TAINSメールニュース No.645 2023.11.16 発行(社)日税連税法データベース

2023年11月16日

【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは11月30日に配信します。
次週11月23日は休日のため、メールニュース646号は11月30日に配
信します。

(2)収録した判決の一部を紹介します。
【その他】
・R05-05-23 名古屋地裁 一部認容、一部棄却、控訴
Z999-5473
ジャパンライフ事件/磁気治療器のオーナー商法における不法行為による損害
賠償請求
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61551
・R05-04-21 札幌地裁 無罪 Z999-9174
刑事事件/ホストの持続化給付金/税理士における申請内容の虚偽性の認識の
有無
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61550
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
太陽光発電設備の課税仕入れを行った日は、機器の納品ごとか、全体の請負か
(令04-06-09 高松地裁 棄却・控訴 Z888-2505)

原告X社は、A社に委託した太陽光発電設備に係る契約に関して、課税期間内
に支払われた金員は、納品された機器の代金の一部であるとして課税仕入れに係
る支払対価の額に計上したところ、処分行政庁から、業務の全部が完了しておら
ず、引渡しを受けていないことを理由に、消費税等の更正処分等を受けました。
高松地裁は、消費税法は、「課税資産の譲渡等」と「課税仕入れ」を表裏一体
のものとして捉えているものと解され、法30条1項1号に規定する「課税仕入
れを行った日」は、譲渡人が課税資産の譲渡等を行った日と同義であるとした上
で次のように判示し、原告の請求を棄却しました。

本件契約は、A社が各機器の設置作業等を行い、電力会社の電線に連携させる
ことにより太陽光発電設備を完成させ、各設備を原告に引き渡すことを約する、
それぞれ全体で一つの請負契約であり、原告の主張する例外規定である基本通達
9-1-9(販売と据付工事を区分した譲渡時期の特例)は適用されない。
そうすると、本件契約に係る「課税仕入れを行った日」は、物の引渡しを要す
る請負契約における資産の譲渡等の時期に関する原則どおり、A社が、その目的
物たる各設備の全部を完成させ、原告に引き渡した日、すなわち令和元年5月2
4日と認めることができる。よって、「課税仕入れを行った日」は、平成31年
3月課税期間内にはないことになる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61538

TAINSメールニュース No.644 2023.11.09 発行(社)日税連税法データベース

2023年11月09日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより2023秋号掲載内容の訂正とお詫び
  TAINSだより2023年秋号20P「TAINS研修会のお知らせ」の近
 畿税理士会に関する内容に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
  誤) 会場:近畿税理士会館3階大ホール
  正) 会場:京都税理士会館3階大ホール(301号室)
 
  なお、TAINSだよりはログイン後のページ右下「TAINSだより」をク
 リックすると閲覧できます。
                        (税法データベース事務局)
 
(2)東海税理士会から提供いただいた「論考」を収録しました。
  「詳細検索」の「TAINSキーワード」に次のように入力してください。
   東海税理士会 論考  ‥‥8件
  税区分は「その他」、情報区分は「その他文書」です。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  土地の評価~不合理分割ではないとした審判所認定額により一部取消し~
 (令04-03-09 非公開裁決 一部取消し F0-3-861)
 
  請求人Aは、相続により取得した土地(本件1土地)について、1画地の宅地
 として評価し相続税の申告をしました。しかし、原処分庁は、当該土地の一部は
 駐車場の敷地であり、雑種地に該当するから、宅地部分(本件1土地北側部分)
 と雑種地部分(本件1土地南側部分)とで地目の別に評価すべきであるなどとし
 て、相続税の各更正処分等を行いました。
  審判所の雑種地の判定は次のとおりです。なお、不合理分割に該当しないとし
 て、雑種地部分の不整形の程度等に応じて認定額を算出し、一部を取り消しまし
 た。審判所認定額等と土地の形状等については、別紙リンクに収録しています。
 
