TAINSメールニュース No.677 2024.07.11 発行(一社)日税連税法データベース

2024年07月11日

【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用がで
きません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げ
ます。
(システム部長:坂井 昭彦)
日時:2024年7月11日(木) 午後10:00 ~ 午後10:30
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。

(2)東京地方税理士会からご提供いただいた相談事例を収録しました。
「TAINSキーワード」に次のように入力します。
東京地方税理士会 ☆2024年07月収録分 ‥‥9件
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等          (税法データベース編集室:草間 典子)
一括払の金型費用について、毎月収益計上する処理を認め処分を全部取消しに!
(令05-12-21 公表裁決 全部取消し J133-3-07)

請求人は、N社から注文を受けた部品を製造する際、金型等もその都度製作し
ていました。金型等の製作費用相当額(金型等相当額)について、請求人とN社
は、部品の量産開始日を含む月の翌月から24回の月額均等分割払とすることで
合意し、契約を締結しています。しかし、契約の途中でコロナ禍となり、N社は、
取引先への緊急支援策として、金型等相当額の残額について、希望する取引先に
は一括で支払う旨通知し、請求人は残額を一括で受けました。
原処分庁は、一括払の金型等相当額は、請求人が受領した時点で所得の実現が
あったとし、受領した日の属する事業年度において、全額を益金の額に算入する
更正処分等を行いました。しかし、審判所は、処分を全て取り消しています。

請求人とN社との契約は、請求人からN社に対して、請求人が製作した金型等
についてN社に一定の権利を付与する権利設定契約に係る役務を提供し、N社か
ら請求人に対して役務の対価として金型等相当額を支払うことを内容とする契約
と解される。本件役務は、製作した金型等を使用して日々部品を製造し、日々金
型等の維持管理を継続するというもので、継続的に日々提供されるという特質を
有するものである。金型等相当額は、均等分割払方式か一括払で受領したかにか
かわらず、毎月末日の経過でその支払請求権(収入の原因となる権利)が順次確
定するものと認められ、請求人が、本件一括払費を均等分割払方式の際と同様に、
毎月末日に収益計上した会計処理は、公正処理基準に適合するものと認められる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62866

TAINSメールニュース No.676 2024.07.04 発行(一社)日税連税法データベース

2024年07月04日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、令和5年10月から12月分の
公表裁決事例の収録が完了いたしました。
≪検索方法≫
「詳細検索」の「TAINSキーワード」に『★裁決事例集133集』を入力
して検索

(2)収録した判決の一部を紹介します。
【その他】
・R06-06-03 東京地裁 有罪 Z999-9178
刑事事件/脱税スキームによる暗号資産(仮想通貨)取引に係る雑所得の除外
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62869
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:依田 孝子)
あと百万円払えば免除される条件づきの相続債務十億円の債務控除は可能か?
(令04-04-13 非公開裁決 棄却 F0-3-872)

請求人らは、承継債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務
(本件債務、9億7370万円)につき、その債務免除益が一時所得として所得
税等の更正処分を受けたことを前提に、本件債務は相続税法第14条第1項に規
定する「確実と認められるもの」に該当するとして審査請求をしました。
審判所では、次のとおり判断し、本件債務は「確実と認められるもの」には該
当しないから、債務控除の対象とはならないとしました。なお、所得税等の更正
処分は、東京高裁(Z888-2622)で、その全部が取り消されています。

「確実と認められるもの」とは、相続開始の時において、債務の存在が確実と
認められるのみでは足りず、債権者による請求等により、債務者につきその債務
の履行が義務付けられている債務であることが必要であり、その金額は、その時
の客観的経済価値によって評価すると解すべきである。
被相続人は、和解条項に従って原債務を履行し、相続の開始の時において、支
払条件により本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は合計100万
円であったこと、現に、請求人らが支払条件に従った履行をし、銀行により本件
債務が免除されたこと等に照らして、相続の開始の時の現況により控除すべき債
務の金額の客観的経済価値を評価すれば、100万円と認められるから、本件債
務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履
行が義務付けられている債務であると認めることはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62149

TAINSメールニュース No.675 2024.06.27 発行(一社)日税連税法データベース

2024年06月27日

【1】今週のお知らせ
(1)号外発行のご案内
  ユーザーの皆様へオススメのコンテンツ等の収録情報をいち早くお伝えする取
 り組みとして、今後は新作の30分研修動画の公開にあわせて、メールニュース
 の号外としてお知らせいたします。ぜひご視聴ください。
                   (ユーザーサポート部長:小林 英樹)
 
