TAINSメールニュース No.511 2021.02.25 発行(社)日税連税法データベース

2021年02月25日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
 と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
 ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
 ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
 ることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  差押処分/納付義務の承継/法定単純承認事由となる相続財産の処分
 (令02-04-17 公表裁決 全部取消し J119-1-01)
 
  本件は、滞納法人の納税保証人(本件被相続人)の配偶者である請求人に対し、
 原処分庁が、請求人名義の金融機関の口座(本件口座)に振り込まれた本件金員
 は相続財産に該当するところ、請求人が本件金員を受領、出金及び返納した行為
 は、いずれも民法第921条《法定単純承認》第1号に規定する相続財産の「処
 分」に該当するから、請求人の相続放棄は認められず、請求人は本件被相続人の
 納付義務を承継するとして、請求人名義の不動産を差し押さえたのに対し、請求
 人がその取消しを求めた事案です。審判所は次のとおり判断し、本件各差押処分
 は違法であると判断しました。
 
  請求人が、本件口座から出金した本件金員相当額の50万円を費消していたと
 いう事実は認められない。そうすると、本件においては、本件相続に係る相続財
 産の経済的価値を減少させる請求人の行為があったとは言い難いことから、請求
 人が本件口座から本件金員相当額の現金を出金したことのみでは、相続財産の処
 分に該当する事実があったとはいえない。請求人は、相続放棄の申述が有効とな
 った平成○年○月〇日より後の同月27日に本件金員相当額の50万円をKに送
 金しているが、仮に当該送金が本件金員の返金であり、「相続財産の処分」に該
 当する行為であるとしても、相続放棄の申述が有効となった日より後の行為であ
 るから、この行為に民法第921条第1号を適用することはできない。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J119-1-01

TAINSメールニュース No.510 2021.02.18 発行(社)日税連税法データベース

2021年02月18日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(2021年新年号)を掲載いたしました。検索トップペー
ジの右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
(事業部長:上田 健一)

(2)会員各位
平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。

これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
ることをご了承ください。
なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。

会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
取得費加算の特例の適用を求める更正の請求/特定口座での上場株式等の譲渡
(令02-04-07 東京地裁 却下、棄却・控訴 Z888-2341)

原告らは、相続により取得した上場株式等を、源泉徴収を選択した特定口座に
預け入れ、平成27年中に、これら上場株式等を譲渡しました。原告らは上記譲
渡所得を含めずに確定申告を行いましたが、その後、措置法39条1項に規定す
る相続税額の取得費加算の特例を適用して更正の請求をした事案です。
東京地裁は、本件更正の請求は、国税通則法23条1項に定める更正の請求の
要件を満たしていないとして、請求を棄却しています。

措置法37条の11の5は、源泉徴収選択口座において生じた上場株式等の譲
渡所得について、申告不要の特例を設けたものであるところ、申告不要の特例を
選択するか、あるいは、これを選択せずに当該源泉徴収選択口座において生じた
上場株式等の譲渡所得を除外することなく申告するかは、確定申告時の納税者の
自由な選択に委ねられている。
仮に、納税者が申告不要の特例を選択したことによって、これを選択せずに当
該源泉徴収選択口座において生じた上場株式等の譲渡所得を除外することなく申
告をした場合と比べて納付すべき税額が過大となったり、又は、還付金の額に相
当する税額が過少となったりしたとしても、これをもって「国税に関する法律の
規定に従っていなかったこと」に当たるとはいえない。

≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2341

TAINSメールニュース No.509 2021.02.04 発行(社)日税連税法データベース

2021年02月04日

【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは2月18日に配信します。
  次週2月11日は休日のため、メールニュース510号は2月18日に配信し
 ます。
 
(2)会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
 と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
 ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
 ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
 ることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  納税猶予期限の確定事由である「譲渡」該当性~農地の共有持分の交換~ 
 (令02-01-16 札幌高裁 棄却 上告等 Z888-2329)
 
  控訴人は、遺言に基づき、亡父から各農地を相続し、相続税の納税猶予を受け
 ていましたが、姉妹Qらから遺留分減殺請求訴訟を提起され、各農地の持分8分
 の3の所有権移転登記後、平成13年に控訴人とQらとの間で、共有持分を交換
 (本件交換)するという訴訟上の和解が成立しました。本件では、主に本件交換
 が、納税猶予期限の確定事由である「譲渡」に該当するか否かが争われました。
  札幌高裁では、原判決を維持し、次のとおり判断し、控訴人の請求を棄却しま
 した。その後、控訴人は上告しましたが、上告棄却・不受理で確定しました。
 
