TAINSメールニュース No.572 2022.05.19 発行(社)日税連税法データベース

2022年05月19日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
  TAINSだより(2022年春号)を掲載いたしました。検索トップページ
 の右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
                         (事業部長:上田 健一)
 
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・R02-12-01 東京地裁 棄却、控訴 Z888-2390
  源泉所得税/特定民間国外債利子の非課税/利子受領者確認書の期限後提出
 ・R02-12-02 東京高裁 棄却、確定 Z888-2402
  損金の額/売上原価/高額譲受けにより取得した土地の購入価額と時価との差
 額
 ・R01-05-24 裁決 棄却 F0-2-971
  重加算税と期間制限、青色取消し/水増し請求された外注費
 ・R02-05-20 裁決 棄却 F0-2-973
  繰越欠損金/青色取消処分後の青色申告の承認申請書の未提出
 
 【消費税】
 ・R02-06-18 裁決 棄却 F0-5-295
  仕入税額控除/用途区分/ドラッグストアーでの商品券販売
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  仕入税額控除/米国アマゾン社の役務の提供に対する支払手数料
 (令04-04-15 東京地裁 棄却 Z888-2412)
  
  インターネット上のウェブサイト(アマゾン)に、主としてCD、DVD、書
 籍等の商品を出品し、販売する事業を営んでいる原告が、消費税等についてした
 期限後申告につき、処分行政庁から、原告が米国アマゾン社から受けた役務の提
 供は、課税仕入れに該当せず、仕入税額控除することはできないなどとして、消
 費税等の更正処分等を受けた事案です。
  裁判所は次のとおり、原告の請求を棄却しました。
 
  掲載された商品はサイトを通じて、全世界の人々が閲覧できるのであるから、
 出品サービスは、全世界の人々が原告の商品に関する情報を閲覧することを可能
 にするものといえ、また、その役務提供の対価である出品手数料が国内の役務に
 対応する部分と国内以外の地域の役務に対応する部分とに合理的に区分されてい
 るとはいえない。そうすると、出品サービスは、「国内及び国内以外の地域にわ
 たって行われる役務の提供その他の役務の提供が行われた場所が明らかでないも
 の」に該当するものと認められる。
  出品サービスに係る「役務の提供を行う者」は、米国アマゾン社であるといえ、
 役務の提供の管理・支配を行うことを前提とした事務所等は、米国国内に所在し
 ていると認められるから、役務の提供が国内において行われたとは認められない。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2412

TAINSメールニュース No.571 2022.05.12 発行(社)日税連税法データベース

2022年05月12日

【1】今週のお知らせ
 収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・R02-03-18 広島地裁 棄却、控訴 Z888-2398
  重加算税/コンサルタント料の損金算入/契約書の相手先と支払の相手先
 
 【所得税】
 ・R02-06-15 裁決 棄却 F0-1-1170
  給与所得の収入金額/無申告加算税の正当な理由
 ・R02-06-18 裁決 棄却 F0-1-1171
  調査の違法/更正の請求と立証責任/飲食業(スナック)及び警備業
 ・R02-06-22 裁決 棄却 F0-1-1172
  無申告加算税/期限後申告書提出の有無
 ・R02-06-30 裁決 棄却 F0-1-1173
  過少申告加算税の正当な理由/不動産所得の修正申告
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  ユニバーサルミュージック事件/同族会社等の行為計算否認(納税者勝訴)
 (令04-04-21 最高裁 国の上告・棄却 確定 Z888-2411)
 
  本件は、音楽事業を行うA社(被上告人)が、組織再編に伴い、同じ企業グル
 ープに属する外国法人からの866億円余の借入れに係る支払利息を損金の額に
 算入したところ、課税庁が、支払利息の損金算入は法人税の負担を不当に減少さ
 せるものであるとして、法人税法132条1項を適用して更正処分等をした事案
 です。最高裁は、法人税法132条1項の解釈を示した上で、次のように判示し
 て、A社の請求を認めた原審の判断を是認し、国の上告を棄却しました。
 
