TAINSメールニュース No.648 2023.12.14 発行(社)日税連税法データベース

2023年12月14日

【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【相続税】
・R04-08-24 裁決 棄却 F0-3-866
貸付金債権の評価/組合に対する貸付金の回収可能性/未払役員報酬の評価
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61412

【消費税】
・R03-01-05 裁決 棄却 F0-5-378
用途区分/居住用賃貸マンションを信託財産とする信託受益権/販売目的の取
得でも共通対応分
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61257
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
CFC税制、最高裁は措令39条の16第1項に委任の範囲の逸脱なしと判断!
(令05-11-06 最高裁 一部破棄自判他・確定 Z888-2513)

この事案は、M銀行(被上告人)の特定外国子会社等2社が、期中に優先出資
証券を償還し、事業年度終了時の発行済株式等はM銀行が保有する普通株式のみ
となり、請求権勘案保有株式等の占める割合(平成29年改正前の措置法施行令
39条の16第1項)は100%であるとして、M銀行が課税庁から法人税等の
更正処分等を受けたものです。
東京高裁は、措令39条の16第1項(本件規定)を本件に形式的に適用する
ことは、措法66条の6第1項(本件委任規定)の趣旨等に反すると判断したた
め、国が上告を行っていました。最高裁では、国が逆転勝訴しています。

本件委任規定において課税要件の明確性や課税執行面における安定性の確保が
重視されており、事業年度終了の時という定め方は一義的に明確であること等を
考慮すれば、個別具体的な事情にかかわらず基準時を設けることには合理性があ
り、そのような内容を定める本件規定が本件委任規定の目的を害するものともい
えない。前記事実関係等の下において本件規定を適用することが本件委任規定の
委任の範囲を逸脱するものではないというべきである。

(編集員からひとこと)
最高裁は、M銀行に対し、子会社の事業年度を優先出資証券の償還日の前日ま
でとすることにより、容易に合算課税を回避できたはずとの指摘もしています。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61745