控除事例」(P190~P224)が役立ち
 ます。この資料では海外不動産の譲渡について、2事例についてパターンを分け
 て2年分の申告書の記載例(第1表、第3表、譲渡所得の内訳書、外国税額控除
 に関する明細書)を丁寧に説明していますから、実務で関わる際とても価値があ
 ると思います。
  資産税審理研修資料には、他にも譲渡所得等の審理上の留意点も盛り込まれて
 おり、これらは具体的事例に沿った説明がなされるので、私たち税理士にとって
 も非常に参考になる資料であると思います。
   ≪検索方法≫ 【キーワード】 H300700
 ※検索トップ「フリーワード」に入力して下さい。
                       (要点メンバー:菅野 真美)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  更正の予知/調査官と関与税理士の電話応答後の修正申告
 (平30-03-01 非公開裁決 棄却 F0-1-953)
 
  原処分庁所属の調査官は、平成28年10月26日、関与税理士に対し、請求
 人の所得税の調査に係る日程調整を電話で依頼するとともに、調査の目的に関す
 る質問に応じました。本件は、請求人が、同日中に、平成27年分所得税の修正
 申告をしたところ、過少申告加算税が賦課されたことから、修正申告書の提出は、
 更正があるべきことを予知してされたものではないと主張して、その取消しを求
 めた事案です。審判所は、次のように判断して、請求を棄却しました。
 
  通則法65条5項に規定する「調査」とは、机上調査のような租税官庁内部に
 おける調査をも含むものと解されるところ、調査官が、平成28年10月18日
 に特定口座年間取引報告書などの資料情報を確認した後、資料情報と確定申告書
 の内容とを比較検討する資料を作成していることからすると、調査官は、修正申
 告書の提出前に「調査」を行い、株式等に係る譲渡所得の申告漏れを把握してい
 たものと認められる。そして、調査官は申告漏れを把握した後に関与税理士に電
 話をし、電話応答を契機として、関与税理士は、取引報告書に所得税等の源泉徴
 収が選択されていない旨の表示があることに気付き、修正申告をしたという事実
 関係が認められる。さらに、関与税理士は、電話応答の内容により調査官が申告
 漏れを把握しているものと認識していたと認められることからすれば、修正申告
 書の提出は、「調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき」に該当するとはいえない。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-953 

TAINSメールニュース No.448 2020.02.06 発行(社)日税連税法データベース

2020年02月06日

【1】今週のお知らせ
(1)収録した裁決の一部を紹介します。
 【相続税】
 ・H30-10-02 裁決 却下 F0-3-646
  請求の利益/処分の不存在
 
 【消費税】
 ・H30-07-09 裁決 棄却 F0-5-242
  課税仕入れ/自動車通勤者の通勤手当/所得税法の非課税限度額を超える金額
 ・H30-07-02 裁決 棄却 F0-5-240
  正当な理由/消費税等の無申告加算税/相談会場での無指導
 ・H30-07-02 裁決 棄却 F0-5-241
  輸出物品販売場における商品の譲渡/非居住者に対する免税売上か
 ・H30-04-17 裁決 却下 F0-5-244
  消費税の還付・年金の減額分の還付を求める審査請求
 ・H30-02-15 裁決 却下 F0-5-243
  地方税法附則9条の10の規定に基づく委託納付の処分性
 
(2)東京税理士会会員相談室の【相談事例】を毎月継続して収録しています。
  例えば、下記のような検索ワードで「全文」を選択すると検索できます。
  東京税理士会 会員相談室 ☆2019年 →18件
  東京税理士会 会員相談室 ☆2020年 → 1件
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  仕入税額控除~住宅用賃貸部分を含む中古建物の「用途区分」の判定
 (令01-10-11 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2276)
 
  中古不動産の買取再販売を主な事業とする原告が、販売目的で行った課税仕入
 れである建物の購入のうち、購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸され
 ている建物(各建物)に係る控除対象仕入税額の計算について争った事案です。
  主な争点は、住宅用賃貸部分を含む建物の購入が共通課税仕入れに区分される
 か否かです。裁判所は、原告が指摘する税務当局の取扱いは個別事例の一つにす
 ぎないなどと判断し、次のとおり原告の請求を棄却しました。
 