  本件組織再編取引は、音楽部門において日本を統括する会社としてA社を設立
 するなどの組織再編成を行うものであるところ、本件取引等は、通常は想定され
 ない手順や方法に基づいたり、実態とはかい離した形式を作出したりするなど、
 不自然なものであるとまではいえず、また、税負担の減少以外に本件組織再編取
 引等を行うことの合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在したものとい
 うことができる。そうすると、本件組織再編取引等は、これを全体としてみたと
 きには、経済的合理性を欠くものであるとまでいうことはできず、本件借入れは、
 その目的において不合理と評価されるものではない。
  したがって、本件借入れは、法人税法132条1項にいう「これを容認した場
 合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当た
 らないというべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2411

TAINSメールニュース No.570 2022.04.28 発行(社)日税連税法データベース

2022年04月28日

【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは5月12日に配信します。
  次週5月5日は休日のため、メールニュース571号は5月12日に配信し
 ます。
 
(2)よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q1:検索結果一覧画面のタイトルに「要点あり」が表示されているものがあ
     りますが、「要点」とはどのようなものですか?
  A1:「要点」は、TAINS6で設けられた新しいコンテンツです。その趣
     旨は、「税理士の視点」でまとめた情報です。判決等の結論が導き出さ
     れた分岐点や税理士として注目すべき課題について、その背景や上級審
     も含めた顛末まで「税理士の視点」で説明しています。また、一目で事
     例の内容がわかるように、500字程度の分量としています。
 
  Q2:要点のついた判決を読みたい。
  A2:細かい条件を指定して検索で「要点の有無」という条件付けができます。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  節税目的で取得した不動産の評価~評価通達6が適用される合理的な理由~
 (令04-04-19 最高裁 棄却 確定 Z888-2406)
 
  被相続人Aは、亡くなる3年ほど前に、甲不動産及び乙不動産を計13億87
 00万円で購入・信託銀行等から計10億5500万円の借入れをしました。
  Aが94歳で亡くなり、共同相続人(上告人ら)が、各不動産について評価通
 達により計3億3370万余円と評価し、相続税の総額を0円として申告をした
 ところ、札幌南税務署長から評価通達によって評価することが著しく不適当(評
 価通達6)であるから鑑定評価額(計12億7300万円)によるべきであると
 して、各更正処分等を受けたため、これらの取消しを求めた事案です。
  最高裁判所は、次のとおり判示して、原審の判断を是認しました。
 
  評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公
 平に反するというべき事情がある場合には、合理的な理由があると認められるか
 ら、当該財産の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額に
 よるものとすることが平等原則に違反するものではないと解するのが相当である。
  A及び上告人らは、相続税の負担を減じ又は免れさせるものであることを知り、
 かつ、これを期待して、あえて本件購入・借入れを企画して実行したのであるか
 ら、租税負担の軽減をも意図してこれを行ったものといえる。実質的な租税負担
 の公平に反するというべきであるから、上記事情があるものということができる。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2406

TAINSメールニュース No.569 2022.04.21 発行(社)日税連税法データベース

2022年04月21日

【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
 できません。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
 
  日時:2022年4月22日(金) 午後11:00 ~ 午後11:30
                       (システム部長:小林 英樹)
 
(2)よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q1:参考になった情報(判決・裁決など)に「いいね」がしたい。
  A1:判決・裁決詳細画面の上部または概要の最下部の「いいね」をクリック
     してください。
 
  Q2:ブックマークと「いいね」はどこが違うのでしょうか?
  A2:ブックマークは後で読みたい情報を自分のために保存するのに対して、
     「いいね」は、会員が自分の役に立った情報にそれを付していくことで
     その蓄積により有用性の程度を会員間で共有することができます。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  開発許可面積基準を満たすか否か~広大地の該否判定~
 (令03-08-03 公表裁決 全部取消し J124-2-07)
 
  請求人らが、相続により取得した土地(993.37平方メートル、このうち
 676.25平方メートルが都市計画道路の予定地の区域内で、賃貸用共同住宅
 の敷地及びその賃貸人用駐車場として一体利用)が広大地に該当するなどとして、
 相続税の更正の請求をしたところ、原処分庁が、当該土地はa市の開発許可面積
 基準(1000平方メートル以上の規模の開発行為を行う場合には開発許可が必
 要で、市街化区域内の分譲等の1区画の面積は原則120平方メートル以上)を
 満たさないから広大地に該当しないとして更正処分をしたため、その全部の取消
 しを求めた事案です。
  審判所は、次のように判断して請求人らの主張を認めました。
 