  所得税法33条1項が「資産の譲渡」による所得に課税をすることと措置法7
 0条の6第1項が「特例農地等」に係る相続税の納税を猶予することとはその制
 度趣旨を異にしており、「資産の譲渡」の解釈と措置法の「譲渡」の解釈を全く
 同一にしなければならないものではない。「特例農地等」の相続税の納税猶予制
 度の枠組みに加え、租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきではない
 ことをも考慮すれば、「譲渡等」に当たるか否かは形式的に判断すべきである。
  本件交換は、農地9に係る控訴人の共有持分を控訴人からQらに移転する一方、
 農地1~農地8に係るQらの共有持分をQらから控訴人に移転するものである。
 一般に、資産を移転させる行為を譲渡というから、本件交換は「譲渡」に当たる。
 本件交換が共有物の現物分割の性質を有することは、結論を左右しない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2329

TAINSメールニュース No.508 2021.01.28 発行(社)日税連税法データベース

2021年01月28日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
 と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
 ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
 ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
 ることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  居住用財産の特別控除/譲渡土地上の2棟の家屋は一構えの家屋に該当するか
 (令02-06-19 公表裁決 一部取消し J119-2-03)
 
  請求人は、2階の一部が渡り廊下で接合されている甲家屋と乙家屋(子所有)
 は併せて一構えの一の家屋と認められるから、いずれの家屋の敷地も措置法35
 条1項の特例の適用があるとして申告したところ、更正処分等を受けました。
  審判所は、一構えの家屋については認めませんでしたが、譲渡収入金額の算出
 方法については原処分庁と異なる判断をして処分の一部を取り消しました。
 
  各家屋は、それぞれ、玄関、台所、風呂及び便所を備え、電気、ガス、水道及
 び固定電話回線の各設備を有し、その規模、構造、間取り、設備の状況からすれ
 ば、各家屋はそれぞれ独立した居住用家屋であることから、併せて一構えの一の
 家屋であるとは認められず、乙家屋敷地について特例を適用することはできない。
  原処分庁は、措通31の3-7《店舗兼住宅等の居住部分の判定》を適用して、
 甲家屋と乙家屋の「延床面積の割合」により、甲家屋敷地に係る譲渡収入金額を
 算出している。しかし、特例対象となる居住用家屋とならない居住用家屋が混在
 している場合には、措通31の3-12《居住用家屋の敷地の判定》を適用し、
 甲家屋敷地の面積は、甲家屋と乙家屋との「建築面積の割合」により、これを算
 定するのが相当である。本件の建築面積は不明であるが、家屋の各階の登記上の
 床面積のうち、最も広い面積を建築面積の代わりに用いるのが合理的である。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J119-2-03 

TAINSメールニュース No.507 2021.01.21 発行(社)日税連税法データベース

2021年01月21日

【1】今週のお知らせ
  令和2年8月作成の資産税審理研修資料が掲載されています!
                            〔行政文書の紹介〕
          (TAINSコード:資産税審理研修資料R020800)
 
  国税局の資産税審理研修資料をご紹介します。この研修資料は毎年作成されて
 おり、各年分の資料がTAINSに収録されています。税制改正の概要と資産税
 の審理上の留意点に合わせて、その年々で違ったテーマが取り上げられています。
 令和2年は、相続税法における信託税制の基礎知識、事後監査の基礎知識、公益
 法人等に財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例(措法40)に係る承
 認特例についてです。
  また、今回の資料は、民法改正により創設された配偶者居住権について課税関
 係及び評価方法が全般的に取り上げられています。財産評価の審理上の留意点で
 は、配偶者居住権の概要から始まり新設の通達説明、具体的な数字を用いた設例
 があり、参考条文も併記されているのでわかり易く整理されています。配偶者居
 住権を遺産分割によって取得したときは、遺産の分割が行われた時点で評価しま
 す。配偶者居住権が存続期間満了前にその利益に対して適正な対価を支払われず
 消滅した場合には、所有者が配偶者居住権の消滅直前に配偶者から贈与により取
 得したものとみなされ、消滅時点で評価することが、贈与税の審理上の留意点に
 記載されています。また、令和2年度税制改正の概要には、対価を取得して配偶
 者居住権又は配偶者敷地利用権を消滅させた場合は、総合譲渡所得として課税す
 ることや取得費の計算についても図を用いて詳しく記載されています。配偶者居
 住権について税制の大枠を理解するのに役立ちました。
  資産税審理研修資料は、どの年をとっても内容がそれぞれ違うので、新しいも
 のだけではなく過年度の資料も税法を再確認する資料として非常に参考になりま
 す。
  ≪検索方法≫〔細かい条件を指定して検索〕
         【TAINSキーワード】資産税審理研修資料R020800
                      (要点メンバー:上原 登貴子)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  土地の評価~騒音により利用価値が著しく低下しているとして全部取消し~
 (令02-06-02 公表裁決 全部取消し J119-3-04)
 
