TAINSメールニュース No.654 2024.02.01 発行(社)日税連税法データベース

2024年02月01日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(2024年新年号)を掲載いたしました。
≪特別寄稿≫租税弁護士から研究者に転じての1年
(北海道大学大学院法学研究科教授:佐藤修二氏)
ログイン後のページ右下「TAINSだより」をクリックすると閲覧できます。
(広報部長:上田 健一)

(2)誤りやすい事例集(福岡国税局作成)を収録いたしました。
福岡国税局が実務で誤りやすいポイントをまとめた資料の収録が完了いたしま
した。
「TAINSコード」に以下の各コードを入力で検索いただけます。
譲渡事例福岡局R050000
譲渡事例申告相談福岡局R050000
贈与事例福岡局R050000
贈与事例申告相談福岡局R050000
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
CFC税制/「特殊関係非居住者」の「居住者の親族」は、民法725条で判断
(令05-03-16 東京地裁 棄却・確定 Z888-2501)

内国法人A社は、外国法人C社とそれぞれ50%ずつ出資してシンガポール共
和国にB社を設立しました。C社は、日本国籍を有し非居住者の乙が全ての株式
を保有しています。本件は、乙が措置法66条の6第2項1号の「特殊関係非居
住者」に該当するため、B社は外国関係会社となり、A社に外国子会社合算税制
が適用された事案です。
A社は、措置法施行令39条の14が規定する「居住者の親族」は、「居住者
から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの」と限定して解釈
すべきと主張しましたが、東京地裁は、次のように判断しています。

非居住者が株式等を分散保有する場合を捕捉して外国子会社合算税制の潜脱を
回避するという立法趣旨に照らすと、「特殊の関係」を定めた措置法施行令39
条の14第3項各号の規定をその文言から離れて限定的に解釈することは相当で
ない。したがって、措置法施行令39条の14第3項1号の文言及び立法趣旨か
らすれば、「居住者の親族」とは、居住者と民法725条が定める親族の関係に
ある者をいうものと解することが相当である。以上によれば、乙は、「居住者の
親族」に該当し、措置法66条の6第2項1号の「特殊関係非居住者」に当たる。

(編集員からひとこと)
「特殊関係非居住者」該当性が争われた珍しい事案です。是非ご一読ください。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61607