  原処分庁は、本件土地は現に共同住宅の敷地として有効利用されているから広
 大地に該当しない等を主張する。しかし、その地域における標準的な宅地の使用
 は、戸建住宅の敷地としての利用であるから、本件土地は、現に宅地として有効
 利用されているとは認められないこと、広大地の判定に当たり、開発許可面積基
 準を指標とすることに合理性はあるとしても、飽くまで指標にすぎず、当該基準
 を満たすか否かにより一律に広大地に該当するか否かを判定することはできない
 こと、また、本件土地の経済的に最も合理的な使用は、道路を開設して戸建住宅
 の敷地とする開発を行うことであると認められることから、広大地に該当する。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J124-2-07

TAINSメールニュース No.568 2022.04.14 発行(社)日税連税法データベース

2022年04月14日

【1】今週のお知らせ
  よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q1:TAINSで一度検索した情報(判決や裁決など)を、すぐに見直せる
     ように保存しておきたい。
  A1:検索結果一覧で表示された当該情報のタイトル右下にある
     「ブックマーク」か、または各情報詳細ページの最上部にある
     「ブックマーク」をクリックで、ブックマーク機能へ保存ができます。
 
  Q2:ブックマーク(保存)した情報を見たい。
  A2:TAINSへログイン後、画面最上部の「ブックマーク一覧」を開き、
     見たい情報が含まれたグループ名の右側にある「一覧を見る」を
     クリックで、保存された各情報が確認できます。
 
  Q3:保存した情報(ブックマーク)を削除したい。
  A3:TAINSへログイン後、画面最上部の「ブックマーク一覧」を開き、
     該当の情報が含まれたグループ名をクリック、
     保存されたものの一覧が下に表示されるので、
     その中から削除したい情報の右側にある「削除」をクリック。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  みなし贈与/夫婦間の金銭の移動/対価を支払わないで利益を受けた場合
 (令03-07-12 公表裁決 全部取消し J124-2-06)
 
  請求人は、夫Hの相続に係る相続税の税務調査を受け、申告漏れであったとし
 てH名義の預金口座から出金され請求人名義の証券口座等に入金(本件各入金)
 された金員を原資とする投資信託等について修正申告をしましたが、その後、原
 処分庁が本件各入金について、相続税法9条に規定する対価を支払わないで利益
 を受けた場合に該当するとして、請求人に対し贈与税の決定処分等をしました。
  本件は、請求人が上記決定処分等の取消しを求める事案です。審判所は、次の
 ように判断し、本件決定処分等の全部を取り消しました。
 
  請求人は、本件各入金の以前から、Hの財産の一部若しくは全部についても管
 理していたことが認められること、投資信託の各分配金の入金があった請求人名
 義口座からの出金は、家計費の一部を賄うためのものと認められ、本件各入金額
 について、請求人が自ら私的な用途で費消した事実は認められないこと等から、
 本件各入金によっても、Hの財産は、請求人名義口座等においてそのまま管理さ
 れていたものと評価するのが相当であり、本件各入金額が請求人に帰属するもの
 と解することはできず、本件各入金により請求人に贈与と同様の経済的利益の移
 転があったと認めることはできない。よって、本件各入金は、相続税法9条に規
 定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当するものとは認められない。
 ≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J124-2-06

TAINSメールニュース No.567 2022.04.07 発行(社)日税連税法データベース

2022年04月07日

【1】今週のお知らせ
  よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q1:複数のキーワードのいずれも含む検索がしたい。
  A1:キーワードを「AND」で結ぶか、スペースで区切って検索を実行して
     ください。(※)
 
  Q2:複数のキーワードのいずれか一つ以上を含む検索がしたい。
  A2:キーワードを「OR」で結んで検索を実行してください。(※)
 