  相続開始日の現況において、(1)本件1土地南側部分に存していた駐車場は、
 本件1土地北側部分の敷地上に存する共同住宅の入居者専用ではなかったこと、
 (2)共同住宅の玄関から、本件1土地南側部分へは自由に往来することができ
 なかったことに加え、同部分は、共同住宅の通路としての用に供されていたと認
 められず、さらに、(3)同部分は、東京都建築安全条例第19条に基づく共同
 住宅の「窓先空地」や「屋外通路」に供されていたと認められないことから、本
 件1土地南側部分は、共同住宅の敷地の維持又は効用を果たすために必要な土地
 に当たるとは認められない。したがって、本件1土地南側部分は、評価通達7に
 定める地目は、雑種地と判定される。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/61530

TAINSメールニュース No.643 2023.11.02 発行(社)日税連税法データベース

2023年11月02日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
  TAINSだより(2023年秋号)を掲載いたしました。
  ≪特別寄稿≫商品先物取引に係る損害賠償請求訴訟の和解により
  「解決金」を取得した場合の更正の請求の是非と最高裁不受理決定の「怪」
                  (中央大学名誉教授:大淵博義氏)
 ログイン後のページ右下「TAINSだより」をクリックすると閲覧できます。
                         (広報部長:上田 健一)
 
(2)TAINS研修サイトの更新について
  研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
 NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
  ログイン後、右上部のバナー「30分研修動画」をクリックするとサイトに移
 動し、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する
 研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間
 を登録することができます。
  同シリーズはいずれも受講時間が30分以内となっており、通勤時間等を利用
 して受講・登録ができます。
         記
  【小規模宅地等の特例】成年後見人が事業の用に供していた土地は特定事業用
   宅地等に該当するか?~生計一要件の該当性~
                        講 師:税理士 木村紀代
                      (データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  代償分割~特例適用後の小規模宅地の価額で代償金を計算しても合理的!
 (令03-12-13 非公開裁決 全部取消し F0-3-817)
 
  請求人とAは、小規模宅地の特例適用の土地について、特例適用後の価額に基
 づいて代償金を計算し、遺産分割の審判を確定しました。そこで、請求人は相続
 税の更正の請求をしたところ、原処分庁は、相続税の課税価格に算入すべき代償
 金の計算は特例適用前の価額であるとして、更正をすべき理由がない旨の通知処
 分等をしたので、請求人が、原処分の全部の取消しを求めた事案です。
  審判所は、次のように判断し、請求人の全部の主張を認めました。
 
  その合意書に定める相続税の課税価格における代償財産の価額の計算方法は、
 共同相続人全員の協議に基づくものであると認められ、請求人とAとの相続税の
 課税価格及び税額が等しくなるようにするものであり、相続税の総額が変動する
 ものでもなく、相続税の負担を不当に減少させるものでもないとして、基本通達
 11の2-10ただし書(1)に定める「合理的と認められる方法」であると認
 められる。
 
 (編集員からひとこと)
  合意書において、小規模宅地の特例適用の土地については、この特例適用後の
 価額によるとされています。審判所は、上記判断事由のとおりとし、原処分庁の
 特例適用前の価額によるべきとした主張は採用できないとしています。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/61537

TAINSメールニュース No.642 2023.10.26 発行(社)日税連税法データベース

2023年10月26日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
  国税不服審判所のホームページに掲載された、令和5年1月から3月分の公表
 裁決事例の収録が完了いたしました。
 ≪検索方法≫
  「詳細検索」の「TAINSキーワード」に『★裁決事例集130集』を入力
 して検索
 
(2)収録した判決の一部を紹介します。
 【消費税】
 ・R04-06-21 最高裁 棄却、不受理、確定 Z888-2504
  上告棄却・不受理/介護付有料老人ホームにおける食事の提供
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/61534
 
 【地方税】
 ・R05-10-04 札幌地裁 全部取消し、控訴、納税者勝訴
                           Z999-8499
  固定資産税/登録価格/約17年間放置された家屋の損耗の程度に応ずる減点
 補正率
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/61624
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  海外のLPSに対する役務提供が、輸出免税とならないケースも!
 (令03-11-10 非公開裁決 棄却 F0-5-369)
 