  原告は、個別対応方式における用途区分の判定は、課税仕入れの最終的な目的
 によって行うべきであると主張するが、用途区分が課税仕入れの行われた日の状
 況に基づいて判断すべきものであることや、共通仕入控除税額は課税売上割合に
 代えて課税売上割合に準ずる割合によって計算する余地もあることからすると、
 原告の主張には理由がない。
  原告は、各建物をいずれも棚卸資産としていること、各建物の全部又は一部は、
 購入時に住宅用として賃貸されており、購入によって、賃貸人としての地位を承
 継し、引渡日以降の賃料を収受していたことが認められる。これらの事情を踏ま
 え、各課税仕入れが行われた日の状況に基づいて検討すると、各建物は、販売に
 供されるとともに、一定の期間、住宅用の賃貸にも供されるものであったと認め
 られることから、各課税仕入れは、共通課税仕入れに該当するというべきである。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2276

TAINSメールニュース No.447 2020.01.30 発行(社)日税連税法データベース

2020年01月30日

【1】今週のお知らせ
 収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・H30-11-13 裁決 棄却 F0-1-1019
  為替差益/米国LLCの解散に伴う残余財産の分配
 ・H30-08-29 裁決 棄却 F0-1-1004
  更正の請求/源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式の譲渡損失
 ・H30-12-12 裁決 棄却、却下 F0-1-1021
  還付金の充当処分
 
 【法人税】
 ・R01-06-26 東京高裁 棄却、確定 Z888-2280
  源泉徴収義務/建築士等の資格を有しない個人に支払った数量積算業務に対す
 る報酬
 
 【他国税】
 ・H30-03-27 裁決 棄却 F0-8-187
  最高価申込者決定処分の適法性/賃貸用不動産の売却等
 ・H29-12-18 裁決 棄却 F0-8-189
  配当処分の違法性/課税処分と徴収処分の関係
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  国外居住扶養親族~各人別送金関係書類の法令改正に関する事項の周知~
 (平30-11-27 非公開裁決 棄却 F0-1-1017)
 
  請求人が、非居住者である請求人の親族を控除対象扶養親族として扶養控除を
 適用して所得税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、請求人と生計を一にす
 ることを明らかにする書類の添付又は提示がされていない親族は控除対象扶養親
 族に当たらないとして更正処分をしたのに対し、請求人は、原処分庁所属の職員
 から事前に法令の改正について説明がなかったことが原因であるとして、その全
 部の取消しを求めた事案です。
  審判所は、次のように判断し、請求人の主張を退けました。
 
  請求人は、法令の改正により、国外に居住する者を控除対象扶養親族とするた
 めに、各人別に送金関係書類の添付等をすることが必要になったということを知
 らず、父には送金したものの母及び義母に送金しなかった。その原因は、原処分
 庁所属の職員が、請求人に対し、事前に法令の改正について説明をしなかったこ
 とにあり、母及び義母に係る扶養控除も適用されるべきである旨主張する。
  しかしながら、課税庁は、国税庁ホームページなどにおいて、法令の改正に関
 する事項を広く一般に周知しているところ、申告納税制度の下における所得税等
 の確定申告は、納税者自身の判断と責任においてなされるべきこと、また、原処
 分庁所属の職員が納税者に対して法令の改正について説明をしなければならない
 旨を定めた法令の規定はないことから、原処分庁が、請求人に対し、事前に法令
 の改正について説明をせずに本件更正処分を行ったことに違法な点はない。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-1017

TAINSメールニュース No.446 2020.01.23 発行(社)日税連税法データベース

2020年01月23日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
  TAINSだより(2020年新年号)を掲載いたしました。検索トップペー
 ジの右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
                         (事業部長:上田 健一)
 