  Q3:複数のキーワードのいずれか一つ以上を含み、かつ、別のキーワードを
     含む検索がしたい。
  A3:○○と△△のいずれかを含み、かつ××を含む検索をする場合(※)
    (○○ OR △△)AND ××
 
  (※)上記3つの検索方法において「AND」や「OR」を使う場合、
     それぞれ半角大文字で入力し、その前後にスペースを入れてください。
 
     こちらの機能は『ログイン直後に表示されるフリーワード検索欄』、
     『細かい条件を指定して検索>フリーワード』、もしくは
     『細かい条件を指定して検索>TAINSキーワード』のいずれかで
     利用いただけます。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  中古の機械及び装置の耐用年数/耐用年数省令3条1項2号適用の可否
 (令03-03-30 東京地裁 棄却 控訴 Z888-2391)
  
  X社は、法定耐用年数の全部及び一部を経過した中古のチューブ充填機・包装
 機を取得して改良を施し、事業の用に供しました。本件は、X社がこれら資産と
 資本的支出について耐用年数省令3条1項2号に基づく簡便法による耐用年数を
 用いて減価償却費を計算していたところ、課税庁が本件各資産は総合償却資産に
 該当するとして、耐用年数通達1-5-8により法定耐用年数を適用すべきとし
 て、更正処分をした事案です。
  東京地裁は、下記のように判断して法定耐用年数を適用すべきとしました。
 
  本件工場において化粧品等の生産に用いられる各種機械は、他の機械とライン
 を構成して内容物の製造又は充填、包装等の製品化を行い、製造部門と製品化部
 門との連携の下で、多種類の化粧品等を生産するという目的を実現しているもの
 であるから、製造部門及び製品化部門に属する各資産は、連動あるいは連携して、
 集団的に生産手段として用いられているものということができ、したがって、こ
 れら各資産の総体が、本件耐用年数表にいう「設備」の単位となるというべきで
 ある。本件各資産は本件設備の相当部分を占めるものといえないことから、耐用
 年数省令3条1項2号を適用することはできず、各資産の耐用年数は法定耐用年
 数によるべきである。
 《検索方法》
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2391

TAINSメールニュース No.566 2022.03.31 発行(社)日税連税法データベース

2022年03月31日

【1】今週のお知らせ
(1)コンピュータウイルス付きメール(Emotet)に関する注意喚起
  現在、「Emotet」(エモテット)と呼ばれるウイルスへの感染を狙う攻
 撃メールが、国内の組織へ広く着信しています。特に、攻撃メールの受信者が過
 去にメールのやり取りをしたことのある、実在の相手の氏名、メールアドレス、
 メールの内容等の一部が、攻撃メールに流用され、「正規のメールへの返信を装
 う」内容となっている場合や、業務上開封してしまいそうな巧妙な文面となって
 いる場合があり、注意が必要です。
  メールの差出し人名とメールアドレスが一致しない、依頼していないのに添付
 ファイル付きのメールが届いた、不自然なURLリンクが記載されたメールが届
 いた、等違和感の有るメールには十分ご注意いただき、「添付ファイルを開かな
 い、リンク先を確認しない」ようにしましょう。
 
 参考情報
 「Emotet」(エモテット)についての解説
 https://www.ipa.go.jp/security/announce/20191202.html#L18
                    (独立行政法人 情報処理推進機構)
 メールの添付ファイルの取り扱い5つの心得
 https://www.ipa.go.jp/security/y2k/virus/cdrom/basic/1_08.html
                    (独立行政法人 情報処理推進機構)
 
                       (システム部長:小林 英樹)
 
(2)公表裁決事例を収録いたしました。
  国税不服審判所のホームページに掲載された、令和3年7月から9月分の公表
 裁決事例の収録が完了いたしました。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】★裁決事例集124集
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  課税財産は売買残代金請求権~契約解除時期の仮装に重加算税の賦課処分~
 (令02-10-29 東京地裁 棄却 控訴 Z888-2397)
 