(2)収録した判決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・R06-01-17 横浜地裁 棄却 Z888-2558
  損金の額と役員給与/取引先の取締役就任により生じた損害賠償債務と弁護士
 費用
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/62286
 
 【地方税】
 ・H23-01-26 広島高裁 棄却、上告 Z999-8522
  固定資産税/登録価格/ゴルフ場クラブハウス等の需給事情による減点補正の
 要否
  URL:https://app6.tains.org/search/detail/62855
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  ドバイLLCは二国間条約の「一方の締約国の居住者」に該当しない!
(令05-05-30 東京地裁 棄却・確定 Z888-2551)
 
  ドバイに本店を置くLLCである原告が、税務署長から、原告は、「所得に対
 する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアラブ首長国
 連邦との間の条約」4条1の「一方の締約国の居住者」には該当せず、本件条約
 は原告に適用されないことを前提に、原告による株式の譲渡に係る所得及び役務
 提供に係る所得は、国内源泉所得に当たるとして、法人税、地方法人税の決定処
 分及び無申告加算税の賦課決定処分を受けたのに対し、原告はドバイの「居住者」
 であって本件条約が適用されるなどとして、処分の取消しを求める事案です。
  裁判所は、以下のとおり、原告の請求を棄却しました。
 
  連邦国家としてのUAEは、法人に対する課税制度を設けていない。また、ド
 バイ所得税命令に基づき、居住者基準により課税を受けるべきものとされる者は
 ない。UAE及びドバイの税制の下においては、ドバイ法人は、ドバイの「居住
 者」、すなわち本件条約4条1の規定する「一方の締約国の居住者」には当たら
 ない。以上からすれば、ドバイのLLCである原告は、「一方の締約国の居住者」
 に当たらないから、本件条約1条により、原告に本件条約の適用はない。
  本件活動拠点が販売に係る人的機能を有していたと認められ、ドバイ本店は、
 各関連会社株式の譲渡に関し積極的な意思決定を行っていたとはいえず、株式の
 譲渡益及び各事業に関する役務提供に係る収入は国内源泉所得に当たる。
 URL:https://app6.tains.org/search/detail/62197

TAINSメールニュース No.674 2024.06.20 発行(一社)日税連税法データベース

2024年06月20日

【1】今週のお知らせ
(1)≪横断検索≫第一法規「税務・会計データベース」
システムメンテナンスについて
下記の日時にてシステムメンテナンスを行います。
メンテナンス時間中もご利用いただけますが、サービスの瞬断や、画面の体裁
の崩れ等が発生することがあります。
また、Standardにおいては、メンテナンス時間中に保存された「ふせ
ん」「保存した本文」「保存した検索」、作成されたフォルダおよび「閲覧履歴」
「検索履歴」は、メンテナンス完了後にクリアされますので、ご注意ください。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
―記―
令和6年6月25日(火)午後6時~同10時
※メンテナンス時間は作業状況により短縮又は延長する可能性がございます。

(2)東京税理士会からご提供いただいた相談事例を収録しました。
「TAINSキーワード」に次のように入力します。
東京税理士会 ☆2024年06月収録分 ‥‥7件
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
相続税で控除されなかった債務の免除益に所得税を課税するのは二重課税に!
(令06-01-25 東京高裁 認容・上告受理申立て Z888-2622)

亡甲の相続人である一審原告らは、亡甲の銀行債務を相続し、銀行との間で成
立していた一定額の分割金を支払った場合には残部について債務免除をするとの
裁判上の和解に基づき9億7370万円の債務免除を受け、その免除益を申告し
なかったところ、一時所得に該当するとして更正処分を受けました。一審原告ら
は、相続税の債務控除が認められないのに、債務免除益に所得税を課すのは所得
税法9条1項16号に反する二重課税として許されない旨主張しています。
東京高裁は、次のように判示して、原判決(Z888-2487・一部取消し)
を変更し、本件各処分の全部を取り消しました。

相続税法13条及び14条の規定の趣旨を踏まえれば、担税力を減殺させるも
のではないとして相続財産から控除されなかった相続債務が相続開始後に免除を
受けたからといって、これにより債務者に新たな担税力が生じるものと解するこ
とは相当でない。そうすると、相続人の免除益については、形式的には債務免除
を受けた時点で発生したものといえるとしても、所得税課税との関係では、潜在
的には相続により取得していたものとみることが可能であり、また、控除されな
かった債務に相当する部分の経済的価値と実質的に同一のものということができ
るから、特段の事情のない限り、これに所得税の課税をすることは、所得税法9
条1項16号に反するものとして許されないというべきである。
URL: https://app6.tains.org/search/detail/62831