  請求人が、ケイマン諸島のLPSの資産運営管理などを行っていたところ、課
 税庁からこれら業務の対価は、輸出免税でなく課税売上に当たると消費税等の更
 正処分等を受けた事案です。
  審判所は、役務提供の相手方が誰であるかが問題として、その相手が、ケイマ
 ンLPSか有限責任パートナーかを検討しています。そして本件LPSは、ケイ
 マン特例法の規定に従い、特例有限責任パートナーシップとして、各パートナー
 の合意により創設され、その目的は、請求人が随時決定する投資先にLPSの資
 産を投資する点などから、日本の法令上は、法人格を有せず、収益を目的として
 LPSの構成員が共同事業を行っていると判断し、請求を棄却しています。
 
  本件役務提供の相手方は有限責任パートナーであると認められるところ、有限
 責任パートナーは、いずれも、日本国内に住所を有しており、外為法6条1項5
 号に規定する「本邦内に住所又は居所を有する自然人」であるから、同号及び消
 費税法施行令1条2項1号の「居住者」に該当し、「非居住者」には該当しない。
  したがって、本件役務提供に、消費税法7条1項の規定は適用されない。
 
(編集員からひとこと)
  この事案について、訴訟が提起されたかは不明ですが、LPSに対し役務提供
 を行う際は、その組織体の設立根拠法令等で法人格の有無の確認を忘れずに。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/60953

TAINSメールニュース No.641 2023.10.19 発行(社)日税連税法データベース

2023年10月19日

【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
 できません。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
  日時:2023年10月20日(金) 午後10:00 ~ 午後10:30
  ※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
                       (システム部長:坂井 昭彦)
 
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【その他】
 ・R05-03-09 最高裁 棄却、確定 Z999-5472
  マイナンバー訴訟/番号利用法に基づく特定個人情報の利用等の行為と憲法1
 3条
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/60907
 
 【消費税】
 ・R03-11-10 裁決 棄却 F0-5-369
  輸出免税/ケイマン諸島LPSの運営管理業務の提供
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/60953
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  小規模宅地等の特例~宅地を取得した親族が事業主とは認められない場合~
 (令04-06-08 非公開裁決 棄却 F0-3-833)
 
  被相続人の配偶者は、被相続人の事業(農業)の用に供されていた倉庫等(稲
 作用の機械等の保管場所)の敷地(本件宅地)を相続により取得しました。この
 事案は、原処分庁が本件宅地は特定事業用宅地等に該当せず小規模宅地等の特例
 の適用はないとして更正処分等を行ったことから、請求人(被相続人の長男)が
 その取消しを求めたものです。なお、配偶者は果樹等も相続しましたが、農地は
 請求人が相続しました。審判所では、事業の意義について所得税法上の事業と同
 様であると解した上で、次のとおり判断し、請求人の主張を斥けました。
 
  本件事業(農業)における配偶者の関与は、本件事業の事業主である請求人の
 業務に対する付随的かつ従属的なものであって主体的に役割を遂行しているもの
 ではなく、配偶者が本件事業において自己の計算と危険において主体的に経済活
 動を行っていたとは認められないから、配偶者は、請求人と共同して本件事業を
 営んでいるとは認められない。また、配偶者が本件事業の事業主となれないこと
 について、措置法通達69の4-20《宅地等を取得した親族が事業主となって
 いない場合》に定めるやむを得ない事情があるため請求人が本件事業の事業主と
 なっていると認めるに足りる証拠もない。
  したがって、配偶者が措置法第69条の4第3項第1号イに規定する「被相続
 人の事業を引き継ぎ」、「当該事業を営んでいること」に該当するとは認められ
 ないから、本件宅地は、特定事業用宅地等に該当しない。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/60947

TAINSメールニュース No.640 2023.10.12 発行(社)日税連税法データベース

2023年10月12日

【1】今週のお知らせ
収録した判決の一部を紹介します。
【法人税】
・R05-02-17 東京地裁 認容 Z888-2511
非収益事業に属する有価証券の取得価額/移行前の非収益事業で計上した減価
償却費
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61501

