TAINSメールニュース No.408 2019.4.18 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月18日

【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
 できません。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:水澤 裕)
  日時:2019年4月23日(火) 午後9:00 ~ 午後10:00
 
(2)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・H30-01-09 裁決 棄却 F0-1-892
  必要経費/医療業に係る建物及び車両の費用/家事関連費
 ・H30-01-30 裁決 棄却 F0-1-905
  給与所得/差し押さえられた給与の額を収入金額から控除することの可否
 【相続税】
 ・H13-02-09 裁決 一部取消し F0-3-626
  貸宅地の評価/借地権付分譲マンションの底地/特別の事情・小規模宅地等の
  特例
 ・H30-02-02 大阪高裁 控訴棄却、請求一部認容
                            Z888-2216
  宅地及び雑種地の評価/「特別の事情」の有無・がけ地等の評価
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  重加算税要件非該当/寄附金/兄弟会社に対する債権放棄
 (平30-05-31 公表裁決 一部取消し J111-1-02)
 
  請求人が、兄弟会社である分割法人A社の債務を引き受け、A社に対する債権
 を放棄し、債権放棄の金額を貸倒損失勘定に計上して法人税等の各確定申告をし
 た後、原処分庁の指摘を受けて、債権放棄の金額が寄附金に該当するとして修正
 申告をしたところ、重加算税の賦課決定処分を受けたのに対し、過少申告加算税
 相当額を超える部分の取消しを求めた事案です。
  審判所は、次のとおり、確定申告は、事実を隠蔽又は仮装したところに基づく
 ものであるとは認められないとして、重加算税の一部を取り消しました。
 
  請求人が、債務免除益に係る課税を避けるためにA社の整理を検討したことを
 もって、直ちに、請求人が、貸倒損失額が寄附金に該当することを認識していた
 とはいい難い。かえって、(1)A社は、遅くとも会社分割の行われた事業年度
 の3期前の事業年度以後、実質的には債務超過の状態にあったと認められる、(
 2)請求人の店舗・敷地に、本件債務が被担保債権の範囲に含まれる根抵当権を
 設定していたことからすると、同店舗の経営ができなくなるなど、法基通9-4
 -1にいう「相当な理由がある」可能性も否定できない。よって、貸倒損失額が
 、寄附金に該当することを認識していたとは認められない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J111-1-02

TAINSメールニュース No.407 2019.4.11 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月11日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例の収録を完了しました。
  国税不服審判所のホームページに掲載された、平成30年7月から9月分の公
 表裁決事例の収録を完了しました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集112集  →9件
 
(2)判決速報を収録しました。
  判決速報1464から1488までの計25件を収録しました。一部を下記に
 紹介します。
 
 ・判決速報1467 債権残高の10%相当額で取得した貸付債権について、当
  該債権の原債権者との免責的債務引受けの存在が否定され、当該債権の回収額
  と取得価額との差額が債権回収益として益金の額に算入されるとされた事例
 ・判決速報1484 不動産鑑定評価額の存在のみでは、財産評価基本通達の定
  める評価方法によるべきではない特別の事情に当たらないとされた事例
 
 ≪検索方法≫
  検索ワード欄に下記キーワードを入れたら、「TAINSコードなど、細かい
 条件を指定して検索」を選択します。「判決・裁決の検索条件」画面が表示され
 ますので、「情報区分」の項目の「行政文書」にチェックを入れて検索します。
 【キーワード】判決速報 ☆2019年03月収録分  →20件
        判決速報 ☆2019年04月収録分  →5件
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  重加算税の賦課要件/税理士に対する意図的な資料の不提示
 (平30-06-29 東京地裁 棄却・確定 Z888-2229)
 
  原告の代理人である税理士は、原告の申告関係資料に不動産の賃料収入を示す
 資料が含まれていなかったことから、賃料収入があることを認識せずに、平成1
 9年ないし平成25年分所得税の申告をしました。本件は、原告の税理士に対す
 る資料の不提示が、過失によるものなのか、脱税の意思に基づくものなのかを争
 点とする事案です。
  裁判所は、「隠蔽又は仮装」の解釈を示した上で、次のように判断しました。
 
