2022年06月16日
【1】今週のお知らせ
収録した税務訴訟資料第270号(課税関係判決)の一部を紹介します。
【所得税】
・R02-07-13 東京地裁 棄却・確定 Z270-13429
国家賠償法上の違法/関与会社の更正処分等に伴う税理士の精神的苦痛
・R02-10-01 津地裁 棄却・控訴 Z270-13457
実質所得者課税/親子間における所得の帰属/鉄道軌道保守工事に係る事業
【法人税】
・R02-03-12 大阪地裁 棄却・控訴 Z270-13395
一括取得した土地建物の取得価額/固定資産税評価額を用いた按分法
【相続税】
・R02-07-28 最高裁 棄却・確定 Z270-13432
上告棄却/貸付金債権の評価/事業協同組合に対する貸付金の回収可能性
【消費税】
・R02-06-16 神戸地裁 棄却・控訴 Z270-13414
課税仕入れの時期/建物等の譲受けの場合/契約基準(通達ただし書)の適用
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
更正の請求と立証責任~関係会社に対する架空業務支援費等~
(令02-12-02 東京高裁 棄却・確定 Z270-13491)
控訴人(医療法人社団A)が、税務調査を受けて控訴人の関連会社に支出して
いた業務委託費や広告宣伝費を自己否認して修正申告書を提出しました。その後
計算に誤りがあるとして更正の請求をしたところ、処分行政庁から更正すべき理
由がない旨の通知処分を受けたことから通知処分の取消訴訟において「納税者が
確定した申告書の記載が真実と異なることについての主張立証責任を負うか」等
が争点になりました。
裁判所は、次のように判示し、控訴人の請求を棄却しました。
申告納税方式による国税に係る税額は、その後に更正がされない限り、納税者
の納税申告のとおり確定するものであること、納税申告の前提となった事実関係
及びそれを誤りであるとする事実関係は更正の請求をする納税者が熟知している
こと等に照らせば、更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消訴訟においては、
更正の請求に係る事実関係は納税者たる控訴人において主張、立証すべきものと
解するのが相当である。
控訴人は確定した申告書(修正申告書)に記載された事実が真実と異なること
を主張立証すべきところ、各修正申告書記載の事実が真実と異なることをうかが
わせる具体的な事情があるとはいえないから、本件各通知処分に違法な点はない
というべきであり、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当である。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z270-13491
2022年06月09日
【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料第270号(課税関係判決)を収録中です。
国税庁ホームページに掲載された、令和2年判決分の税務訴訟資料(課税関係
判決)の収録作業を行っております。
収録が済んでいるものは下記のキーワードで検索できます。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 ★税資270号
(2)収録した裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・H30-12-06 裁決 棄却 F0-2-978
更正の請求/売上過大計上/携帯電話における課金システムと匿名組合契約の
分配金
・H31-01-29 裁決 棄却 F0-2-980
更正の請求/債務免除益の計上誤りと資金調達のための支払手数料
・H31-02-25 裁決 棄却 F0-2-983
売上計上漏れ/現金で受領したスポンサーからの広告収入、チケット収入等
・R01-09-11 裁決 棄却 F0-2-991
役員給与/不相当に高額な部分の金額
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:小菅 貴子)
仕入税額控除/用途区分/ドラッグストアでの商品券販売
(令02-06-18 非公開裁決 棄却 F0-5-295)
本件は、ドラッグストア等を経営する請求人の店舗に係る水道光熱費等につい
て、原処分庁が、当該店舗において、商品券の販売(本件販売行為)があること
から、水道光熱費等については、課税資産の譲渡等と課税資産の譲渡等以外の資
産の譲渡等に共通して要する共通対応に該当する課税仕入れに区分すべきである
などとして、消費税等の更正処分等を行ったのに対し、請求人が、本件販売行為
は、委託販売に該当し、販売手数料(課税資産の譲渡等)のみを収入として計上
することが適正であるなどとして、原処分の一部の取消しを求めた事案です。
審判所は、次のように判断し、請求人の請求を棄却しました。
請求人と商品券を発行するAとの間で、本件販売行為を委託販売の方法で行う
旨の契約書が取り交わされた事実は認められないこと、Aが作成する商品券取扱
加盟店取引約款等においても、本件販売行為が委託販売に該当するものであると
判断するに足りる記載は見当たらないこと、請求人は、額面金額と等額の現金で
販売したとする会計処理を行っていたこと等からすれば、本件商品券の顧客への
販売代金の最終的な帰属者は請求人であると認められる。以上のことから、本件
販売行為が委託販売に該当するとは認められず、本件販売行為は、非課税資産の
譲渡に該当し、水道光熱費等は、共通対応に該当する課税仕入れと認められる。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 F0-5-295
