TAINSメールニュース No.647 2023.12.07 発行(社)日税連税法データベース

2023年12月07日

【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、右上部のバナー「30分研修動画」をクリックするとサイトに移
動し、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する
研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間
を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分以内となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

3棟の貸家が存する敷地の評価~評価単位と共用施設の取扱い~
講 師:税理士 永井智子
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
空き家状態が長く損耗の激しい家屋は損耗減点補正率による評価を!
(令05-10-04 札幌地裁 全部取消し・控訴 Z999-8499)

原告は、公売で取得した研究所用の建物(本件家屋)の登録価格(3億円超)
を不服として、固定資産評価審査委員会に審査の申出をしましたが、棄却決定
(本件決定)を受けました。そこで、原告は、本件家屋は約17年間通常の維
持管理がされず放置されていたので、評価基準における経年減点補正率による
評価ではなく、損耗の程度に応ずる減点補正率(損耗減点補正率)による評価
をすべきであるとして、本件決定の取消しを求めて出訴しました。
裁判所では、次のとおり判断し、本件決定の全てを取り消しました。

損耗減点補正率によることとされる「その他の事由」により経年減価補正率
によることが適当でないと認めらる場合とは、通常の維持管理を行う場合に生
じる損耗を超える損耗が明らかに生じている場合をいうと解される。
本件家屋は、その建物の性質を踏まえた通常の維持管理が長期間されていな
かったことは明らかであり、そして、そのような本件家屋の状況を踏まえて、
本件家屋に関する公売時の鑑定評価額(3850万円)は、登録価格と著しく
乖離しており、本件においては、本件家屋の状況について、通常の維持管理を
行う場合に生じる損耗を超えた損耗が明らかに生じているというべきである。
小樽市は、損耗減点補正率による評価を行わず、経年減価補正率により評価
を行ったものであり、登録価格は評価基準の定める評価方法に従って決定され
たものとはいえないから、その評価は違法である。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61624