  原告が、建物の賃貸人名義を母親名義としていること、土地の賃料変更を税理
 士に伝えていないこと、税務調査において賃料収入を秘匿していたこと等の間接
 事実を総合すれば、原告は、賃料収入に係る不動産所得を申告すべきことを熟知
 しながら、確定的な脱税の意思に基づき、当該所得に関する資料を意図的に税理
 士に提示せず、税理士に過少な申告を記載した申告書を作成させてこれを提出す
 るという「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」をした上で、
 その意図に基づく過少申告をしたものと認めるのが相当である。
  そうすると、本件申告は「隠蔽又は仮装」に基づく申告であって、重加算税の
 賦課要件を満たすものと認められる。同時に、通則法70条4項にいう「偽りそ
 の他不正の行為」によりその全部又は一部の税額を免れたものともいえる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】Z888-2229

TAINSメールニュース No.406 2019.4.4 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月04日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
  研修サイトに新たなテーマ「改正消費税法のファイナルチェック」を追加いた
 しました。こちらは3月22日にライブ配信したテーマと同じになります。なお、
 同ライブ配信では、通信回線のトラブルによる配信開始時刻の繰り下げなどによ
 り、会員の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
                          (事業部長 蓮間好一)
 
(2)公表裁決事例を収録中です。
  先週に引き続き、国税不服審判所のホームページに掲載された公表裁決事例の
 収録作業を行っております。収録した事例の一部を下記に紹介します。
 【所得税】
 ・J112-1-01 H30-09-03公表裁決 一部取消し
  重加算税 隠ぺい、仮装の認定 認めなかった事例
 ・J112-2-03 H30-07-05公表裁決 棄却
  住宅借入金(取得)等特別控除 その他
 【他国税】
 ・J112-5-09 H30-08-06公表裁決 一部取消し
  課税標準 固定資産課税台帳がない場合 土地
 
  収録が済んでいるものは、下記のキーワードで検索することができます。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集112集
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  相続税の課税財産の認定~「預け金返還請求権」があるか否か
 (平30-08-22 公表裁決 全部取消し J112-4-06)
 
  本件は、請求人らが、原処分庁から、請求人D名義の預金口座に入金された資
 金(本件入金資金)及び上場株式の購入資金の合計約5500万円(本件資金)
 について、原資は被相続人に帰属し、請求人Dに対する本件資金相当額の預け金
 返還請求権が相続財産であるなどとして相続税の更正処分等を受けたため、預け
 金返還請求権があるか否かが争点となった事案です。審判所は次のとおり判断し、
 預け金返還請求権にかかる更正処分等については全部を取り消しました。
 
  (1)本件資金及び本件資金の原資の管理運用は、被相続人が行っていたもの
 であり、そうであれば、本件入金資金を本件預金口座に入金したり、その後、請
 求人D名義の上場株式の購入資金に充てたりしたことは、本件財産の管理運用の
 一環として、請求人Dの名義で被相続人が実質的に行っていたものと認められる
 こと、(2)請求人Dが本件自宅に居住するようになった平成18年以降、本件
 預金口座の預金通帳及び届出印を請求人Dが自身で管理するようになったこと及
 び請求人Dの本件株式の配当金に係る所得税等の申告状況などを総合的に考慮す
 れば、本件化体財産の帰属は、平成18年頃に、贈与により請求人Dに移転した
 ものとみるのが相当であることからすれば、そもそも本件資金相当額の預け金返
 還請求権は存在はおろか発生していたとすらいえない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J112-4-06

TAINSメールニュース No.405 2019.3.28 発行(社)日税連税法データベース

2019年03月28日

【1】今週のお知らせ
(1)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 
 【所得税】
 ・H30-03-14 名古屋地裁 棄却 Z888-2203
  先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除/連年提出要件
 ・H30-02-20 裁決 棄却 F0-1-900
  所得区分と損益通算/給与所得者が営むネイルサロンの損失
 
 【相続税】
 ・H30-09-23 東京地裁 棄却 Z888-2213
  土地の評価/広大地通達の合理性・「特別の事情」の有無・鑑定評価の合理性
 
 【消費税】
 ・H27-10-19 裁決 却下 F0-5-226
  延滞税の取消しを求める旨の審査請求/国税に関する法律に基づく処分
 
(2)公表裁決事例を収録中です。
  国税不服審判所のホームページに平成30年7月から9月分の裁決事例9件が
 公表されました。現在、編集・収録作業を行っております。
  http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/112.html
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  元従業員が下請業者から受領したリベートの帰属と隠蔽行為の有無
 (平30-04-24 非公開裁決 棄却 F0-2-828)
 