  請求人は、相続により取得した土地について、国税庁ホームページのタックス
 アンサー「No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件
 取扱い)に該当するとして相続税の更正の請求をしました。本件は、請求人が、
 原処分庁の減額更正処分を不服として、審査請求に及んだ事案です。
  審判所は、請求人の騒音の測定結果に一定の信用性を認め、審判所の現地調査
 の結果や固定資産税評価額については、d鉄道e線の鉄軌道中心線から10m以
 内に存する場合の鉄道騒音補正率0.90を適用して算定されていることなどか
 ら、次のとおり判断して、原処分の全部を取り消しました。
 
  本件土地については、(1)本件路線価に騒音の要因がしんしゃくされていな
 いこと、(2)d鉄道e線の列車走行により、相当程度の騒音が日常的に発生し
 ていたと認められること、(3)当該騒音により、その地積全体について取引金
 額が影響を受けていると認められることから、本件土地の全体につき、騒音によ
 り利用価値が著しく低下している宅地として本件取扱いにより減額して評価すべ
 きものと認められる。したがって、本件土地の評価額は、本件土地全体を利用価
 値が低下していないものとして評価した場合の価額から、当該価額に10%を乗
 じて計算した金額を控除した価額により評価するのが相当である。
  ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J119-3-04

TAINSメールニュース No.506 2021.01.14 発行(社)日税連税法データベース

2021年01月14日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
 と安全確保のために、下記の通り営業時間の変更及び交代での在宅勤務を実施す
 ることとしました。
 
  これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
 ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
 ることをご了承ください。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしますが、ご理解をいただきますようよろ
 しくお願いいたします。
 
  営業時間:午前10時~午後4時
  期  間:2021年1月12日(火)~緊急事態宣言該当期間終了まで
  なお、実施期間については、状況により延長を検討します。
                        (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  訴訟上の和解は「判決」に該当するか~後発的事由による更正の請求の特則~
 (令01-06-21 非公開裁決 棄却 F0-3-673)
 
  請求人が、相続財産の範囲確定等請求訴訟において和解が成立したことにより
 相続財産が確定したなどとして、相続税法第32条(更正の請求の特則)の規定
 に基づく更正の請求をしたのに対し、原処分庁が、当該和解は相続税法施行令第
 8条(更正の請求の対象となる事由)第2項第1号に規定する「判決」には当た
 らないなどとして、更正の請求の一部を認める更正処分をしたところ、請求人が、
 原処分の全部の取消しを求めた事案です。審判所は次のように判断しました。
 
  相続税法第32条第1項第6号は、後発的事由の一つとして、「前各号に規定
 する事由に準ずるものとして政令で定める事由」と規定し、これを受けた相続税
 法施行令第8条第2項第1号は、「相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財
 産についての権利の帰属に関する訴えについての判決」と規定している。その解
 釈は、原則として文理解釈によるべきであり、みだりに拡張解釈や類推解釈を行
 うべきではないと解され、判決に和解を含むと規定していないから、本件和解は
 「判決」に該当しない。
  本件和解により、本件各債権(A社に対する貸付金、未収家賃、未収給料)及
 び本件債務(貸金返還債務)について、相続税法第32条第1項第6号に規定す
 る後発的事由を理由とした更正の請求を認めることはできない。
  ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 F0-3-673

TAINSメールニュース No.505 2021.01.07 発行(社)日税連税法データベース

2021年01月07日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
 2021年1月15日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変更
 及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  重加算税/隠蔽、仮装の認定/翌事業年度に計上すべき修繕費
 (令02-03-10 公表裁決 一部取消し J118-1-03)
 