2022年06月02日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・R03-09-28 大阪地裁 却下、棄却 Z888-2403
受取配当金の益金不算入/外国子会社の要件/議決権のある株式の数と株式の
金額
・H03-12-02 裁決 一部取消し、棄却 F0-2-968
収益計上時期/入金のあった日に計上された売上高
・H03-12-09 裁決 一部取消し F0-2-970
寄附金/他社から借用した機械に装着された消耗工具
・R01-11-15 裁決 棄却 F0-2-987
受増益/関連会社から受領した経営援助協力費
・R01-09-10 裁決 却下、棄却 F0-2-989
税務調査手続の違法/調査結果の内容説明
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
外国子会社合算税制/特定外国子会社等が締結した再保険に係る元受保険契約
(令01-09-03 非公開裁決 棄却 F0-2-992)
本件は、原処分庁が、請求人の特定外国子会社等が非関連者である保険会社と
の間で締結した再保険契約に係る元受保険について、租税特別措置法施行令39
条の117第8項5号括弧書(平成28年政令第159号による改正前のもの)
に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責
任を保険の目的とする保険」に該当せず、外国子会社合算税制の適用除外基準の
うち非関連者基準を満たさないとして法人税等の更正処分等を行った事案です。
審判所は、下記のように判断して請求を棄却しています。
本件元受保険契約は、請求人の関連者との間でクレジット契約を締結する顧客
のうち、本件元受保険契約に加入する各顧客の死亡、失業又は全身の障害という
保険事故に関し一定の保険給付を行うことを約するものであり、本件元受保険契
約では、請求人の関連者が有する各債権の回収を確実にすることがその契約上予
定されていると認められる。すなわち、本件元受保険契約は、各顧客が有する資
産に生ずる損害又は各顧客が損害賠償責任を負うことによって被る損害の填補を
約する内容のものではないと認められる。
したがって、本件元受保険契約に係る保険は租税特別措置法施行令39条の1
17第8項5号括弧書に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外
の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」に該当しない。
《検索方法》
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】F0-2-992
2022年05月26日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・R02-04-07 裁決 一部取消し F0-2-972
重加算税/減価償却資産/事業の用に供した日
・R02-05-26 裁決 棄却 F0-2-974
貸倒損失/回収不能の金銭債権の貸倒れ/ゴルフクラブ会員権の預託金返還請
求権
・H30-11-01 裁決 却下 F0-2-976
審理手続を経ないでする却下裁決/督促処分の取消請求
【所得税】
・R03-01-28 東京高裁 棄却、上告受理申立て Z888-2407
外国税額控除/控除限度額の規定と租税条約
・R03-02-24 東京高裁 棄却、上告受理申立て Z888-2408
取得費加算の特例と更正の請求/上場株式等の譲渡に申告不要制度を選択した
場合
・R03-03-24 横浜地裁 棄却、控訴 Z888-2410
所得区分/給与所得を有する医師の洋画等制作販売から生じた損失
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
ゴルフ用地の登録価格~固定資産評価基準によって算定されたか否か~
(令04-03-03 最高裁 破棄差戻し Z999-8439)
下松市長は、被上告人が所有する土地(ゴルフ場用地)の平成27年度の登録
価格について、不動産鑑定士の鑑定に基づき、附近の工場用地に比準する方法に
より工場用地としての取得価額を評定し、造成費の加算をせずに算定しました。
被上告人は、登録価格を不服として、審査の申出をしましたが、棄却決定を受け
たため本訴に及びました。原審は、登録価格について、固定資産評価基準(評価
基準)の定める評価方法に従って算定されたものでないとして、棄却決定の全部
を取り消しました。最高裁では、次のとおり判断し、原判決を覆しました。
評価基準は、ゴルフ場用地の評価に際し附近の土地に比準して取得価額を評定
する方法として、特定の具体的な方法を挙げているものではないし、造成から長
期間が経過するなどの事情により、当該ゴルフ場用地の造成前の状態を前提とし
た取得価額を正確に把握できない場合も想定される。そうすると、下松市長が、
その造成前の状態である塩田跡地としての取得価額を評定していないことをもっ
て、評価基準の定める評価方法に従っていないと解すべき理由は見当たらない。
したがって、登録価格について、塩田跡地としての取得価額を評定していない
ことを理由として評価基準の定める評価方法に従って算定されたものということ
ができないとした原審の判断には、固定資産の評価に関する法令の解釈適用を誤
った違法がある。よって、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻すこととする。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z999-8439
2022年05月19日
【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(2022年春号)を掲載いたしました。検索トップページ