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・H30-12-11 裁決 棄却 F0-1-1015
  更正の請求/必要経費及び仕入税額控除
 ・H30-12-04 裁決 棄却 F0-1-1018
  還付金の充当処分
 ・H30-11-27 裁決 棄却 F0-1-1016
  無申告加算税/期限内申告書を提出する意思
 
 【法人税】
 ・R01-05-30 東京地裁 棄却、控訴 Z888-2279
  重加算税・源泉所得税/事実を仮装して経理することにより支給された役員給
  与
 
 【他国税】
 ・H30-05-16 裁決 却下 F0-8-221
  差押処分/処分の不存在
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
 配当所得/臨時株主総会において取消決議がされた剰余金の配当
 (平30-09-03 非公開裁決 棄却 F0-1-995)
  本件は、原処分庁が、亡甲(本審査請求後に死亡)が発行済株式総数36,0
 00株のうち29,275株を保有し、代表取締役を務めていたA社の剰余金の
 配当を申告していないとして所得税等の更正処分等をした事案です。A社は、平
 成25年10月15日に開催した定時株主総会において、平成25年8月期の配
 当金額を○○○○○○とする剰余金の配当の支払を決議し、その後、平成25年
 12月25日に開催した臨時株主総会において、上記配当の支払決議を遡及的に
 取り消す旨の決議をしました。審判所の判断は次のとおりです。
 
  株式会社の株主の配当支払請求権は、剰余金の配当がその効力を生ずる日に具
 体化し、以後は、株主としての地位から独立した権利となり、別個に譲渡等の対
 象となるなど、第三者が利害関係を持つ可能性も生じるのであって、仮に、その
 後の株主総会における配当取消決議によって、かかる配当支払請求権を消滅させ
 ることができるものとするならば、法的安定性を著しく害する結果となるから、
 一旦、独立かつ具体的な権利として発生した配当支払請求権を、株主総会の決議
 によって剥奪したり変更したりすることはできないというべきである。
  本件配当支払請求権は、平成25年10月15日に、本件配当の効力の発生と
 同時に具体化し、以後、株主としての地位から独立した権利となっているから、
 本件取消決議は、本件配当支払請求権に影響を及ぼすものではない。
  したがって、本件配当は、本件取消決議により、その効力が無くならない。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-995

TAINSメールニュース No.445 2020.01.16 発行(社)日税連税法データベース

2020年01月16日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例の収録を完了しました。
  国税不服審判所のホームページに掲載された、平成31年4月から令和元年6
 月分の公表裁決事例の収録を完了しました。
 
(2)今週のお知らせ
 そろそろ確定申告の時期。誤りやすい事例をぜひご覧下さい!
          (TAINSコード:審理事務連絡会資料H301129)
  TAINSには、判決・裁決の情報だけではなく、情報公開法による開示請求
 によって独自に入手した行政文書も収録されています。国税局内の会議資料など、
 実務に役立つものも数多く見つけることができます。
  今回紹介するのは、大阪国税局「平成30事務年度 個人課税確定申告期審理
 事務連絡会」資料(平成30年11月29日)です。こちらの会議資料には「確
 定申告期において留意すべき事項(個人課税関係)」、「個人所得関係 平成3
 0年度版 誤りやすい事例」、「還付申告書審査事務の留意点について」、「軽
 減税率制度について」、「資産課税関係の留意すべき事項について」、「資産税
 関係 平成30年度版 誤りやすい事例」があります。
  例えば「個人所得関係平成30年版 誤りやすい事例」(全部で73頁)の2
 0頁には、不動産所得において、アパートが2人以上の共有とされている場合の
 貸付けの規模の判定など、この時期らしい内容の事例が、誤った取扱いと正しい
 取扱いの対比形式により、短文で見やすく掲載されています。また根拠法令・通
 達の記載もあるため条文を確認しやすくなっています。1年前の情報ではありま
 すが、確定申告期を迎える前に事務所の研修用として、またちょっとした空き時
 間の読み物としてご利用されてはいかがでしょうか。
   ≪検索方法≫ 【キーワード】 H301129
 ※検索トップ「フリーワード」に全角で入力して下さい。
                       (要点メンバー:梅野 智子)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
 損害賠償請求権の帰属事業年度/元従業員による窃取した商品のネット販売
 (令01-05-16 公表裁決 一部取消し J115-3-10)
 