  本件は、請求人が、建物の修繕工事に係る費用を損金の額に算入して法人税の
 確定申告をしたところ、原処分庁が、請求人の代表取締役は、当該修繕工事が事
 業年度終了の日までに着工すらしておらず、当該修繕費を損金の額に算入できな
 いことを認識した上で、当該修繕工事の施工業者であるH社に請求書を発行させ
 ることによって損金の額に算入したのであるから、その行為は事実の仮装に当た
 るとして重加算税の賦課決定処分等をしたのに対し、請求人が、仮装の事実はな
 いとして一部の取消しを求めた事案です。審判所は次のとおり判断し、本件賦課
 決定処分のうち、過少申告加算税相当額を超える部分を取り消しました。
 
  本件修繕工事につき、H社により施工されることが確かなものとして施主であ
 る請求人側から依頼があれば、竣工前に請求書を発行したとしてもあながち不自
 然とは言い切れず、また、請求書の納品日欄については、H社の請求書発行に係
 るシステムの便宜上「3.30」と入力されたにすぎない可能性も否定できない。
 本件事業年度の総勘定元帳、決算書等は、いずれも請求人の税務代理人により作
 成されたものであり、請求人代表者に税務会計に関する知識や認識があったと認
 めることはできない。原処分庁の主張する「相手方との通謀による虚偽の証ひょ
 う書類の作成」及び「帳簿書類への虚偽記載」の各事実を認めることはできず、
 通則法68条1項に規定する仮装に該当する事実があるとは認められない。
  ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J118-1-03

TAINSメールニュース No.504 2020.12.24 発行(社)日税連税法データベース

2020年12月24日

【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは来年1月7日に配信します。
  次週12月31日は休日のため、メールニュース505号は1月7日に配信し
 ます。
                        (税法データベース編集室)
 
(2)課税庁の取組み姿勢が見えてきます 〔行政文書の紹介〕
             (TAINSコード:査察部長会議R011002)
  TAINSは、裁判例や裁決例のみならず、情報公開法に基づく開示請求を行
 うことで入手した行政文書も収録されています。新たな資料を頻繁に収録し続け
 ているため、タイムリーな情報を知ることができるのがTAINS最大の強みで
 あるといえるでしょう。
  例えば、令和元年10月2日から行われた全国国税局調査査察部長会議資料が
 既に収録されていますので、今回はこの行政文書を紹介します。
  この中で注目したい議題として、「国際分野における最近の動向」があります。
 これによると、金融口座情報や多国籍企業の利益等の情報等を各国当局間で情報
 交換していること、OECD税務長官会議で知見の共有が行われていること等が
 示されています。
  また、別の項目では「国際課税の充実」と題し、国際課税分野の体制整備の課
 題が、(1)国際課税分野に関する調査実施部署等への支援の在り方、(2)移
 転価格調査ノウハウの維持、(3)法人管理とリスク分析の在り方、の3点であ
 るとされています。
  これらを見ると、課税庁は国際課税分野により注力していこうとしていること
 が分かります。このような行政文書から読み取れることを、雑談からでもクライ
 アントに提供すれば、「気づき」を与える良い機会になるかもしれません。「行
 政文書」と聞けば敷居が高いイメージがありますが、実は面白い情報の宝庫です。
 検索条件で「行政文書」にチェックをすれば容易に検索が可能ですので、ご興味
 があればぜひご覧ください。
  ≪検索方法≫〔細かい条件を指定して検索〕
           【TAINSキーワード】査察部長会議R011002
                       (要点メンバー:中尾 隼大)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  行為計算否認/組織再編の一環として行われた同族会社からの借入れ
 (令02-06-24 東京高裁 棄却・上告受理申立て Z888-2315)
 
  Y社が、同族会社である外国法人からの借入れに係る利息を損金の額に算入し
 て申告したところ、所轄税務署長より法人税法132条1項に該当するとして更
 正処分等を受けた事案の控訴審です。東京地裁(令01-06-27、Z888
 -2250)が、Y社の請求を認める判断を行ったため、国が控訴していました。
  東京高裁は、国の控訴を棄却し、法人税法132条1項の不当性要件の判断枠
 組みについては、次のように判示しています。
 