  土木建築請負業等を営む請求人の法人税について、原処分庁が、当時営業部長
 等の地位にあった元従業員乙が下請業者から受領した金員は請求人に帰属し、ま
 たその金員を収益に計上しなかったことは、事実の隠蔽に該当するとして、各更
 正処分及び重加算税の各賦課決定処分をしたのに対し、請求人が、その金員は乙
 個人のもので、請求人に帰属しないとして、全部取消しを求めた事案です。
  争点は、本件各金員が請求人に帰属し、損害賠償請求権が本件各事業年度の益
 金の額に算入されるか否か、請求人に事実の隠蔽行為があったか否かです。
  審判所は次のように判断し、請求人の主張を棄却しています。
 
  本件各金員は、請求人が各外注先に工事を発注し、各外注先が請求人から工事
 を受注したことに基因しての謝礼で、また、今後も請求人から工事を受注できる
 ことを期待して、その地位及び権限を有する乙に対して支払われたものであり、
 本件各金員は請求人に帰属するものとみるべきである。
  横領行為による損害賠償請求権についても、本件各事業年度において、乙によ
 り各金員が横領され、請求人に損失を発生させ、それと同時に乙に対する不法行
 為による損害賠償請求権が発生したといえる。
  乙が5年間という長期間にわたり本件各外注先から本件各金員を受領し続けて
 いた行為は、請求人の行為と同視でき、本件各金員を収益に計上しなかったこと
 について、請求人に事実の隠蔽があったと認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-828

TAINSメールニュース No.404 2019.3.14 発行(社)日税連税法データベース

2019年03月14日

【1】今週のお知らせ
(1)インターネットライブ配信によるTAINS研修会の開催
  標記研修会を下記により開催いたします(日本税理士会連合会後援)。この機
 会にご視聴いただき、TAINS6をぜひご体感ください。
                         (事業部長:蓮間 好一)
  日  時:平成31年3月22日(金)13:30~16:30
  内  容:「改正消費税法のファイナルチェック」
  講  師:熊王征秀 住吉真
  視聴方法:上記日時に次のHPアドレスへアクセスしてください。

          https://www.tains-kenshu.jp/live/
       なお、レジュメにつきましては、3月19日(火)からダウンロー
       ドできます。
  受講登録:日税連研修受講管理システムから、研修中に表示される確認コード
       を入力してご登録いただけます。
 
(2)次号メールニュースは3月28日に配信します。
  次週3月21日は祝日のため、メールニュース405号は3月28日に配信し
 ます。
 
(3)全国国税不服審判所長会議資料を収録しました。
  平成30年9月7日開催の、全国国税不服審判所長会議資料を収録しました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 審判所長会議H300907
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  輸出免税/輸出許可を証する書類/輸出申告時点で価格が未確定である郵便物
 (平30-06-05 公表裁決 棄却・却下 J111-5-15)
  本件は、請求人が、国際郵便により輸出した腕時計の譲渡について、輸出取引
 に係る消費税を免税する旨の規定が適用されるとして消費税等の確定申告を行っ
 たところ、原処分庁から、当該輸出販売の一部について、輸出許可を証する書類
 の保存がなく、当該規定の適用はないとして、消費税等の各更正処分等を受けた
 事案です。審判所は次のとおり判断して、請求人の請求を棄却しました。
 
  請求人は、本件取引について輸出許可書等の交付を受けていないことから、本
 件取引が簡易郵便物としての資産の輸出に該当しなければ、本件取引について消
 費税法7条《輸出免税等》2項に規定する証明はなされていないこととなる。
  そして、ある郵便物が簡易郵便物に該当するか否かは、郵便物1個当たりの価
 格が20万円を超えるか否かで判断することとなる。
  輸出申告時点で資産の価格が未確定である郵便物については、郵便物1個当た
 りの輸出時見積価格をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であり、通常は、
 輸出時見積価格は調達原価を上回るといえる。本件取引においては、1個の郵便
 物にまとめられた各腕時計のそれぞれの仕入金額の合計額は、最も少ないもので
 も20万円の2倍超であり、郵便物1個当たりの輸出時見積価格は、いずれも2
 0万円を上回ると認められる。
  以上によれば、本件取引は簡易郵便物としての資産の輸出には該当せず、本件
 取引について同法7条2項に規定する証明はされていないと認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J111-5-15

