2018年11月01日
【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
下記の日程でサーバメンテナンスを行います。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
(システム部長:水澤 裕)
日時:2018年11月2日(金) 午後7:00 ~ 午後7:30
作業時間帯はすべての機能のご利用ができません。
(2)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
【所得税】
・H29-11-08 裁決 棄却 F0-1-884
無申告加算税の正当な理由/納税者の体調不良
【消費税】
・H29-06-16 裁決 棄却 F0-5-206
仕入税額控除/重加算税/領収書の宛名
【その他】
・H30-10-19 最高裁 Z999-5399
相続分の無償譲渡/譲渡者の相続における遺留分算定の基礎となる「贈与」該
当性 (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
減価償却費/太陽光発電設備を事業の用に供した日
(平29-12-21 非公開裁決 棄却 F0-2-768)
請求人A社は、電力会社との間で、太陽光発電設備で発電した電力を全て同社
に売却するため、配線方法について「全量配線」を選択して電力供給に係る契約
を締結しました。本件は、A社が、太陽光発電設備の減価償却費を損金の額に算
入して申告したところ、原処分庁が、本件各設備を係争事業年度内に事業の用に
供しておらず、減価償却費を損金の額に算入することはできないとして更正処分
をした事案です。A社は、A社が行う手続の最終段階である工事費負担金の支払
を終えた時点で事業の用に供したものとするべきであると主張しましたが、審判
所は次のように判断しました。
本件各設備は配線方法が全量配線の太陽光発電設備であるから、A社が各設備
を事業の用に供したというためには、本件各設備のそれぞれが系統連系工事を了
し、電力会社へ発電した電力の供給を開始した事実を必要とする。
そうすると、系統連系工事を了し、電力の供給が開始された日は、本件設備1
が平成27年4月2日、本件設備2が同年6月8日であるから、本件各設備のい
ずれについても事業年度末(平成27年3月31日)までに電力供給を開始した
事実は認められない。したがって、A社は、本件各事業年度の太陽光発電設備の
減価償却費を損金の額に算入することはできない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-768
2018年10月25日
【1】今週のお知らせ
(1)裁決事例集110集の収録を完了しました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、平成30年1月から3月分の裁
決事例集110集の収録を完了しました。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集110集 ………→15件
この中から消費税の事例を紹介します。
【消費税】
・J110-5-14 H30-02-23公表裁決 棄却
納税義務の免除(免税事業者)
(2)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
【所得税】
・H30-08-29 最高裁 不受理・確定 Z888-2199
上告不受理/馬券払戻金の所得区分と外れ馬券の必要経費性
【法人税】
・S63-09-21 裁決 全部取消し F0-2-781
更正の請求/黒字決算とするため自己加算した貸倒損失
【相続税】
・H29-12-19 裁決 棄却 F0-3-590
無申告加算税/納税義務の成立・正当な理由の有無/権利の帰属につき係争中
の場合 (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
源泉所得税の納税告知処分~法定納期限経過後における錯誤無効の主張~
(平30-9-25 最高裁 上告棄却・確定 Z888-2197)
本件は、青果荷受組合の元理事長に対する債務免除に係る経済的利益の賞与該
当性が争われていた事件の2度目の最高裁判決です。本最高裁では、上告人(青
果荷受組合)は、納税告知処分の適法性を争い、債務免除益が納税告知処分の対
象になるのであれば、前提条件に錯誤があり、要素の錯誤であるから、本件債務
免除は無効である旨主張しました。最高裁は、次のとおり判断し、原審〔差戻後
控訴審(広島高裁 H29-02-08・Z888-2087)〕の判断は結論
において是認し、論旨は、結局、採用することができないとして、上告人の請求
を棄却しました。なお、山崎敏充裁判長裁判官の補足意見があります。
上告人が法定納期限の経過後に本件債務免除の錯誤無効を主張することは許さ
れないとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるものといわざ
るを得ない。しかしながら、上告人は、本件債務免除が錯誤により無効である旨
の主張をするものの、納税告知処分が行われた時点までに、債務免除により生じ
た経済的成果がその無効であることに基因して失われた旨の主張をしておらず、
したがって、上告人の主張をもってしては、源泉所得税の納税告知処分のうち4
億8573万4304円の源泉所得税の額を超えない部分及び不納付加算税の賦
課決定処分のうち同部分に係る部分が違法であるということはできない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2197
2018年10月18日
【1】今週のお知らせ
(1)引き続き公表裁決事例を収録中です。
先週に引き続き国税不服審判所のホームページに掲載された公表裁決事例の収
録作業を行っております。法人税の事例を紹介いたします。
【法人税】
・J110-3-12 H30-03-27公表裁決 棄却
減価償却資産の償却 損金経理
収録済の公表裁決は下記キーワードで検索することができます。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集110集
(2)「調査に生かす判決情報」を収録
東京国税局課税第一部国税訟務官室からの情報「調査に生かす判決情報」の第
73号から第81号までの9件を収録しました。判決情報の一部を紹介します。
・積極的に質問応答記録書を作成しましょう!-証拠収集の重要性-
・裁判例から見る所得税の推計課税-推計課税を行うに当たって、知っておきた
い近年の裁判例-
≪検索方法≫ 【キーワード】 判決情報 ☆2018年10月収録分
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
みなし譲渡課税・取引相場のない株式の時価~議決権割合の判定時期~
(平30-07-19 東京高裁 全部取消し Z888-2198)
A社の代表取締役であった被相続人庚が、所有していたA社株式をB社に譲渡
したことにつき、相続により庚の平成19年分所得税の納付義務を承継した控訴
人らが、株式に係る譲渡所得の収入金額を譲渡対価(1株当たり75円・配当還
元方式)と同じ金額で申告したところ、鶴見税務署長が、譲渡対価はその時にお
けるA社株式の価額(1株当たり2990円、異議決定後は2505円・類似業
種比準方式)の2分の1に満たないから、本件株式譲渡は所得税法59条1項2
号の低額譲渡に当たるとして更正処分等をした事案です。
裁判所が次のように判示したことから納税者の逆転勝訴となりましたが、被控
訴人は最高裁判所に上告受理申立てをしたため、今後の動向が注目されます。
A社株式が評価通達188の(3)の株式に該当するかどうかが争われている
ところ、所基通59-6の(1)が、評価通達188の(1)に定める「同族株
主」に該当するかどうかについて株式を譲渡した個人の当該譲渡直前の議決権の
数により判定する旨を定めている。同(3)の「同族株主のいない会社」の株主
区分の判定については、その文言どおり、株式の取得者の取得後の議決権割合に
より判定されるものと解するのが相当である。B社には同族関係者がおらず、そ
の議決権割合はA社の議決権総数の15%未満にとどまり、A社株式は、評価通
達188の(3)の株式に該当し配当還元方式によって評価すべきであるから、
本件株式譲渡は所得税法59条1項2号の低額譲渡に当たらない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2198
2018年10月11日
【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録中です。
国税不服審判所のホームページに掲載された公表裁決事例の収録作業を行って
おります。相続税の事例の一部を紹介いたします。
【相続税】
・J110-1-02 H30-01-29公表裁決 一部取消し
無申告加算税 更正又は決定の予知
・J110-1-05 H30-02-06公表裁決 一部取消し
重加算税 隠ぺい、仮装の認定 認めなかった事例
収録済の公表裁決は下記キーワードで検索できます。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集110集
(2)収録した裁決の一部を紹介いたします。
・H27-09-17 裁決 却下 F0-5-201
延滞税の取消しを求める旨の審査請求/国税に関する法律に基づく処分
・H29-05-22 裁決 棄却 F0-5-202
役務の提供に係る内外判定/工事の請負か仲介か
・H29-05-22 裁決 棄却 F0-5-203
仕入税額控除/帳簿不提示/再調査時の領収書等提示