  甲(被相続人)は、所有する土地(本件土地)をA社に代金22億7600万
 円で売却する旨の売買契約を締結し、手付金3億円を受領後、亡くなりました。
 甲の相続人ら(原告ら)は、甲の相続開始前に売買契約が合意解除された旨の確
 認書等を添付し、課税財産は土地であるとして相続税の申告書を提出しました。
 これに対して、処分行政庁は、課税財産は売買残代金請求権であるとして更正処
 分及び重加算税の賦課決定処分を行いました。
  東京地裁では、売買契約の合意解除があったのは、相続開始後であるとした上
 で、次のとおり判断し、原告の請求を棄却しました。
 
  売買契約の合意解除に、相続税の課税関係に影響を及ぼす「やむを得ない事情」
 があったと認めることはできないから、本件相続における課税財産は、本件土地
 ではなく、売買契約に係る売買残代金請求権であると解するのが相当である。
  原告らは、売買契約が相続開始前に解除されたこと、すなわち、本件相続に係
 る課税財産が本件土地であることを仮装しており、相続税に係る課税標準等又は
 税額等の計算の基礎となるべき事実の一部を仮装し、その仮装したところに基づ
 き相続税の申告書を提出したものと認められる。そうすると、原告らに対して重
 加算税を賦課することは、相当というべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2397

TAINSメールニュース No.565 2022.03.24 発行(社)日税連税法データベース

2022年03月24日

【1】今週のお知らせ
  よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q1:検索条件を保存したい。
  A1:「細かい条件を指定して検索」を開き、条件を指定し「検索条件を保存
     」をクリックして、検索条件に適宜の名称を付けて保存してください。
     検索窓に入れたキーワードも検索条件として保存することができます。
 
  Q2:保存した検索条件で検索したい。
  A2:画面上部の「保存した検索条件一覧」または「細かい条件を指定して検
     索」の「保存した条件で探す」をクリックすると、保存した条件が一覧
     表示されるので、検索したい条件の「この条件で検索」をクリックして
     ください。
 
  Q3:保存した検索条件を削除したい。
  A3:画面上部の「保存した検索条件一覧」または「細かい条件を指定して検
     索」の「保存した条件で探す」をクリックすると、保存した条件が一覧
     表示されるので、削除したい条件の「削除」をクリックしてください。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  借入金利子の必要経費該当性/賃貸用建物の持分を一部譲渡した場合
 (令02-06-30 千葉地裁 棄却・確定 Z888-2372)
 
  原告の母Aは、借入金により貸付用建物を新築しその全部を貸し付けていまし
 たが、建物の持分4分の3を原告と原告が代表者である法人に譲渡し、その譲渡
 代金と新たな借入金(借換借入金)で、当初借入金の残債務を一括返済しました。
 その後、相続により、原告は、建物のAの持分4分の1を取得するとともに借換
 債務を承継し、Aの不動産貸付業務を承継し、借換借入金利子の全額を不動産所
 得の必要経費に算入して申告したところ、処分行政庁から必要経費に算入すべき
 金額は支払利子の金額に業務関連割合50%を乗じた金額に限られるとして更正
 処分等を受けた事案です。
  裁判所は次のとおり、原告の請求を棄却しました。
 
  本件建物は、持分譲渡後において、残余の持分4分の1のみがAの不動産貸付
 業務の用に供されていたから、当初借入金のうち、建築費用及び改修費用に充て
 られた借入金は、持分4分の1に対応する部分のみがAの不動産貸付業務につい
 ての費用に充てられるものであったということができる。
  相続後に支払われた借換借入金利子は、その29.88%に相当する部分が原
 告の不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として不動産貸付業務との関
 連性が認められ、必要経費に該当する。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2372

TAINSメールニュース No.564 2022.03.17 発行(社)日税連税法データベース

2022年03月17日

【1】今週のお知らせ
 誤りやすい事例集(東京国税局・大阪国税局作成)を収録いたしました。
  東京国税局・大阪国税局が実務で誤りやすいポイントをまとめた資料の収録が
 完了いたしました。
  〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSコード】に以下の各コードを入力
 で検索いただけます。
 
  譲渡事例大阪局R030001
  譲渡事例大阪局R030002
  所得事例大阪局R030000
  通則事例大阪局R030000
  消費事例大阪局R030000
  贈与事例大阪局R030000
 