TAINSメールニュース No.403 2019.3.7 発行(社)日税連税法データベース

2019年03月07日

【1】今週のお知らせ
(1)インターネットライブ配信によるTAINS研修会の開催
  標記研修会を下記により開催いたします(日本税理士会連合会後援)。この機
 会にご視聴いただき、TAINS6をぜひご体感ください。
                         (事業部長:蓮間 好一)
  日  時:平成31年3月22日(金)13:30~16:30
  内  容:「改正消費税法のファイナルチェック」
  講  師:熊王征秀 住吉真
  視聴方法:上記日時に次のHPアドレスへアクセスしてください。
          https://www.tains-kenshu.jp/live/
       なお、レジュメにつきましては、配信1週間前からダウンロードで
       きます。
  受講登録:日税連研修受講管理システムから、研修中に表示される確認コード
       を入力してご登録いただけます。
 
(2)資産税審理研修資料を収録しました。
  平成30年7月、東京国税局課税第一部資産課税課・資産評価官作成の、資産
 税審理研修資料を収録しました。下記キーワードで検索できます。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 資産税審理研修資料H300700
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  請負契約による機械装置の取得時期/不具合により翌事業年度に行われた検収
 (平30-03-06 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2211)
 
  本件は、原告が、平成25年3月期に自社の工場に機械装置を設置し、試運転
 を行いましたが、不具合のため、検収を行ったのは翌事業年度でした。原告は、
 平成25年3月期に機械装置を「取得」していたとして、減価償却費等を損金の
 額に算入して確定申告を行ったところ、豊橋税務署長から、本件事業年度終了の
 時において取得していないとして更正処分等を受けた事案です。
  東京地裁は、下記判断をして納税者の請求を棄却しており、その控訴審である
 東京高裁(平30-09-05・Z888-2212)でも納税者の控訴は棄却
 されています。
 
  法人税法及び同法施行令並びに租税特別措置法における法人による固定資産の
 「取得」とは、当該固定資産に係る所有権移転の原因となる私法上の法律行為又
 はこれと同視することのできる行為をいうものと解するのが相当であり、「取得
 」の時期はその原因行為による所有権移転の時期と解するべきである。
  本件のように機械装置等を特定の場所に設置し、これを稼働させることを目的
 とする請負契約は、請負人において、当該機械装置等を設置すべき場所に物理的
 に設置するのみならず当該機械装置をその使用目的に沿って使用することが可能
 な状態にすることが当然に予定されているといえる。A社から原告への機械装置
 の引渡しが行われたのは、検収日である平成25年5月であると認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2211

TAINSメールニュース No.402 2019.2.28 発行(社)日税連税法データベース

2019年02月28日

【1】今週のお知らせ
(1)インターネットライブ配信によるTAINS研修会の開催
  標記研修会を下記により開催いたします(日本税理士会連合会後援)。この機
 会にご視聴いただき、TAINS6をぜひご体感ください。
                         (事業部長:蓮間 好一)
  日  時:平成31年3月22日(金)13:30~16:30
  内  容:「改正消費税法のファイナルチェック」
  講  師:熊王征秀 住吉真
  視聴方法:上記日時に次のHPアドレスへアクセスしてください。
          https://www.tains-kenshu.jp/live/
       なお、レジュメにつきましては、配信1週間前からダウンロードで
       きます。
  受講登録:日税連研修受講管理システムから、研修中に表示される確認コード
       を入力してご登録いただけます。
 
(2)個人課税確定申告期審理事務連絡会資料を収録しました。
  平成30年11月29日開催の、平成30事務年度の個人課税確定申告期審理
 事務連絡会の資料を収録しました。
  下記キーワードで検索することができます。
 
 【検索方法】 ≪キーワード≫ 審理事務連絡会 ☆2019年02月収録分
 
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  貸付金債権の評価~債務者である法人を相続開始後に解散した場合~
 (平21-03-16 非公開裁決 棄却 F0-3-245)
 
  この事案は、審査請求人が、相続財産である貸付金の価額を、債務者であり、
 かつ被相続人が代表者であった各法人を相続開始後に解散して回収した金額とし
 て申告したところ、原処分庁が、相続開始日における元本の価額で評価すべきで
 あるとして更正処分等をしたことから争われたものです。
  審判所では、その貸付金の評価について評価通達により難い特別の事情は認め
 られないとした上で、次のとおり判断し、貸付金の価額は、利息の定めがないこ
 とから元本の価額により評価するのが相当であるとしました。
 