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:小菅 貴子)
みなし配当の源泉徴収義務/事業の全部の譲受けによる自己株式の取得
(平29-08-02 非公開裁決 棄却 F0-1-821)
本件は、請求人が自己の株式の取得に際し株主(前代表者)に交付した金銭に
ついて、原処分庁が、その一部が所得税法25条《配当等とみなす金額》1項に
規定する配当等とみなす金額に当たるとして、源泉徴収に係る所得税等の納税告
知処分等を行ったのに対し、請求人が、当該自己の株式の取得は同項5号括弧書
きに規定する配当等とみなす金額が生じない所得税法施行令61条1項4号に規
定する事業の全部の譲受けによる取得に該当するとして、その全部の取消しを求
めた事案です。審判所は次のとおり判断して、請求人の請求を棄却しました。
請求人が、本件自己株式のほかに前代表者から本件各不動産以外の資産を譲り
受けた事実は認められず、また、本件各不動産の貸付けに関する得意先関係等の
経済的価値のある事実関係を譲り受けた事実も認められない。そうすると、請求
人は、前代表者から本件自己株式及び本件各不動産を取得したが、これらに加え
て経済的価値のある事実関係を譲り受けた事実は認められないから、請求人は、
事業を前代表者から譲り受けたとは認められない。
請求人は、本件自己株式及び本件各不動産を前代表者から譲り受け、更に前代
表者は請求人の取締役を辞任しており、事業の全部の譲受けが行われた旨主張す
るが、結局のところ、請求人は、前代表者が請求人の経営から退くとともに、本
件自己株式及び本件各不動産を前代表者から取得した旨主張しているにすぎず、
請求人の主張には理由がない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-821
2018年10月04日
【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
研修サイトを更新し、新たに3テーマを追加しました。ログイン後、「TAI
NS研修」のアイコンをクリックするとサイトに移動し、オンデマンド研修を受
講できます。詳細はトップページの「お知らせ」をご覧ください。
(事業部長:蓮間 好一)
(2)公表裁決事例を収録中です
国税不服審判所のホームページに平成30年1月から3月分の裁決事例15件
が公表されました。http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/110.html
現在、編集・収録作業を行っております。下記に一部を紹介いたします。
【所得税】
1.J110-1-06 H30-03-07公表裁決 一部取消し、棄却
重加算税 隠ぺい、仮装の認定 認めなかった事例
2.J110-2-09 H30-03-22公表裁決 棄却
一時所得 一時所得と認めた事例 その他
3.J110-2-10 H30-01-11公表裁決 一部取消し、棄却
給与所得の源泉徴収 認定事例
収録済の公表裁決は下記キーワードで検索できます。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集110集
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
交際費/建設工事の施工業者の選定権限を有する者に対し支出した紹介手数料
(平29-11-20 非公開裁決 棄却 F0-2-776)
本件は、審査請求人が受注した工事に関する紹介手数料として支出した金員に
ついて、原処分庁が、当該金員は施工業者の選定権限を有する者に対する金銭の
贈答のために支出したものであるから、交際費等に該当し損金の額に算入できな
いなどとして、請求人に対し法人税等の更正処分等をした事案です。
審判所は、本件金員は、交際費等の三要件を満たしているとし、また、請求人
が支払先から交付を受けた「建設工事紹介及び紹介手数料の支払いについて」と
題する書面等については、情報提供の正当な対価であるように装ったものである
として、重加算税の賦課要件を満たしているとしました。
本件管理者は、介護付有料老人ホームの予定運営管理者であり、工事の施工業
者の選定を任されていたことから、本件工事を受注しようとしていた請求人にと
って、「事業に関係ある者」に該当する。請求人は、管理者との親睦の度を密に
して、事業の円滑な遂行を図る目的で、本件金員を支出したものと認めるのが相
当であり、本件紹介手数料の支出は、請求人が、工事を受注できたことへの謝礼
及び将来にわたる情報提供を期待して管理者の歓心を買うために支出したもので
あるから、その行為の形態は、管理者に対する金銭の贈答に当たる。本件紹介手
数料は、措置法第61条の4第3項(現行4項)の交際費等に該当する。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-776