【地方税】
・R04-01-12 富山地裁 認容、却下、控訴、納税者勝訴
Z999-8496
固定資産税/納税義務者/存続期間を「永代」とする地上権が設定されている
土地
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61509
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
相続税の還付金の受領権限/偽造された委任状に基づく還付金の支払の効力
(令03-08-24 東京地裁判決 一部認容 Z777-202116)

被告国は、被告Y(相続人)が偽造した還付金の受領に係る委任状に基づき、
本来原告に対して支払うべき還付金を被告Yに支払いました。本件は、原告が、
本件支払は代理権を有しない者に対してされたため効力がないと主張して、国に
対し、還付金等の支払を求めるとともに、被告Y及び被告税理士法人に対して、
共同不法行為に基づき、還付金の額に弁護士費用を加えた損害金等の支払を求め
る事案です。
地裁は、被告Yは、不法行為責任を免れないと判断し、原告の被告Yに対する
請求を認容しました。
被告税理士法人が本件委任状を税務署に提出するに当たって原告に対する意思
確認をすべき注意義務を負っていたということはできず、税理士法人にはこの点
に関する過失は認められないとして、請求人の請求を棄却しました。
被告国については、委任状の原告名下の押印が原告の意思に反してされた可能
性を疑うべき事情があったとは認め難いとし、税務署長が本件支払をしたことに
は過失を認めることができず、国は善意無過失であったというべきであり、本件
支払は、債権の準占有者に対する弁済としての効力を有し(民法478)、これ
により本件還付請求権は消滅したと判断しました。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61124

TAINSメールニュース No.639 2023.10.05 発行(社)日税連税法データベース

2023年10月05日

【1】今週のお知らせ
 TAINS研修サイトの更新について
  研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
 NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
  ログイン後、右上部のバナー「30分研修動画」をクリックするとサイトに移
 動し、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する
 研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間
 を登録することができます。
  同シリーズはいずれも受講時間が30分以内となっており、通勤時間等を利用
 して受講・登録ができます。
         記
  給与所得を有する医師の洋画制作販売から生じた損失
                 ~「事業」の該当性が争点となった事例~
                        講 師:税理士 筏井陽子
                      (データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
 貸付残債権の放棄による損失/雑所得の必要経費算入の可否(所法51条4項)
 (令04-07-14 東京地裁 棄却 Z888-2512)
 
  原告は、平成23年、英国領バージン諸島に設立したA社に対して、合計で約
 3992万ユーロの貸付けを行い、A社はその貸付金により船舶(中古ヨット)
 を3500万ユーロで購入し維持管理した上、平成26年に約2145万ユーロ
 で船舶を売却し、その代金を貸付けの一部に対する弁済に充てました。本件は、
 原告が貸付残債権を放棄したことにより生じた損失を、所得税法51条4項に基
 づき、雑所得(為替差益)の必要経費に算入することができるか否かを争点とす
 る事案です。東京地裁は、次のように判示して、原告の請求を棄却しました。
 
  本件貸付けについては、無担保かつ無利息であり、また、船舶の購入資金とし
 て貸付けを行ったものであり、利息による利益獲得の営利性や為替差益を得る旨
 の営利性を認めることができない。そうすると、原告が独立的営利活動を行って
 いたことを認めることはできず、雑所得を生ずべき業務自体が認められないから、
 貸付残債権は、「雑所得を生ずべき業務の用に供される資産」に該当しない。
  本件貸付けは、A社が十分な資金を有するまで弁済を求めないことが合意され
 ていたこと、A社の資産は、船舶又はその売却代金のみであった上、A社は弁済
 に充てる原資を獲得するための活動を行っていなかったことが認められるから、
 貸付残債権は、その客観的性質に照らし、弁済を受けて為替差益(雑所得)が発
 生する具体的可能性がなく「雑所得の基因となる資産」に該当しない。
  以上によれば、所得税法51条4項の適用によって、貸付残債権に係る損失を
 雑所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/61513