  各法人は、いずれも債務超過の状態が相当期間継続していたとはいえないばか
 りか、事業も順調で、営業状況、資産状況が破たんしていることが明白であると
 いえるものではなく、弁済不能の状態にあったとは認められないから、貸付金に
 ついて、評価通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の「その他その回収
 が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には該当しない。
  各法人の清算により回収した金額を超える部分に相当する金額を回収不能の金
 額として控除すべき旨の請求人の主張は、その評価をすべき前提を欠くこととな
 る上、そもそも回収不能の判断時期は、相続の開始時であり、本件相続に係る相
 続税の申告期限までに各法人を清算したとしても、当該清算の事実は相続開始日
 後の事情にすぎず、相続開始日現在の貸付金の評価額を左右するものではない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-3-245

TAINSメールニュース No.401 2019.2.21 発行(社)日税連税法データベース

2019年02月21日

【1】今週のお知らせ
  消費税の相談事例の一部を紹介します。
 
 【キーワード】 仕入税額控除 分譲用マンション
 
 ・消事例4015 第10 仕入税額控除 10-176
  譲渡用住宅を一時期賃貸用に供する場合の仕入税額控除
  消費税審理事例検索システム(平成12年)国税庁消費税課
 
 ・消事例3993 第10 仕入税額控除 10-153
  副次的に発生する非課税売上げがある場合の課税仕入れの区分
  消費税審理事例検索システム(平成12年)国税庁消費税課
 
 ・質疑応答事例消費0049 仕入税額控除(課税仕入れ等の用途区分)
 【副次的に発生する非課税売上げがある場合の課税仕入れの区分】
  平成24年3月国税庁消費税室
 【平成24年3月26日国税庁ホームページ掲載】
 
 ・質疑応答事例消費1911 仕入税額控除(その他)
  副次的に発生する非課税売上げがある場合の課税仕入れの区分
 【平成29年11月24日国税庁ホームページ更新】
 
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  確認請求/弁護士法23条の2照会に対する報告義務
 (平29-06-30 名古屋高裁 一部認容・一部棄却 Z999-2167)
 
  弁護士法23条の2第2項に基づく照会(1.C宛ての郵便物についての転居
 届の提出の有無、2.転居届の届出年月日、3.転居届記載の新住所、4.新住
 所の電話番号)を郵便事業株式会社(本件会社)に対してした弁護士会である控
 訴人が、本件会社を吸収合併した被控訴人に対し、主位的に、本件会社が23条
 照会に対する報告を拒絶したことにより控訴人らの法律上保護される利益が侵害
 されたと主張して、不法行為に基づく損害賠償を求め、予備的に、被控訴人が2
 3条照会に対する報告をする義務を負うことの確認を求める事案です。
  上告審は、損害賠償は棄却し、報告義務確認請求に関する部分を原審に差し戻
 しました。差戻し後の高裁は次のとおり、1~3の報告義務を認めました。
 
  報告を拒絶する正当な理由があるか否かについては、照会事項ごとに、これを
 報告することによって生ずる不利益と報告を拒絶することによって犠牲となる利
 益との比較衡量により決せられるべきである。照会事項1ないし3については、
 23条照会に対する報告義務が郵便法8条2項の守秘義務に優越し、同4転居届
 記載の電話番号については、同項の守秘義務が23条照会に対する報告義務に優
 越すると解するのが相当である。したがって、被控訴人には、照会事項1ないし
 3について、控訴人に報告すべき義務があるというべきである。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-2167

TAINSメールニュース No.400 2019.2.14 発行(社)日税連税法データベース

2019年02月14日

【1】今週のお知らせ
  収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 
 【法人税】
 ・H29-12-01 裁決 棄却 F0-2-797
  重加算税/関連会社の従業員による架空仕入と売上過少計上
 
 【相続税】
 ・H29-10-11 裁決 却下、棄却 F0-3-594
  土地の評価/「広大地」該当性・中高層の集合住宅等の敷地用地に適している
  もの
 
 【その他】
 ・H29-06-30 名古屋高裁 一部認容、一部棄却 Z999-2167
  確認請求/弁護士法23条の2照会に対する報告義務/報告拒絶の正当な理由
  の存否
 ・H24-11-30 東京地裁 一部認容、請求棄却・控訴
                            Z999-2168
  弁護士の報酬請求/遺留分減殺請求に係る訴訟委任契約が履行の中途で終了し
  た場合
 ・H28-05-23 松江地裁 棄却・控訴 Z999-5398
  不動産の所有権放棄の権利濫用該当性/土地を所有し続けることによる負担の
  回避                    (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  仕入税額控除/米国アマゾン社の役務の提供に対する支払手数料
 (平30-10-19 非公開裁決 棄却 F0-5-219)
 