2018年09月27日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決・判決の一部を紹介いたします。
【所得税】
・H29-09-01 裁決 棄却 F0-1-851
重加算税/不動産所得の必要経費/税理士に対する虚偽説明
・H01-06-16 裁決 棄却、一部取消し F0-1-853
調査の違法/推計の合理性/水道工事業
【相続税】
・H27-09-01 裁決 一部取消し、棄却 F0-3-564
決定通知書の処分理由/外国法人株の増資に係るみなし贈与
・H27-06-01 裁決 棄却 F0-3-565
家屋の評価/「鑑定評価」の合理性
・H29-08-04 裁決 棄却 F0-3-584
処分理由の差替え/雑種地の評価/「広大地」該当性・評価単位
【地方税】
・H28-01-21 京都地裁 Z999-8395
・H28-06-23 大阪高裁 Z999-8396
固定資産税/登録価格の決定/道路判定の処分性・接面街路の「3号道路」該
当性 (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
固定資産税の登録価格の決定~土地に接する街路の「3号道路」該当性~
(平30-07-17 最高裁 破棄差戻し Z999-8397)
この事案は、4筆の土地の所有者が、土地の登録価格を不服として京都市固定
資産評価審査委員会に審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の決定を受け
たため、京都市(被上告人)を相手に、その各決定の取消しを求めるものです。
最高裁では、次のとおり判断し、原判決を破棄し、各土地の西側に接する街路
(本件街路)が建築基準法42条1項3号に規定する道路(3号道路)に該当す
るか否か等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差戻しました。
本件街路が3号道路に該当するか否かは、昭和25年11月23日時点で本件
街路が幅員4m以上の道として存在した事実が客観的に認められるか否かにより
定まる以上、このような事実が認められず、本件街路が3号道路に該当するとい
うことができない場合には、本件道路判定(京都市長の本件街路が3号道路に該
当する旨の道路判定)がされていても、建築主事等は、各土地が3号道路に接し
ていることを前提とした建築確認をすることはできない。
したがって、本件街路が3号道路に該当するための要件を満たすか否かは明ら
かでないとしながら、本件道路判定がされていること等を理由に、建築確認を受
けることができないために各土地上に建築物を建築することができない事態とな
る可能性はないとして、本件街路が3号道路に該当することを前提とする登録価
格の決定は適法であるとした原審の判断には、固定資産の評価等に関する法令の
解釈適用を誤った違法がある。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-8397
2018年09月20日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介いたします。
【所得税】
・H30-01-11 裁決 一部取消し F0-1-848
重加算税/換地不交付に対する清算金の期限後申告
【法人税】
・H29-11-24 東京地裁 棄却 Z888-2191
移転価格税制/残余利益分割法/無形資産の使用許諾及び役務提供取引
【相続税】
・H29-06-20 裁決 棄却、却下 F0-3-566
無申告加算税/「正当な理由」の有無/請求の利益(処分の不存在)
・H29-06-21 裁決 棄却 F0-3-567
更正の請求/やむを得ない事由の有無/被相続人の亡夫の遺産分割協議の無効
判決
【消費税】
・H29-06-06 裁決 棄却 F0-5-199
仕入税額控除/役員の親族に支払った外注加工費
・H27-10-21 裁決 棄却 F0-5-200
過少申告加算税/更正があるべきことの予知
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
重加算税/換地不交付に対する清算金の期限後申告
(平30-01-11 非公開裁決 一部取消し F0-1-848)
請求人が、土地区画整理組合から交付を受けた換地不交付に対する清算金につ
いて、調査を受け、法定申告期限後に確定申告書を提出したところ、原処分庁か
ら重加算税の賦課決定処分を受けた事案です。
審判所は、次のとおり、重加算税の賦課要件は満たさないとして、無申告加算
税相当額を超える部分を取り消しました。
原処分庁は、請求人が、確定申告会場に行った際、清算金を受領した事実を秘
匿するために、あえてお知らせや支払調書を持参しなかった旨主張するが、仮に
お知らせ等を持参しなかった事実が認められるとしても、清算金についての確定
申告をすることは可能であったといえる。また、請求人は、自身が理事を務める