TAINSメールニュース No.638 2023.09.28 発行(社)日税連税法データベース

2023年09月28日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS会費・利用料のインボイス対応について
  下記ページに「TAINS会費・利用料のインボイス対応について」をご案内
 しておりますので、こちらをご一読ください。
                  記
  https://www.tains.org/invoice202309/
                         (財務部長 清水 一男)
 
(2)システムメンテンスのお知らせ
  下記の通り、システムメンテナンスを実施いたします。メンテナンス中はマイ
 ページ内の「支払い方法設定」による手続きがご利用いただけません。
  支払い方法の変更につきましては、システムメンテナンス期間外に手続きをお
 願い致します。
  ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いたしま
 す。
             記
  日時: 令和5年10月4日(水)~ 令和5年10月6日(金)
  ※メンテナンス終了時間は変更になる場合がありますので、ご注意下さい。
 
  影響範囲:TAINSログイン後のマイページメニュー「支払い方法設定」
      (クレジットカードの登録手続き、支払方法変更手続きがご利用いた
       だけません)
                       (システム部長:小林 英樹)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  譲渡所得の取得費~「フェラーリF50」の減価償却資産該当性~
 (令05-03-09 東京地裁 却下・棄却 控訴 Z888-2508)
 
  本件の主な争点は、原告の所有していた車両(フェラーリF50等)の減価償
 却資産該当性であり、処分行政庁が、これらの車両は「使用又は期間の経過によ
 り減価する資産」に該当するとして、その譲渡所得の金額の算定上、取得価額か
 ら保有期間に係る減価の額を控除して取得費を計算し、増額更正処分等を行った
 ことに対し、原告が、客観的な価額(時価)は減少していないなどと主張して一
 部の取消しを求めた事案です。東京地裁は、次のように判示しました。
 
  ある資産が、「使用又は期間の経過により減価」(所得税法38条2項)しな
 い資産〔その範囲は、「時の経過によりその価値の減少しない」資産(同法施行
 令6条)の範囲と同じであるものと解される。〕に該当するか否かの判断も、社
 会通念上想定される本来的な目的・効用を前提に、当該目的・効用が期間の経過
 により減少していくか否かという点から行われるべきであり、本来的な目的・効
 用とは異なる面に置かれていることが社会通念上確立しているといえるような例
 外的な場合に、これと異なる判断がされるにすぎないものと解するべきである。
  自動車の本来の効用は、人や物を乗せ、原動機の動力によって車輪を回転させ
 て路上を走ることにあるところ、その機能は一般的・類型的に逓減していくもの
 である。そうすると、自動車は、原則として「時の経過によりその価値の減少し
 ない」資産には該当しないものというべきである。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/61451

TAINSメールニュース No.637 2023.09.21 発行(社)日税連税法データベース

2023年09月21日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS会費・利用料のインボイス対応について
  下記ページに「TAINS会費・利用料のインボイス対応について」をご案内
 しておりますので、こちらをご一読ください。
                  記
  https://www.tains.org/invoice202309/
                         (財務部長 清水 一男)
 
(2)収録した裁決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・R03-05-26 裁決 棄却 F0-1-1344
  無申告加算税の正当な理由/被相続人の遺贈により生じた所得税等の期限後申
 告
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/61308
 
 【法人税】
 ・R04-09-30 裁決 棄却 F0-2-1166
  貸倒引当金の個別評価金銭債権/重加算税/税理士に送信した借用証書
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/61276
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  司法修習生が支給を受けた基本給付金~非課税所得該当性~
 (令04-12-22 大阪地裁 棄却 Z888-2510)
 
  司法修習生であった原告が、最高裁判所から支給を受けた基本給付金(本件給
 付金)を雑所得の総収入金額に算入して所得税等の確定申告をした後、本件給付
 金は所得税法9条1項15号の「学資に充てるため給付される金品」に該当し非
 課税所得であるなどとして更正の請求をしたところ、A税務署長が、更正をすべ
 き理由がない旨の通知処分をしたことから、その取消しを求める事案です。
  争点は、本件給付金が所得税法上の学資金に該当するか否かです。裁判所は、
 次のように判示して原告の主張を斥けました。
 