TAINSメールニュース No.673 2024.06.13 発行(一社)日税連税法データベース

2024年06月13日

【1】今週のお知らせ
(1)≪横断検索≫第一法規「税務・会計データベース」
システムメンテナンスについて
下記の日時にてシステムメンテナンスを行います。
メンテナンス時間中もご利用いただけますが、サービスの瞬断や、画面の体裁
の崩れ等が発生することがあります。
また、Standardにおいては、メンテナンス時間中に保存された「ふせ
ん」「保存した本文」「保存した検索」、作成されたフォルダおよび「閲覧履歴」
「検索履歴」は、メンテナンス完了後にクリアされますので、ご注意ください。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
―記―
令和6年6月25日(火)午後6時~同10時
※メンテナンス時間は作業状況により短縮又は延長する可能性がございます。

(2)収録した税務訴訟資料の一部を紹介します。
【所得税】
・R04-10-06 最高裁 棄却、不受理、確定 Z272-13761
上告棄却・不受理/外国税額控除/控除限度額の規定と租税条約/ブラジル国
債の利子
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62145

【消費税】
・R04-10-26 東京地裁 棄却、確定 Z272-13763
用途区分/住宅用賃貸部分を含む中古建物/販売目的の取得でも共通対応分
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61784

収録完了したものは下記のキーワードで検索できます。
≪検索方法≫ 【TAINSキーワード】 ★税資272号
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
不当利得返還請求権が相続財産に!税理士に伝えなかった行為は隠蔽に該当!
(令05-02-16 東京地裁 棄却・確定 Z888-2554)

本件は、原告甲に対する不当利得返還請求権が亡母丙の相続財産になると判断
された事件です。原告甲は、平成21年1月、丙名義で証券会社の一般口座(本
件口座)を開設し、MRFを現金に換金して出金するカードを受け取りました。
平成22年11月、丙は認知症と診断され、平成24年12月、老人保健施設に
入所しました。平成25年9月から4か月の間に、本件口座の株式が全て売却さ
れ、その後、本件口座からほぼ毎日のようにATMの1日当たりの限度額である
200万円が出金(本件各出金)され、総額14億円超の出金となっていました。
東京地裁は、本件各出金をしたのは原告甲であると認定し、次のように判断し
ました。また、本件各出金の事実を税理士に伝えなかった行為は、国税通則法6
8条1項の「隠蔽」に該当し、重加算税処分は適法であると判断しました。

丙が黙示的であれこのような出金をする権限を原告甲に付与していたとは通常
考え難いし、本件各出金が行われた当時の丙の認知能力が相当低下していたこと
からすれば、丙が原告甲に対して上記の態様の出金に係る授権をしたものとは一
層考え難い。原告甲は、本件各出金に係る金員について、丙の占有を排除して自
己のために所持等していたのであり、法律上の原因なく利益を受け、そのために
丙に損失を及ぼしたものといえるから、丙は、民法703条、704条に基づき、
原告甲に対する不当利得返還請求権を有するに至っていたと認められる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62180

TAINSメールニュース No.672 2024.06.06 発行(一社)日税連税法データベース

2024年06月06日

【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【相続税】
・R05-02-16 東京地裁 棄却、確定 Z888-2554
相続財産/不当利得返還請求権の成否/隠蔽又は仮装の有無/証券口座からの
出金
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62180
・R03-06-07 裁決 棄却 F0-3-772
土地の評価/「広大地」該当性/マンション等の敷地
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62184
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
審査請求が不適法でも裁決の取消しを求める「訴えの利益」は否定されない!
(令04-06-30 大阪地裁 棄却・確定 Z272-13731)

原告が、所得税等に係る更正処分等を不服として審査請求をしたところ、国税
不服審判所長から、本件審査請求をいずれも却下する旨の裁決(本件裁決)を受
けたため、被告を相手に、本件裁決の取消しを求める事案です。
争点は、本件裁決の取消しを求める訴えの利益の有無と本件裁決の適法性です。
裁判所は、裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有すると判断しました
が、本件裁決の適法性については、本件審査請求は不服申立期間の徒過につき正
当な理由が認められる余地はなく、不適法として却下した本件裁決に誤りはなく、
本件裁決は適法であると判断して原告の主張を棄却しています。