  本件は、請求人の従業員であった者が、請求人の商品を窃取してインターネッ
 トオークションで販売して得た収益について、その収益は請求人に帰属するか、
 請求人の元従業員に対する損害賠償請求権の額として益金の額に算入すべき金額
 や帰属事業年度などが争われた事案です。
  国税不服審判所は、収益の帰属については、元従業員が主体となって行った取
 引であり、請求人に帰属しないとしました。損害賠償請求権の発生額とその帰属
 事業年度については、次のように判断しています。
 
  元従業員が請求人から商品を窃取したことによる損害賠償請求権の額は、その
 窃取された商品の時価により計算すべきである。各商品の落札代金の額は、その
 商品の落札時点における時価の範囲に含まれる額であると認められ、請求人の元
 従業員に対する損害賠償請求権の額は、元従業員が受領した落札代金等の額によ
 り計算するのが相当である。
  上記損害賠償請求権は、元従業員が請求人の商品を元従業員の支配下に移した
 時点で発生すると解される。元従業員は、遅くとも落札代金等が入金された時に
 は、各商品を直ちに発送できるよう、自らの支配下に移したと認められる。した
 がって、請求人の元従業員に対する損害賠償請求権は、各落札代金等が元従業員
 名義の銀行口座に入金された時点において順次発生したと解するのが相当である。
   ≪検索方法≫ 【キーワード】 J115-3-10

TAINSメールニュース No.444 2020.01.09 発行(社)日税連税法データベース

2020年01月09日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録中です。
  先週に引き続き、国税不服審判所のホームページに掲載された、平成31年4
 月から令和元年6月分の公表裁決事例の収録作業を行っております。
 
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【法人税】 
 ・H30-11-14 神戸地裁 棄却・控訴 Z888-2270
  臨検捜索差押の違法/葬祭業の宰領・献茶婦・遺体搬送等に対する外注費の推
  計
 ・H30-07-02 裁決 棄却 F0-2-877
  重加算税/事務用品費に計上された前代表者の別荘の家具購入費
 ・H01-04-12 裁決 一部取消し・棄却 F0-2-839
  収益計上漏れと重加算税/貸金業者の簿外預金に入金された貸付利息収入
 
 【他国税】
 ・H30-09-12 裁決 棄却 F0-8-225
  不服審査・不服申立適格/差押処分・被差押債権の不存在又は消滅
 ・H30-08-02 裁決 棄却 F0-8-223
  差押処分の不当性/給料等の支払請求権の差押え
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  類似業種比準方式~クレーン車売却益の「非経常的な利益」該当性~
 (令01-05-14 東京地裁 棄却 Z888-2258)
 
  取引相場のない株式の評価会社であるA社は、主たる事業のほか、移動式クレ
 ーン車を貸し出し、オペレーターが揚重作業を行う事業(本件クレーン事業)等
 も営んでいました。本件では、類似業種比準価額の計算上、クレーン車の売却益
 が、評価通達183(2)において「1株当たりの利益金額」の計算に際し法人
 税の課税所得金額から除くこととされている「非経常的な利益」に該当するか否
 かが争われました。裁判所では、次のとおり判断し、原告の請求を棄却しました。
 
  ある利益が評価会社の「1株当たりの利益金額」の計算に際して除外される「
 非経常的な利益」に当たるか否かは、その利益が固定資産売却益又は保険差益に
 該当するか否かのみによって判断すべきものではなく、評価会社の事業の内容、
 当該利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考
 慮した上で、実質的に判断するのが相当であると解される。
  クレーン車の売却益が、評価会社の重要な収益源であり、かつ、毎期継続的に
 行われ本件クレーン事業から収益を生じさせる源泉となっていたことに加え、同
 社においても、金融機関等に提出する損益計算書においてクレーン車の売却益を
 特別損益としての固定資産売却益ではなく収入高(営業利益)として計上してい
 たことを併せ考慮すると、クレーン車の売却益は、評価会社の経常的収益力を構
 成するものと認められ、「非経常的な利益」に該当しないというべきである。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2258