  請求人は、アマゾンと契約を締結し、アマゾンの日本ウェブサイトにおいて提
 供されているサービスを利用して、DVD、書籍等を出品し販売する事業を営ん
 でいました。本件は、請求人が、平成27年4月の消費税法の改正により、電気
 通信利用の役務の提供に係る内外判定基準の見直しがあったが、その法改正以前
 から、米国アマゾン社は千葉県に物流センター(恒久的施設)を所有しており、
 その役務の提供は課税取引対象であるとして、平成21年ないし25年課税期間
 の消費税等の更正の請求をした事案です。審判所は、課税仕入れとなるか否かは
 恒久的施設を有するか否かではないとして、次のように判断しました。
 
  アマゾン契約に係る役務の提供は、そのサービスがインターネットを通じて行
 われるものであることからすれば、その役務の提供を行う者の役務の提供に係る
 事務所等の所在地が国内にあるかどうかにより判定することとなる。そうすると、
 アマゾン契約のうち出品サービス及びクリックスサービスについては、これらの
 契約当事者である米国アマゾン社が役務の提供を行うものであり、同社の事務所
 等の所在地がアメリカ合衆国内にあるから、役務の提供は、国外において行われ
 たものと認められる。他方、FBA(出荷・配送)サービスについては、その契
 約当事者が日本アマゾン社であることから、その役務の提供は国内において行わ
 れたものと認められる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-5-219

TAINSメールニュース No.399 2019.2.7 発行(社)日税連税法データベース

2019年02月07日

【1】今週のお知らせ
(1)【お詫び】領収証・請求書内の「会費内訳」印字不良につきまして
  一部の会員の平成31年1月分の領収証・請求書の会費内訳の印字について、
 不具合がございました。
  ご不便およびご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。
  現在印字不良は改善いたしましたので、出力済の会員の皆様におかれましては
 お手数ですがマイページより再度出力をお願いいたします。
            (システム開発プロジェクトチーム座長:酒井 啓司)
 
(2)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 【相続税】
 ・H20-05-21 裁決 却下、棄却 F0-3-227
  土地及び建物の評価/鑑定評価の合理性/使用貸借地・貸家建付地・貸宅地・
  貸家
 【他国税】
 ・S56-05-25 裁決 全部取消し F0-8-199
  譲渡担保権者の物的納税責任/中間省略登記があった場合
 【その他】
 ・H06-07-29 東京地裁 棄却、控訴 Z999-5401
  預金返還請求/名義借り普通預金に係る口座開設時及びその後の預金者の認定
 ・H07-03-29 東京高裁 棄却、上告 Z999-5402
  不当利得返還請求等/名義借り普通預金に係る口座開設時及びその後の預金者
  の認定                   (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  区分所有建物の敷地に係る借地権の評価~「特別の事情」の有無
 (平29-11-17 非公開裁決 棄却 F0-3-597)
 
  本件は、相続により取得した区分所有建物(7階及び8階部分)の敷地の借地
 権の持分(本件借地権)について、評価通達2《共有財産》の定めによる評価額
 は時価を上回る違法があるか否かが争われた事案です。請求人らの主張する評価
 方法は、借地権の価額に、公共用地の取得に伴う損失補償基準細則に定める建物
 階層別利用率(効用比率)を用いる方法でした。
  審判所は、次のとおり判断して請求人らの主張を棄却しました。
 
  低層階が高層階に比べて商業活動において優位であり、このため、賃料にも差
 異が生じることは、程度の差こそあれ、商業地域に存在する商業ビルー般に当て
 はまることであり、評価通達の定めに従った評価が、当該相続財産の「時価」を
 適切に反映していないと認めるべき事情に直ちには当たらない。
  また、賃料の収益性に差異があるとしても、当該商業ビルの区分所有者の有す
 る敷地利用権が敷地の借地権の持分である場合には、その区分所有建物が低層階
 にあろうと高層階にあろうと、借地権全体に対して有する持分としての権利の内
 容は持分割合に応じて均等であり、質的に異なるところはないのであるから、所
 有する区分所有建物の階層による効用比率をもって借地権について評価通達とは
 異なる評価を行うことは相当とはいえず、請求人らの主張は採用できない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-3-597