被告は、審査請求が不適法であって補正することができないものである場合に
は、審査請求に対する裁決を取り消したとしても、裁決行政庁としては、改めて
審査請求を不適法として却下するほかなく、裁決によって原処分が取り消される
余地はないから、裁決の取消しを求める訴えの利益はない旨主張する。
しかし、本件審査請求が不適法であるかどうかは、本件裁決の適法性という正
に本案の問題であり、その審理判断の結果、本件審査請求が適法であるとして本
件裁決が判決により取り消された場合には、本件裁決がされていない状態に復す
ることにより、審査請求人である原告は、裁決行政庁である国税不服審判所長に
よる審査を改めて受けることが可能となるのであるから、原告は、本件裁決の取
消しを求めるにつき法律上の利益を有するというべきである。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62698

TAINSメールニュース No.671 2024.05.30 発行(一社)日税連税法データベース

2024年05月30日

【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R05-08-02 東京高裁 棄却、上告、上告受理申立て
Z888-2576
上場株式の払込価額/「有利な金額」該当性/特段の事情の有無
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62344

【消費税】
・R04-05-10 裁決 棄却 F0-5-386
無申告加算税の正当な理由/e-Taxに対応しない電子証明書の使用
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62228
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
事前の防御機会のない青色申告承認取消処分は憲法31条違反とする少数意見が!
(令06-05-07 最高裁 棄却・確定 Z888-2621)

この事案は、税理士法人の職員がA社の確定申告書を2事業年度連続して期限
内に提出することを失念し、A社が課税庁から青色申告承認取消処分を受けた事
案です。裁判では、事前にA社に防御する機会を与えなかったことが憲法31条
に反して違憲又は違法であるかが争われましたが、最高裁は、下記のように判断
して、A社の上告を棄却しています。

法人税法127条1項の規定による青色申告の承認の取消処分については、そ
の処分により制限を受ける権利利益の内容、性質等に照らし、その相手方に事前
に防御の機会が与えられなかったからといって、憲法31条の法意に反するもの
とはいえない。本件処分に所論の違憲はない。

(編集員からひとこと)
上記について、既に平成4年9月10日最高裁(Z192-6965)で同様
の判断がされています。しかし、今回の最高裁では、宇賀克也裁判官が「処分庁
が不利益処分を行う場合には、誤った不利益処分による権利侵害が行われないよ
うに事前にその根拠法条とそれに該当する事実を通知し、相手方に事前に意見陳
述の機会を保障することが、憲法上の適正手続として要請されるのが原則であり、
青色申告の承認の取消処分について、その例外を認めるべき合理的理由は見いだ
し難い」とする反対意見を示しています。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62680

TAINSメールニュース No.670 2024.05.23 発行(一社)日税連税法データベース

2024年05月23日

【1】今週のお知らせ
(1)収録した判決の一部を紹介します。
【所得税】
・R05-09-28 福岡高裁 棄却 Z888-2585
所得区分/墳墓及び立竹木の移転補償金
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62241

(2)税務訴訟資料の収録を開始いたしました。
税務大学校ホームページに掲載された、以下の令和4年判決分(税務訴訟資料
第272号)の収録作業を開始いたしました。
■課税関係判決:順号13652~13798
■徴収関係判決:順号2022-1~2022-31
今後、収録完了したものから下記のキーワードで検索できます。
≪検索方法≫ 【TAINSキーワード】 ★税資272号
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
解雇通知無効訴訟の和解金に非課税所得は含まれない!
(令04-12-13 非公開裁決 棄却 F0-1-1581)

請求人は、勤務先A社の解雇通知は無効であるとして訴訟を提起したところ、
一審判決は地位確認請求及び賃金支払請求を認容し、損害賠償請求を棄却しまし
た。A社は控訴し、その後、裁判上の和解が成立しました。本件は、請求人が支
払を受けた解決金1000万円について、原処分庁が、未払賃金相当額以外の金
員(本件金員445万円余)につき、遅延損害金相当金員は雑所得に、残余の金
員は一時所得に該当するとして更正処分等を行ったのに対し、請求人が、本件金
員は非課税所得である旨主張して、その一部の取消しを求めた事案です。
審判所は、以下のとおり、請求人の請求を棄却しました。