TAINSメールニュース No.443 2019.12.26 発行(社)日税連税法データベース

2019年12月26日

【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは来年1月9日に配信します。
次週1月2日は休日のため、メールニュース444号は1月9日に配信します。

(2)公表裁決事例を収録中です。
先週より、国税不服審判所のホームページに掲載された、平成31年4月から
6月分の公表裁決事例の収録作業を行っております。

(3)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R01-10-30 東京地裁 一部取消し Z888-2277
馬券払戻金の所得区分と外れ馬券の必要経費性

【法人税】
・H30-07-02 裁決 棄却 F0-2-876
タックスヘイブン対策税制/所得に対して課される租税の額
・H21-11-20 裁決 却下、棄却 F0-2-879
収益事業該当性/NPO法人の行う福祉有償運送事業、施設の管理事業等

【相続税】
・H30-07-25 裁決 棄却 F0-3-642
土地の評価/「広大地」該当性・準工業地域に所在する土地
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
収益事業該当性/社会福祉法人が運営する有料老人ホーム
(平31-03-06 福岡地裁 棄却 Z888-2274)

原告が運営する有料老人ホームの運営事業が収益事業に当たるとして、法人税
等の更正処分等を受けたのに対し、原告が、本件事業は収益事業に該当せず、非
課税である旨主張して、その取消しを求める事案で、裁判所は次のとおり、本件
事業は、社会通念上、下宿営業に該当するとして、原告の請求を棄却しました。

本件事業の内容及び態様は、原告が、入居者に対し、建物中にある個室を寝食
の場として提供することによって、その対価を得るとともに、食事等のサービス
を提供することによって、その対価を得るものであると認められる。
本件事業は、提供される居室及び共用施設並びに各種サービスの内容や、イン
ターネット等を利用した広告等の点において、公益法人等以外の法人が一般的に
行う事業と基本的に異なるものではなく、居室の大多数は、県指導指針において
必須とはされていない浴室や便所、台所などが備えられており、ペットの飼育も
可能であるなど、一般的な賃貸住宅と同程度の機能を備えたものであるし、温泉
施設、サウナ、エステルーム、バーラウンジなどの共用施設が利用できることか
らすると、原告の行っている本件事業は、公益法人等以外の法人の一般的に行う
事業と競合するものということができる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2274

TAINSメールニュース No.442 2019.12.19 発行(社)日税連税法データベース

2019年12月19日

【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【相続税】
・H30-07-26 裁決 棄却 F0-3-641
土地の評価/2棟の貸家敷地の評価単位・「広大地」該当性/未払金債務の存

・H30-07-02 裁決 棄却 F0-3-640
貸付金及び未収入金の評価/同族会社に対する貸付金等の回収可能性

【消費税】
・H31-02-20 東京地裁 棄却 Z888-2254
還付申告/香港へ輸出したとする商品購入の課税仕入れ該当性

【他国税】
・H29-12-11 裁決 棄却 F0-8-198
納付義務の承継/公売公告処分の違法性/熟慮期間経過後の相続放棄
・H29-12-08 裁決 却下 F0-8-197
差押処分/不服申立適格・処分の不存在
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
多国間を移動する役員の生活の本拠/居住者に該当せず(納税者勝訴)
(令和元年5月30日 東京地裁 全部取消し 控訴 Z888-2256)

本件は、複数の内国法人と海外法人の代表者である原告が「居住者」に該当す
るか否かを争点とする事例です。東京地裁は、原告の生活の本拠が日本にあった
と認めることはできないから「居住者」には該当しないとして、処分の全部を取
り消しました。なお、東京高裁(令和元年11月27日・TAINS未収録)も、
地裁と同様に「居住者」には該当しないと判断しています。

