TAINSメールニュース No.665 2024.04.18 発行(社)日税連税法データベース

2024年04月18日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、令和5年7月から9月分の公表
裁決事例の収録が完了いたしました。
≪検索方法≫
「詳細検索」の「TAINSキーワード」に『★裁決事例集132集』を入力
して検索

(2)収録した判決の一部を紹介します。
【法人税】
・R06-03-27 最高裁 不受理 Z888-2620
上告不受理/青色申告承認取消し/税理士法人による2事業年度連続の期限後
申告
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62496

【その他】
・R06-03-21 地裁 有罪、控訴 Z999-9177
刑事事件/脱税スキームによる暗号資産(仮想通貨)取引に係る雑所得の除外
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62553
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
分割納付誓約期間内の公売公告処分は「不当な処分」として全部取消し!
(令05-08-21 公表裁決 全部取消し J132-2-02)

この事案は、原処分庁が、請求人の滞納国税を徴収するため、運送業を営む請
求人が所有する駐車場等の各不動産の公売公告処分を行ったのに対し、請求人が、
滞納国税について「分割納付誓約書」を提出し、これに基づく納付計画に従って
納付を継続していることから、分割納付計画の期間中にした公売公告処分は、公
売に付すべき時期を誤った違法又は不当な処分であるとして、その全部の取消し
を求めたものです。
審判所では、各不動産を公売に付する時期について、公売公告処分が違法であ
るとまではいえないものの、分割納付誓約期間内の公売公告処分は、次のとおり
「不当な処分」であるとして、その全部を取り消しました。

少なくとも分割納付誓約期間内においては、請求人が納付計画どおりの自主納
付を継続する蓋然性が高く、直ちに換価をすることで、換価額の下落の回避又は
換価額の相対的な価値の維持ができたなどの徴収上有利となる事情もなく、また、
分割納付誓約期間内に各不動産が公売に付されることはないと期待した請求人と
しては、各不動産の代替土地を確保し得る機会及び期間が事実上なく、公売によ
る請求人の事業に対する影響がより大きくなったというべきである。
これらの各事情を考慮すると、公売公告処分は、原処分庁が分割納付誓約期間
内に公売に付したという時期の判断において、その裁量権の行使が、差押財産の
換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分である。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62481