控訴審訴訟では、地位確認請求及び賃金支払等請求に係る内容が争われ、賃金
支払等請求には、未払賃金に加えて、遅延損害金に係る内容が含まれていたこと
からすると、請求人及びA社は、本件金員に、遅延損害金に相当する金員を含む
ことを合意したものと認めるのが相当である。
遅延損害金相当額を控除した金員についてみると、請求人のA社に対する損害
賠償請求権の存否は審理の対象となっておらず、本件和解に至る経過からみれば、
A社としては、本件金員に損害賠償金を含むことを否定した上で、和解条項によ
って本件和解を行っており、請求人もこれを認識の上で、本件和解に応じたもの
と認められる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62283

TAINSメールニュース No.669 2024.05.16 発行(一社)日税連税法データベース

2024年05月16日

【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、右上部のバナー「30分研修動画」をクリックするとサイトに移
動し、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する
研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間
を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分以内となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

事前確定届出給与の要件~過去の職務執行の対価か
~更正処分を全て取り消した裁決
講 師:税理士 草間典子
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
脱税スキームにより暗号資産取引に係る雑所得を除外して申告/刑事事件
(令06-03-21 東京地裁 有罪・控訴 Z999-9177)

本件は、被告人が、暗号資産(仮想通貨)取引を行いこれによる雑所得を得て
いたにもかかわらず、ドバイに本店を置くA社の業務執行社員らと共謀の上、被
告人が保有する暗号資産がA社に帰属するかのように装い、暗号資産取引に係る
雑所得(約8800万円)を除外する方法により所得を秘匿して3500万円余
の所得税を免れた事案です。弁護人は無罪を主張しましたが、東京地裁は、次の
ように判示して、上記のとおり、ほ脱所得が認められ、また、被告人には、ほ脱
の故意も認められるとして有罪判決を言い渡しました。

A社の提供するスキームは、被告人の保有する暗号資産を、A社関係会社の株
式と交換する名目でA社に帰属するよう仮装した上、暗号資産を現金化し、貸付
金の名目で被告人に還流させるというというものであり、およそ経済的にみて合
理的なものとはいえない。よって、A社のスキームは仮装行為であり、暗号資産
エイダは、被告人に帰属していたものと認められる。
被告人は、自己の計算で取得したエイダを被告人名義のウォレットで管理し、
A社から支払われた金銭の額も把握していたと認められ、さらに、A社スキーム
の仮装性を基礎づける事実を認識していたものと認められる。そのような中、暗
号資産取引に係る所得を除外した上で確定申告をした被告人には、ほ脱の故意が
あったものと認められる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62553

TAINSメールニュース No.668 2024.05.09 発行(社)日税連税法データベース

2024年05月09日

【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R04-12-15 裁決 棄却 F0-1-1582
収入すべき時期/制限超過利息/貸金業
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62284
・R04-12-15 裁決 却下 F0-1-1583
不服申立期間の徒過/処分に係る通知を受けた日
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62285

【消費税】
・R05-03-30 裁決 一部取消し、棄却 F0-5-393
金の購入者/実質判定
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62358
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
取引相場のない株式の時価~譲渡価額が客観的交換価値に合致する場合とは~
(令04-11-21 非公開裁決 棄却 F0-1-1579)

請求人は、取引相場のない同族法人A社の株式5060株(本件株式)を一般
社団法人に譲渡しました。本件は、本件株式について、所得税法第59条第1項
に規定する「その時における価額」は、配当還元方式によるか原則的評価方式に
よるかが争われた事案です。請求人は、純然たる第三者間により行われた取引で
あると主張しましたが、審判所は、本件社団法人の設立には請求人が関与し、本
件譲渡の時の本件社団法人の理事は、請求人が代表取締役である本件法人2等の
役員、取引先及び顧問弁護士であり、その上、本件社団法人の経理を本件法人2
の社員が担当していたことなどを認定した上で、次のように判断しました。

具体的な取引における譲渡価額が当該資産の客観的交換価値に合致していると
認められるためには、所得税の計算上、本来考慮すべきではない事情が考慮され
る余地を可能な限り排斥するため、当該取引が対等な立場である当事者間におけ
る自由な交渉を経たものであることも重要な要素と考えるべきである。
本件譲渡は、本件社団法人の社会貢献活動が支障なく行われるための原資を本
件株式の配当金から捻出させるためのものである。そして、本件株式の価額は、
請求人らから検討の依頼を受けた関与税理士が本件社団法人の購入資金の手当て
等にまで配慮した試算を提案し、請求人が当該提案を受け入れる形で決定された
ものであり、本件社団法人との間の価額交渉により決定されたものではない。
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