客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かは、滞在日数、住居、職業、
生計を一にする配偶者等の居所等を総合的に考慮して判断するのが相当である。
原告は、各年を通じて、海外法人の業務に従事し、そのために相応の日数にお
いてシンガポールに滞在し、また世界的なハブ空港があるシンガポールを主な拠
点としてインドネシアや中国その他の国への渡航を繰り返しており、これらの滞
在日数を合わせると年間の約4割に上っていたことなどからすれば、原告の職業
活動はシンガポールを本拠として行われていたものと認められ、他方、日本国内
における滞在日数とシンガポールにおける滞在日数とに有意な差を認めることは
できない。原告と妻は、原告の職業活動に適応した生活の在り方として、妻らの
生活の本拠は日本の居宅のままとし、原告が帰国したときに休暇も兼ねて妻らと
会うという方法を選択したものということができるから、生計を一にする妻らが
国内に居住していたことは、原告の生活の本拠が日本国内にあったことを積極的
に基礎付けるものとはいえない。これらを総合すると、原告の生活の本拠が日本
にあったと認めることはできない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2256

TAINSメールニュース No.441 2019.12.12 発行(社)日税連税法データベース

2019年12月12日

【1】今週のお知らせ
調査対応、経験はもちろんですが、法令と判例に基づいて!〔行政文書の紹介〕
(TAINSコード:調査における法律的知識H170600-P01)
税務調査の現場では、どこまで調査官に権限があるのか?どこまでの調査が許
されるのか?といった場面が少なくありません。これは調査官としてもそうなの
でしょう。
この資料は東京国税局が若手職員向けに調査に際して注意するべき点をわかり
やすくマンガで(漫画になっているかはさておき)、解説してくれているもので、
この資料も情報公開法によって当社団が請求し開示されたものです。
調査の各場面のやりとりについて、「当局の見解」と「納税者の見解」(納税
者の見解は黒塗りされていてわかりませんが、推して知るべし)の対比、そして
それに関する判例が掲載されています。
任意調査における「明示の承諾」の原則と「黙示の承諾」と扱って良いかどう
かの判断など、興味深いものが多々あります(P01のコラム)。古い資料です
ので、事前通知などの手続規定は改正されていますが、プライベートの扱いに特
に当局が慎重になっているのが窺い知れる資料です。
この資料は、TAINSコード:調査における法律的知識H170600-P
01~P04までに分割されています。「P」が付いていない資料は当社団でテ
キスト化したものです。
このようにインターネット等で公表されていない文書が多数収録されています
ので、ぜひ一度行政文書を検索することをお勧めします。
≪検索方法≫【キーワード】調査における法律的知識
※検索トップ「フリーワード」に入力してください。
(要点メンバー:毛利 修平)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
社員税理士の事業所得に係る必要経費~業務委託費及び諸会費
(平30-05-16 非公開裁決 棄却 F0-1-969)

本件は、公認会計士及び税理士である請求人が、所得税等の確定申告をしたと
ころ、原処分庁が、事業所得の必要経費に算入した費用又は支出の一部は、必要
経費に算入されないなどとして更正処分等をした事案です。請求人は、税理士法
人の社員税理士及び同族会社A社の取締役であり、事業としての業務報酬は、税
理士法人からの記帳代行受託料及び公認会計士としての政治資金監査報酬です。
審判所は、業務委託費と諸会費については次のとおり判断しています。

請求人がA社に支払った業務委託費が、請求人の業務報酬等の金額に比して過
大であること、A社が配偶者の100%出資する会社であること等を併せて考え
れば、請求人は、A社に対し、業務委託費に相当する金額を移転する目的で業務
委託契約の外形を作出したものとみるべきである。
諸会費のうち、税理士会に係る会費は、社員税理士は税理士法人とは別に、社
員税理士として、税理士会費を負担する義務がある旨定められているところ、税
理士法第48条の14は、税理士法人の社員は自己のために税理士法人の業務の
範囲に属する業務を行ってはならない旨規定しており、請求人が税理士法人の社
員税理士としての立場で支出したものと認められるから、業務報酬等を得るため
に直接に要した費用とは認められず、また、本件事業と直接の関係があり、かつ、
本件事業の遂行上必要な支出であるとも認められない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-969