の右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
(事業部長:上田 健一)
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・R02-12-01 東京地裁 棄却、控訴 Z888-2390
源泉所得税/特定民間国外債利子の非課税/利子受領者確認書の期限後提出
・R02-12-02 東京高裁 棄却、確定 Z888-2402
損金の額/売上原価/高額譲受けにより取得した土地の購入価額と時価との差
額
・R01-05-24 裁決 棄却 F0-2-971
重加算税と期間制限、青色取消し/水増し請求された外注費
・R02-05-20 裁決 棄却 F0-2-973
繰越欠損金/青色取消処分後の青色申告の承認申請書の未提出
【消費税】
・R02-06-18 裁決 棄却 F0-5-295
仕入税額控除/用途区分/ドラッグストアーでの商品券販売
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
仕入税額控除/米国アマゾン社の役務の提供に対する支払手数料
(令04-04-15 東京地裁 棄却 Z888-2412)
インターネット上のウェブサイト(アマゾン)に、主としてCD、DVD、書
籍等の商品を出品し、販売する事業を営んでいる原告が、消費税等についてした
期限後申告につき、処分行政庁から、原告が米国アマゾン社から受けた役務の提
供は、課税仕入れに該当せず、仕入税額控除することはできないなどとして、消
費税等の更正処分等を受けた事案です。
裁判所は次のとおり、原告の請求を棄却しました。
掲載された商品はサイトを通じて、全世界の人々が閲覧できるのであるから、
出品サービスは、全世界の人々が原告の商品に関する情報を閲覧することを可能
にするものといえ、また、その役務提供の対価である出品手数料が国内の役務に
対応する部分と国内以外の地域の役務に対応する部分とに合理的に区分されてい
るとはいえない。そうすると、出品サービスは、「国内及び国内以外の地域にわ
たって行われる役務の提供その他の役務の提供が行われた場所が明らかでないも
の」に該当するものと認められる。
出品サービスに係る「役務の提供を行う者」は、米国アマゾン社であるといえ、
役務の提供の管理・支配を行うことを前提とした事務所等は、米国国内に所在し
ていると認められるから、役務の提供が国内において行われたとは認められない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2412
2022年05月12日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・R02-03-18 広島地裁 棄却、控訴 Z888-2398
重加算税/コンサルタント料の損金算入/契約書の相手先と支払の相手先
【所得税】
・R02-06-15 裁決 棄却 F0-1-1170
給与所得の収入金額/無申告加算税の正当な理由
・R02-06-18 裁決 棄却 F0-1-1171
調査の違法/更正の請求と立証責任/飲食業(スナック)及び警備業
・R02-06-22 裁決 棄却 F0-1-1172
無申告加算税/期限後申告書提出の有無
・R02-06-30 裁決 棄却 F0-1-1173
過少申告加算税の正当な理由/不動産所得の修正申告
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
ユニバーサルミュージック事件/同族会社等の行為計算否認(納税者勝訴)
(令04-04-21 最高裁 国の上告・棄却 確定 Z888-2411)
本件は、音楽事業を行うA社(被上告人)が、組織再編に伴い、同じ企業グル
ープに属する外国法人からの866億円余の借入れに係る支払利息を損金の額に
算入したところ、課税庁が、支払利息の損金算入は法人税の負担を不当に減少さ
せるものであるとして、法人税法132条1項を適用して更正処分等をした事案
です。最高裁は、法人税法132条1項の解釈を示した上で、次のように判示し
て、A社の請求を認めた原審の判断を是認し、国の上告を棄却しました。
本件組織再編取引は、音楽部門において日本を統括する会社としてA社を設立
するなどの組織再編成を行うものであるところ、本件取引等は、通常は想定され
ない手順や方法に基づいたり、実態とはかい離した形式を作出したりするなど、
不自然なものであるとまではいえず、また、税負担の減少以外に本件組織再編取
引等を行うことの合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在したものとい
うことができる。そうすると、本件組織再編取引等は、これを全体としてみたと
きには、経済的合理性を欠くものであるとまでいうことはできず、本件借入れは、
その目的において不合理と評価されるものではない。
したがって、本件借入れは、法人税法132条1項にいう「これを容認した場
合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当た
らないというべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2411
2022年04月28日
【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは5月12日に配信します。
次週5月5日は休日のため、メールニュース571号は5月12日に配信し
ます。
(2)よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
Q1:検索結果一覧画面のタイトルに「要点あり」が表示されているものがあ
りますが、「要点」とはどのようなものですか?