  同族会社が当該同族会社の株主等又はその関連会社からした金銭の無担保借入
 れが不当性要件に該当するか否かについては、当該借入れの目的、金額、期間等
 の融資条件、無担保としたことの理由等を踏まえた個別、具体的な事案に即した
 検討を要するものというべきである。特に、上記のような借入れが当該同族会社
 の属する企業集団の再編等の一環として行われた場合においては、(1)当該借
 入れを伴う企業再編等が、通常は想定されない企業再編等の手順や方法に基づい
 たり、実態とは乖離した形式を作出したりするなど、不自然なものであるかどう
 か、(2)税負担の減少以外にそのような借入れを伴う企業再編等を行うことの
 合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在するかどうか等の事情も考慮し
 た上で、当該借入れが経済的合理性を欠くか否かを判断すべきである。
 《検索方法》
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2315

TAINSメールニュース No.503 2020.12.17 発行(社)日税連税法データベース

2020年12月17日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
 2020年12月25日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変
 更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  更正の請求~相続財産として申告した役員退職慰労金の一部合意解除~
 (平31-01-24 非公開裁決 棄却 F0-3-677)
 
  この事案は、相続財産として申告した役員退職慰労金(本件退職慰労金)の未
 支給分に係る債権・債務が合意解除(本件合意解除)されたとして、審査請求人
 らが更正の請求をしたところ、認められなかったことから争われたものです。
  不服審判所では、次のとおり判断し、本件合意解除は、国税通則法施行令第6
 条《更正の請求》第1項第2号に規定する「やむを得ない事情」によって解除さ
 れたとは認められないとして、同号に基づく更正の請求はできないとしました。
 
  本件合意解除は、A社(被相続人が取締役会長であった会社)と相続人らが作
 成した確認書に、未払退職慰労金の支給について、合意に基づきやむを得ず解除
 を行ったこと等を相互に確認する旨の記載があることからすれば、法律で定める
 解除権(法定解除権)又は本件退職慰労金に係る契約に基づく解除権(約定解除
 権)が行使されたものとは認められない。
  また、A社が連続して経常損失を計上するような状況において、本件合意解除
 が抜本的再建計画の一環として行われたとみることもできるが、A社の債務の切
 捨てが全取引金融機関からの借入金についても行われたわけではなく、A社の債
 務を消滅させる取引が本件合意解除に限られていることからすれば、飽くまでも
 本件合意解除は、任意に行われたものと認めるのが相当であり、本件合意解除に
 客観的な事情があるとまではいえない。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 F0-3-677

TAINSメールニュース No.502 2020.12.10 発行(社)日税連税法データベース

2020年12月10日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  2020年12月11日(金)までを予定しておりました当社団職員の新型コ
 ロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保の対策ですが、現状を鑑み、20
 20年12月25日(金)まで延長させていただくこととなりました。
  引き続き、営業時間を10時から16時までに変更及び交代での在宅勤務を実
 施いたします。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  社会保険診療報酬の特例/麻酔科医が業務委託契約先の病院から受ける報酬
 (令02-01-30 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2318)
 
  保険医療機関であるAクリニックを個人で開設する麻酔科医である原告は、他
 の複数の保険医療機関(各病院)との業務委託契約に基づき各病院で実施される
 手術(本件手術)において麻酔施術を行い、その対価として報酬を受けています。
 本件は、原告が各報酬について概算経費により事業所得を計算して申告したとこ
 ろ更正処分を受けた事案です。裁判所は、各報酬額は、措置法26条1項にいう
 「社会保険診療につき支払を受けるべき金額」に該当しないから、概算経費額を
 必要経費に算入することができないとして、その理由を次のように判示しました。
 
  各病院は、本件手術の実施に当たり、執刀医、看護師や臨床工学技士など、麻
 酔科医を除く全ての医療従事者を提供しているほか、本件手術に必要な設備や器
 具、薬剤等についても全て用意し提供しているのであるから、各病院が自ら主体
 となって本件手術を実施したものであることは明らかである。そうすると、患者
 の治療等へのAクリニック(原告)の関与は、各病院が主体となって実施した本
 件手術において、その各種の医療関係行為の一環として行われた麻酔施術につき、
 麻酔専門医である原告を提供したにとどまるものといえる。したがって、原告は
 自ら主体として療養の給付を行ったとは認められないから、麻酔施術に係る社会
 保険診療につき支払を受けるべき地位にあるとはいえず、各報酬額は措置法26
 条1項にいう「社会保険診療につき支払を受けるべき金額」に該当しない。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2318