2024年05月09日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R04-12-15 裁決 棄却 F0-1-1582
収入すべき時期/制限超過利息/貸金業
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62284
・R04-12-15 裁決 却下 F0-1-1583
不服申立期間の徒過/処分に係る通知を受けた日
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62285
【消費税】
・R05-03-30 裁決 一部取消し、棄却 F0-5-393
金の購入者/実質判定
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62358
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
取引相場のない株式の時価~譲渡価額が客観的交換価値に合致する場合とは~
(令04-11-21 非公開裁決 棄却 F0-1-1579)
請求人は、取引相場のない同族法人A社の株式5060株(本件株式)を一般
社団法人に譲渡しました。本件は、本件株式について、所得税法第59条第1項
に規定する「その時における価額」は、配当還元方式によるか原則的評価方式に
よるかが争われた事案です。請求人は、純然たる第三者間により行われた取引で
あると主張しましたが、審判所は、本件社団法人の設立には請求人が関与し、本
件譲渡の時の本件社団法人の理事は、請求人が代表取締役である本件法人2等の
役員、取引先及び顧問弁護士であり、その上、本件社団法人の経理を本件法人2
の社員が担当していたことなどを認定した上で、次のように判断しました。
具体的な取引における譲渡価額が当該資産の客観的交換価値に合致していると
認められるためには、所得税の計算上、本来考慮すべきではない事情が考慮され
る余地を可能な限り排斥するため、当該取引が対等な立場である当事者間におけ
る自由な交渉を経たものであることも重要な要素と考えるべきである。
本件譲渡は、本件社団法人の社会貢献活動が支障なく行われるための原資を本
件株式の配当金から捻出させるためのものである。そして、本件株式の価額は、
請求人らから検討の依頼を受けた関与税理士が本件社団法人の購入資金の手当て
等にまで配慮した試算を提案し、請求人が当該提案を受け入れる形で決定された
ものであり、本件社団法人との間の価額交渉により決定されたものではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62281