組合から支払調書を受領しており、組合がこれを原処分庁へ提出することは容易
に察し得る状況にあったといえるから、請求人がこれらの書類を確定申告会場へ
持参しなかったとして、清算金の受領の事実を秘匿するための行動と評価するの
は困難といわざるを得ない。
請求人は、お知らせ及び支払調書を含む清算金に係る書類を廃棄するなどの行
為をしていないこと、預金口座に清算金が振り込まれた日以降調査が開始された
日までの間において、預金口座から特段多額の出金はなく、清算金を受領した後、
これを隠匿しようとするような行為をしていないことが認められる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-848
2018年09月13日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介いたします。
【所得税】
・H30-03-19 裁決 一部取消し F0-1-835
みなし譲渡/発行会社への株式引渡し
・H21-06-05 裁決 一部取消し F0-1-841
必要経費/中古車両の耐用年数/空調設備工事業
【法人税】
・H27-12-01 裁決 棄却 F0-2-769
重加算税/取締役個人名義口座に入金された車両売却代金/税理士に対する虚
偽説明
・H29-10-24 裁決 棄却、却下 F0-2-772
通則法65条1項「納付すべき税額」/減額更正後の修正申告による過少申告
加算税
【相続税】
・H29-09-05 裁決 却下、棄却 F0-3-581
更正通知書の処分理由/宅地の評価/道路と高低差のある土地の10%評価減
の可否
・H29-11-20 裁決 棄却 F0-3-583
株式評価/類似業種比準方式/クレーン車売却益の「非経常的な利益の金額」
該当性 (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
法定納期限から5年経過後の期限後申告の可否/先物取引に係る損失
(平30-01-16 千葉地裁 棄却・控訴 Z888-2194)
給与所得者である原告は、先物取引の差金決済に係る損益について、平成22
年分以降の所得税の期限後申告をしたところ、処分行政庁から、平成21年分の
所得税についても申告義務があるとして、決定処分を受けました。原告は、調査
の際、平成20年分の損失(2116万円)を翌年に繰り越したいと述べたとこ
ろ、時効により期限後申告をすることはできない旨の説明を受けました。しかし
原告は、調査の時点では、通則法25条の決定を受けていなかったから、期限後
申告を行うことができたと主張しています。裁判所は次のように判示しました。
確定申告は、納税者自らの判断と責任においてその納税額を自ら確定させる行
為であると解されるから、通則法25条の規定による決定がされない場合であっ
ても、当該申告の対象となる国税の時効期間が経過し、抽象的な納税義務自体が
消滅し、具体的な納税義務の内容をおよそ確定することができなくなったときに
は、期限後申告をすることはできなくなると解するほかはなく、したがって、納
税者が期限後申告をすることができる期間は、原則として、当該国税に係る法定
納期限から5年間であると解するのが相当である。
そうすると、平成26年11月18日の調査時においては、平成20年分所得
税の法定納期限(平成21年3月16日)から5年を経過し、原告は、同所得税
の期限後申告をすることができなかったこととなる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2194
2018年09月06日
【1】今週のお知らせ
(1)各税理士会からTAINSに提供いただいた相談事例等のうち、平成30年
6月22日以降の収録は次の通りです。「日付範囲指定」のTAINS登録に
年月日を入力して、提供の税理士会名と参考キーワードで検索してください。
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情報区分 税理士会名 参考キーワード 件数
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相談事例 東京税理士会 会員相談室 3件
南九州税理士会 会員税務相談室 10件 合計 13件
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その他文書 近畿税理士会 論壇 8件
近畿税理士会 研究レポート 5件
名古屋税理士会 税務研究 1件
中国税理士会 研究論文集 1件 合計 15件
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(税法データベース編集室)
(2)収録した裁決の一部を紹介いたします。
【所得税】H29-12-13 裁決 棄却 F0-1-838
