TAINSメールニュース No.658 2024.02.29 発行(社)日税連税法データベース

2024年02月29日

【1】今週のお知らせ
(1)東京税理士会からご提供いただいた相談事例を収録しました。
「TAINSキーワード」に次のように入力します。
東京税理士会 ☆2024年02月収録分 ‥‥5件

(2)誤りやすい事例集(東京・大阪国税局作成)を収録いたしました。
東京・大阪国税局が実務で誤りやすいポイントをまとめた資料の収録が完了い
たしました。
「TAINSコード」に以下の各コードを入力で検索いただけます。
■東京国税局
法人消費事例東京局R050900
所得事例東京局R0512
消費事例東京局R0512

■大阪国税局
通則事例大阪局R050000
所得事例大阪局R050000
消費事例大阪局R050000
評価事例大阪局R050000
相続事例大阪局R050000
贈与事例大阪局R050000
譲渡事例大阪局R050001
譲渡事例大阪局R050002
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
評価通達6により株式を評価した相続税の更正処分が全部取消し!
(令06-01-18 東京地裁 全部取消し・控訴 Z888-2556)

原告らが、相続により取得した財産の価額を財産評価基本通達の定める方法に
より評価して相続税の申告をしたところ、S税務署長から、株式の価額について
通達評価額(1株当たり8186円)は著しく不適当と認められるとして、評価
通達6に基づく評価(1株当たり8万0373円)により、相続税の各更正処分
等を受けたことから、その取消しを求めた事案です。
裁判所は、次のとおり納税者の請求を認め、更正処分を取り消しました。

相続財産となるべき株式売却に向けた交渉が相続開始前から進行しており、相
続開始後に実際に相続開始前に合意されていた価格で売却することができ、かつ、
当該価格が通達評価額を著しく超えていたという事実をもってしても、直ちに納
税者側に不当ないし不公平な利得があるという評価をすることは相当ではなく、
評価通達6を納税者の不利に適用するには、納税者間の不均衡や不利益等を納税
者に甘受させるに足りる程度の一定の納税者側の事情が必要と解すべきである。
本件では、株式の売却手続が進行中に被相続人が死亡しているところ、その手
続が遅れたとか、本来は被相続人の生前に売却手続を完了することができたとい
った事情は認められない。よって、特段の事情はないものというほかはないから、
株式の価額については通達評価額によって評価すべきであり、各更正処分等は、
最高裁令和4年判決の示した判断枠組みに照らし、平等原則という観点から違法
である。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62178