A1:「要点」は、TAINS6で設けられた新しいコンテンツです。その趣
旨は、「税理士の視点」でまとめた情報です。判決等の結論が導き出さ
れた分岐点や税理士として注目すべき課題について、その背景や上級審
も含めた顛末まで「税理士の視点」で説明しています。また、一目で事
例の内容がわかるように、500字程度の分量としています。
Q2:要点のついた判決を読みたい。
A2:細かい条件を指定して検索で「要点の有無」という条件付けができます。
その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
】より確認いただけます。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
節税目的で取得した不動産の評価~評価通達6が適用される合理的な理由~
(令04-04-19 最高裁 棄却 確定 Z888-2406)
被相続人Aは、亡くなる3年ほど前に、甲不動産及び乙不動産を計13億87
00万円で購入・信託銀行等から計10億5500万円の借入れをしました。
Aが94歳で亡くなり、共同相続人(上告人ら)が、各不動産について評価通
達により計3億3370万余円と評価し、相続税の総額を0円として申告をした
ところ、札幌南税務署長から評価通達によって評価することが著しく不適当(評
価通達6)であるから鑑定評価額(計12億7300万円)によるべきであると
して、各更正処分等を受けたため、これらの取消しを求めた事案です。
最高裁判所は、次のとおり判示して、原審の判断を是認しました。
評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公
平に反するというべき事情がある場合には、合理的な理由があると認められるか
ら、当該財産の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額に
よるものとすることが平等原則に違反するものではないと解するのが相当である。
A及び上告人らは、相続税の負担を減じ又は免れさせるものであることを知り、
かつ、これを期待して、あえて本件購入・借入れを企画して実行したのであるか
ら、租税負担の軽減をも意図してこれを行ったものといえる。実質的な租税負担
の公平に反するというべきであるから、上記事情があるものということができる。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2406
2022年04月21日
【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
できません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2022年4月22日(金) 午後11:00 ~ 午後11:30
(システム部長:小林 英樹)
(2)よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
Q1:参考になった情報(判決・裁決など)に「いいね」がしたい。
A1:判決・裁決詳細画面の上部または概要の最下部の「いいね」をクリック
してください。
Q2:ブックマークと「いいね」はどこが違うのでしょうか?
A2:ブックマークは後で読みたい情報を自分のために保存するのに対して、
「いいね」は、会員が自分の役に立った情報にそれを付していくことで
その蓄積により有用性の程度を会員間で共有することができます。
その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
】より確認いただけます。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
開発許可面積基準を満たすか否か~広大地の該否判定~
(令03-08-03 公表裁決 全部取消し J124-2-07)
請求人らが、相続により取得した土地(993.37平方メートル、このうち
676.25平方メートルが都市計画道路の予定地の区域内で、賃貸用共同住宅
の敷地及びその賃貸人用駐車場として一体利用)が広大地に該当するなどとして、
相続税の更正の請求をしたところ、原処分庁が、当該土地はa市の開発許可面積
基準(1000平方メートル以上の規模の開発行為を行う場合には開発許可が必
要で、市街化区域内の分譲等の1区画の面積は原則120平方メートル以上)を
満たさないから広大地に該当しないとして更正処分をしたため、その全部の取消
しを求めた事案です。
審判所は、次のように判断して請求人らの主張を認めました。
原処分庁は、本件土地は現に共同住宅の敷地として有効利用されているから広
大地に該当しない等を主張する。しかし、その地域における標準的な宅地の使用
は、戸建住宅の敷地としての利用であるから、本件土地は、現に宅地として有効
利用されているとは認められないこと、広大地の判定に当たり、開発許可面積基
準を指標とすることに合理性はあるとしても、飽くまで指標にすぎず、当該基準
を満たすか否かにより一律に広大地に該当するか否かを判定することはできない
こと、また、本件土地の経済的に最も合理的な使用は、道路を開設して戸建住宅
の敷地とする開発を行うことであると認められることから、広大地に該当する。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J124-2-07
2022年04月14日
【1】今週のお知らせ
よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
Q1:TAINSで一度検索した情報(判決や裁決など)を、すぐに見直せる