  所得事例東京局R0312
  消費事例東京局R0312
  法人消費事例東京局R010900
  法人消費事例東京局R020900
  法人消費事例東京局R030900
 
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  監査役に対する損害賠償請求/従業員の横領と監査役の任務懈怠
 (令03-07-19 最高裁 破棄差戻し Z999-6163)
 
  A社の経理担当であった乙は、平成19年から平成28年の間、A社の当座預
 金口座から合計2億3523万円余を横領し、残高証明書を偽造していましたが、
 取引銀行からの指摘を契機に横領が発覚しました。本件は、A社が、その監査役
 であった甲に対し、甲がその任務を怠ったことにより、従業員による継続的な横
 領の発覚が遅れて損害が生じたと主張して、損害賠償を請求した事案です。
 
  東京高裁は、会計限定監査役である甲は、計算書類等に表示された情報が会計
 帳簿の内容に合致していることを確認していれば、その任務を怠ってはいないと
 して、A社の請求を棄却しました。しかし、最高裁は、上記判断は是認できない
 として、次のように判示し、破棄差戻しを言い渡しました。
 
  会計限定監査役は、計算書類等の監査を行うに当たり、会計帳簿が信頼性を欠
 くものであることが明らかでない場合であっても、計算書類等に表示された情報
 が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば、常にその任務を尽く
 したといえるものではない。そして、甲が任務を怠ったと認められるか否かにつ
 いては、A社における本件口座に係る預金の重要性の程度、その管理状況等の諸
 事情に照らして甲が適切な方法により監査を行ったといえるか否かにつき更に審
 理を尽くして判断する必要があるから、本件を原審に差し戻すこととする。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z999-6163

TAINSメールニュース No.563 2022.03.10 発行(社)日税連税法データベース

2022年03月10日

【1】今週のお知らせ
  よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q1:プリセット検索とはどのようなものでしょうか?
  A1:プリセット検索は、三つの選択肢を指定することにより分野を絞り込む
    (例:所得税>必要経費>算入時期)と、あらかじめセットされたキーワ
     ードにより検索が実行されます。欲しい情報に対応する語句が思いつか
     ないときに利用してください。
 
    上記の「プリセット検索」は、検索ワード入力欄の下、「細かい条件を指
   定して検索」をクリック後、TAINSキーワード内の「プリセット」欄を
   指定することで利用出来ます。
 
  Q2:プリセット検索の検索結果を絞り込むことができますか?
  A2:次のいずれかの方法により絞り込むことができます。
   <1>検索結果一覧の検索窓に表示されている語句にキーワードを加える。
   <2>検索ワード入力窓の下にある「細かい条件を指定して検索」を開いて
      条件を指定する。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  純資産価額による株式評価~法人に株式と同時に遺贈された貸付金の負債性~
 (令03-05-21 東京地裁 一部取消し 確定 Z888-2382)
 
  甲がA社に対して株式等を遺贈する旨の遺言をしていたところ、死亡により遺
 贈の効力が生じ、相続の開始時に保有していたA社の株式とA社に対する貸付金
 債権が、A社に移転しました。本件は、譲渡所得の金額の計算について争われた
 事件で、具体的な争点は、所得税法59条1項の「その時における価額」(時価
 )を純資産価額により算定するに当たり、株式と同時に遺贈された貸付金債権(
 貸付金債務)をA社の負債として計上することの適否です。
  東京地裁は、次のように判断して、更正処分のほぼ全てを取り消しました。
 
  遺贈の性質に鑑みれば、遺言が作成されてからその効力が発生するまでの間に
 おいて、遺贈の目的である権利が受遺者とされた者に移転することが確実である
 とは通常は考え難いというべきである。
  本件貸付金債務が遺贈の直前においていまだ存在していた以上、被告が主張す
 るA社株式の価額の増加部分(遺贈に伴う貸付金債務の消滅により生ずる価値の
 増加部分)は、そもそも遺贈の時点において譲渡人である甲の下に生じている増
 加益ではないから、譲渡所得に対する課税の対象にはならないものである。
  以上によれば、A社の株式の「その時における価額」を純資産価額によって算
 定するに当たって、貸付金債務をA社の負債として計上すべきである。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2382