2018年01月18日
【1】今週のお知らせ
「誤りやすい事例集」を収録
平成29年11月、高松国税局個人課税課の研修教材「誤りやすい事例集」の
【所得税編】と【消費税編】を収録しました。内容は、下記のとおりです。
【所得税編】
1 納税地 2 所得の帰属
3 非課税所得 4 所得区分
5 各種所得金額の計算 6 損益通算
7 損失の繰越控除 8 所得控除
9 税額計算の特例(変動・臨時)
10 税額控除 11 確定申告等
【参考】
【消費税編】
1 納税義務者 2 非課税取引
3 課税の対象 4 課税標準
5 課税仕入れ 6 課税対象仕入税額の調整
7 簡易課税制度 8 その他
9 経過措置
≪検索方法≫ 【キーワード】
誤りやすい事例集 高松国税局………………………→ 2件
(朝倉 洋子)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
財産の評価~評価通達によらない特別の事情ありとして総則6項を適用~
(平29-05-23 公表裁決 棄却 J107-4-07)
請求人らが、財産評価基本通達に定める方法により評価して相続税の申告をし
たところ、原処分庁が、一部の土地及び建物の価額は、評価通達の定めによって
評価することが著しく不適当と認められるとして、国税庁長官の指示を受けて評
価した価額により相続税の各更正処分等をした事案です。
請求人らは、評価通達6の要件とされる特別の事情には、節税や租税回避の意
図といった主観的要素は該当せず、評価通達6を適用することは、その制定趣旨
に反した運用で、課税庁の恣意的な課税となり、租税法律主義に反するなどと主
張しましたが、審判所は、次のように判断して、請求人の主張を棄却しました。
被相続人による各不動産の取得から借入れまでの一連の行為は、各不動産の取
得に係る借入金が、各不動産に係る評価通達に定める評価方法による評価額を著
しく上回り、本件不動産以外の相続財産の価額からも控除されることとなり、請
求人らが本来負担すべき相続税を免れるものである。このような事態は、相続税
負担の軽減策を採らなかったほかの納税者など、相続税負担の軽減という効果を
享受する余地のないほかの納税者との間での租税負担の公平を著しく害し、富の
再分配機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的に反するものであ
る。本件各不動産について、評価通達に定める評価方法を画一的に適用すること
は実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであり、評価通達によら
ないことが相当と認められる特別の事情があると認められる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 J107-4-07
2018年01月11日
【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(平成30年新年号)を掲載いたしました。下記の会員専用
ページから閲覧できます。 (事業部長:蓮間 好一)
https://gw.tains.org/doclibrary/docs?title_id=1&state=CATEGORY&cat=101
(2)2018年、TAINSの収録状況
1983年のTAINSのスタートから35年、現在の収録状況です。
判 決 12,313件
裁 決 4,501件
通 達 12,964件
相談事例 12,646件
その他文書 45件
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計 42,469件
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このうち、「情報公開」法に基づいて入手した情報は、7,430件。
判決・裁決中「全部取消し」は、1,157件、
「一部取消し」は、2,040件
となっています。
(朝倉 洋子)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:小菅 貴子)
源泉徴収を選択した特定口座保管上場株式の譲渡/約定日と受渡日
(平29-05-08 公表裁決 棄却 J107-2-04)
本件は、請求人が、特定口座内保管上場株式等の譲渡等のうち、平成26年1
2月26日を約定日、平成27年1月5日を受渡日とする譲渡について、約定日
の時点で総収入金額に算入して所得税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、
当該上場株式等の譲渡については、受渡日の時点で総収入金額に算入すべきであ
るとして更正処分を行ったことに対して、請求人がその取消しを求めた事案です。
審判所は次のとおり判断して請求人の請求を棄却しました。
源泉徴収選択口座の制度を利用することを選択した者は、特定口座内において
譲渡をした日を基準に金融商品取引業者等が収入金額及び必要経費等の計算を行
うことを前提に同制度を選択したものと解されるため、同制度において前提とさ
れる計算と異なる日を選択して申告を行うことは予定されていないと解すべきで
ある。そして、特定口座内において処理される収入金額、取得費等の額が本件受
渡日を基準に計算され、その状況により特定口座年間取引報告書を作成し請求人
に報告されていること等、金融商品取引業者等は本件受渡日を基準として所得計
算等を行っていたといえる。
これらのことからすれば、請求人は、源泉徴収選択口座の制度を選択後に、本
件約定日を株式等に係る譲渡所得等の総収入金額の収入すべき時期として選択す
ることはできないというべきである。
≪検索方法≫ 【キーワード】 J107-2-04