ように保存しておきたい。
A1:検索結果一覧で表示された当該情報のタイトル右下にある
「ブックマーク」か、または各情報詳細ページの最上部にある
「ブックマーク」をクリックで、ブックマーク機能へ保存ができます。
Q2:ブックマーク(保存)した情報を見たい。
A2:TAINSへログイン後、画面最上部の「ブックマーク一覧」を開き、
見たい情報が含まれたグループ名の右側にある「一覧を見る」を
クリックで、保存された各情報が確認できます。
Q3:保存した情報(ブックマーク)を削除したい。
A3:TAINSへログイン後、画面最上部の「ブックマーク一覧」を開き、
該当の情報が含まれたグループ名をクリック、
保存されたものの一覧が下に表示されるので、
その中から削除したい情報の右側にある「削除」をクリック。
その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
】より確認いただけます。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:小菅 貴子)
みなし贈与/夫婦間の金銭の移動/対価を支払わないで利益を受けた場合
(令03-07-12 公表裁決 全部取消し J124-2-06)
請求人は、夫Hの相続に係る相続税の税務調査を受け、申告漏れであったとし
てH名義の預金口座から出金され請求人名義の証券口座等に入金(本件各入金)
された金員を原資とする投資信託等について修正申告をしましたが、その後、原
処分庁が本件各入金について、相続税法9条に規定する対価を支払わないで利益
を受けた場合に該当するとして、請求人に対し贈与税の決定処分等をしました。
本件は、請求人が上記決定処分等の取消しを求める事案です。審判所は、次の
ように判断し、本件決定処分等の全部を取り消しました。
請求人は、本件各入金の以前から、Hの財産の一部若しくは全部についても管
理していたことが認められること、投資信託の各分配金の入金があった請求人名
義口座からの出金は、家計費の一部を賄うためのものと認められ、本件各入金額
について、請求人が自ら私的な用途で費消した事実は認められないこと等から、
本件各入金によっても、Hの財産は、請求人名義口座等においてそのまま管理さ
れていたものと評価するのが相当であり、本件各入金額が請求人に帰属するもの
と解することはできず、本件各入金により請求人に贈与と同様の経済的利益の移
転があったと認めることはできない。よって、本件各入金は、相続税法9条に規
定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当するものとは認められない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J124-2-06
2022年04月07日
【1】今週のお知らせ
よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
Q1:複数のキーワードのいずれも含む検索がしたい。
A1:キーワードを「AND」で結ぶか、スペースで区切って検索を実行して
ください。(※)
Q2:複数のキーワードのいずれか一つ以上を含む検索がしたい。
A2:キーワードを「OR」で結んで検索を実行してください。(※)
Q3:複数のキーワードのいずれか一つ以上を含み、かつ、別のキーワードを
含む検索がしたい。
A3:○○と△△のいずれかを含み、かつ××を含む検索をする場合(※)
(○○ OR △△)AND ××
(※)上記3つの検索方法において「AND」や「OR」を使う場合、
それぞれ半角大文字で入力し、その前後にスペースを入れてください。
こちらの機能は『ログイン直後に表示されるフリーワード検索欄』、
『細かい条件を指定して検索>フリーワード』、もしくは
『細かい条件を指定して検索>TAINSキーワード』のいずれかで
利用いただけます。
その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
】より確認いただけます。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
中古の機械及び装置の耐用年数/耐用年数省令3条1項2号適用の可否
(令03-03-30 東京地裁 棄却 控訴 Z888-2391)
X社は、法定耐用年数の全部及び一部を経過した中古のチューブ充填機・包装
機を取得して改良を施し、事業の用に供しました。本件は、X社がこれら資産と
資本的支出について耐用年数省令3条1項2号に基づく簡便法による耐用年数を
用いて減価償却費を計算していたところ、課税庁が本件各資産は総合償却資産に
該当するとして、耐用年数通達1-5-8により法定耐用年数を適用すべきとし
て、更正処分をした事案です。
東京地裁は、下記のように判断して法定耐用年数を適用すべきとしました。
本件工場において化粧品等の生産に用いられる各種機械は、他の機械とライン
を構成して内容物の製造又は充填、包装等の製品化を行い、製造部門と製品化部
門との連携の下で、多種類の化粧品等を生産するという目的を実現しているもの
であるから、製造部門及び製品化部門に属する各資産は、連動あるいは連携して、
集団的に生産手段として用いられているものということができ、したがって、こ
れら各資産の総体が、本件耐用年数表にいう「設備」の単位となるというべきで
ある。本件各資産は本件設備の相当部分を占めるものといえないことから、耐用
年数省令3条1項2号を適用することはできず、各資産の耐用年数は法定耐用年
数によるべきである。
《検索方法》
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2391