  所得税法9条1項15号の「学資に充てるため給付される金品」とは、学校等
 の教育機関において学術等の教育・指導を受けるために必要な費用(学費)に充
 てるために給付される金品をいうものと解され、給付された金品が所得税法上の
 学資金に該当するかどうかは、当該給付の趣旨の解釈として、当該金品がその対
 象者の学資に充てるため給付されたものか否かによって判断すべきものである。
  基本給付金(裁判所法67条の2第2項)は、「司法修習生がその修習期間中
 の生活を維持するために必要な費用」に充てるために支給するものとされている
 こと、基本給付金の制度は、経済的な事情により学資(学費)を負担することが
 困難な司法修習生の支援を目的として導入されたものではなく、法曹人材確保の
 充実・強化を図るという政策的な目的に基づいて導入されたものであり、基本給
 付金は、使途を限定せずに支給されるものであって、学資に充てるために支給さ
 れるものとはいえないから、所得税法上の学資金には当たらない。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/61453

TAINSメールニュース No.636 2023.09.14 発行(社)日税連税法データベース

2023年09月14日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS会費・利用料のインボイス対応について
  下記ページに「TAINS会費・利用料のインボイス対応について」をご案内
 しておりますので、こちらをご一読ください。
                  記
  https://www.tains.org/invoice202309/
                         (財務部長 清水 一男)
 
(2)TAINS研修サイトの更新について
  研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
 NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
  ログイン後、右上部のバナー「30分研修動画」をクリックするとサイトに移
 動し、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する
 研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間
 を登録することができます。
  同シリーズはいずれも受講時間が30分以内となっており、通勤時間等を利用
 して受講・登録ができます。
         記
  役員給与の不相当に高額な部分の金額 ~実質基準が争点となった事例~
                        講 師:税理士 兼平浩美
                     (データベース部長:水庭 清隆)
 
(3)中国税理士会から提供いただいた「研究論文集」を収録しました。
   「詳細検索」の「TAINSキーワード」に次のように入力します。
   中国税理士会研究論文集0006 ‥‥1件【その他文書】
   URL:https://app6.tains.org/search/detail/61502
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  区分所有建物の固定資産税等/機械式立体駐車場の専有部分の床面積
 (令04-04-19 大津地裁 一部認容・一部棄却 Z999-8481)
 
  納税者は、住宅、店舗及び公共施設等が入居する複合施設のうち、乗用車52
 台を収容することが可能なエレベーター方式の機械式立体駐車場部分を所有して
 いました。本件は、納税者が大津市から専有部分の床面積を780平方メートル
 (各駐車区画の専有面積15平方メートルに収容可能台数52台分を乗じた)と
 して、固定資産税等の賦課決定を受けたことから、登記上の床面積である85.
 52平方メートルを超える部分は違法であるとして、処分の取消し並びに国家賠
 償法1条1項に基づく損害金等の支払を求めたものです。
  大津地裁は、登記上の床面積での算定を認めましたが、国家賠償請求は認めず、
 還付加算金を付した還付手続によって清算されるべきと判断しています。
 
  地方税法及び地方税法施行規則は、区分所有建物に係る固定資産税の賦課につ
 いて、区分所有法の規定に従い算定した専有部分の床面積の割合による按分の方
 法を原則とし、規則所定の補正計算による場合と区分所有者全員の申出による場
 合のみを例外とする旨明確に定めている。上記の法及び規則の定めが、専有部分
 の床面積の算定とその補正について、課税庁の裁量的な判断を許容していると解
 すべき合理的な理由は見当たらない。したがって、これらの規定に反した区分所
 有建物に係る固定資産税と都市計画税の賦課をすることは、地方税法352条1
 項に反する違法があるといわざるを得ない。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/60715