重加算税/解体工事業に係る架空経費
【法人税】H29-06-23 裁決 棄却 F0-2-763
重加算税/従業員と監査役による売上計上漏れと経費の過大計上
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
源泉所得税の還付請求権の消滅時効と還付加算金の起算点
(平29-09-21 名古屋地裁 一部認容ほか・確定 Z888-2183)
A社は、その代表者であった甲に対し、退職慰労金を支給する旨の株主総会決
議が成立したとして、源泉徴収に係る所得税及び市県民税を控除して支払うとと
もに、平成20年6月3日、源泉所得税を納付しました。その後、合併によりA
社の権利義務を承継した原告が、株主総会決議の不存在を理由とする別件訴訟の
確定後、平成27年4月14日に甲より退職慰労金手取額の支払を受けたことか
ら、本件源泉所得税は過誤納金に当たると主張して、被告に対し、源泉所得税の
還付請求及び起算日を平成27年5月8日とする還付加算金の支払を求めた事案
です。裁判所は、次のとおり判断し請求の一部を認容しました。
本件源泉所得税は、原告が甲から退職慰労金手取額の返還を受けるまでは課税
要件に欠けるところはなく、還付請求権の行使は、法律上の障害があったという
べきである。したがって、本件源泉所得税の納付日の翌日である平成20年6月
4日を、国税通則法74条所定の「その請求をすることができる日」であると認
めることはできず、還付請求権が時効により消滅したということはできない。
名古屋中税務署長は、甲の退職慰労金に係る所得の支払の経済的成果が失われ
た平成27年4月14日の時点において過誤納の事実を知り得たということがで
きるから、還付加算金の起算点は、税務署長がその事実を確認した日の翌日から
起算して1月を経過する日の翌日である平成27年5月15日となる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2183
2018年08月30日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決・判決の一部を紹介します。
【所得税】
・H27-11-11 裁決 棄却 F0-1-826
青色取消し/帳簿不存在/税理士業
・H27-11-30 裁決 棄却 F0-1-827
重加算税/店長名義で営まれていた風俗店
【法人税】
・H29-08-29 東京地裁 棄却 Z888-2171
原発事故により受領した損害賠償金/復興特別法人税の納税義務者
・H29-05-23 裁決 棄却 F0-2-746
損金の額/外国税額控除を受けた外国法人税の額
【相続税】
・H30-03-27 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2192
貸付金債権の存否及び評価/評価通達の合理性・回収可能性・特別の事情の有
無
・H29-10-25 裁決 棄却 F0-3-578
金地金の申告漏れ/隠ぺい又は仮装の行為・偽りその他不正の行為の有無
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
不動産の無償譲渡を受けたことによる出資価額の増加益はみなし贈与に該当
(平29-12-01 非公開裁決 棄却 F0-3-580)
同族会社A社がBから不動産の無償譲渡を受けたことにより増加した出資の価
額に相当する部分について、A社に出資する社員である請求人が、贈与税の申告
をしました。その後、請求人は、その増加益は贈与による財産の取得には当たら
ないから贈与税の納税義務はないなどとして更正の請求をしましたが、これに対
し、原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったため、請求人が、
その処分の取消しを求めた事案です。
審判所は、次のように判断し、請求人の主張を棄却しました。
相続税法第9条は、私法上の贈与契約によって財産を取得したものではないが、
贈与と同じような実質を有する場合に、贈与の意思がなければ贈与税を課税する
ことができないとするならば、課税の公平を失することになるので、この不合理
を補うために、実質的に対価を支払わないで経済的利益を受けた場合においては、
贈与契約の有無にかかわらず贈与により取得したものとみなし、これを課税財産
として贈与税を課税する趣旨の規定であると解される。
本件譲渡によって請求人のA社に対する出資の価額は増加したのであるから、
請求人は、実質的に対価を支払わないで経済的利益を受けたといえ、相続税法第
9条の規定により、本件増加益を、Bから、贈与により取得したものとみなされ
る。したがって、本件増加益は贈与税の課税財産となるから、更正をすべき理由
がないとして行った本件通知処分は、適法である。
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