2023年10月26日
【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、令和5年1月から3月分の公表
裁決事例の収録が完了いたしました。
≪検索方法≫
「詳細検索」の「TAINSキーワード」に『★裁決事例集130集』を入力
して検索
(2)収録した判決の一部を紹介します。
【消費税】
・R04-06-21 最高裁 棄却、不受理、確定 Z888-2504
上告棄却・不受理/介護付有料老人ホームにおける食事の提供
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61534
【地方税】
・R05-10-04 札幌地裁 全部取消し、控訴、納税者勝訴
Z999-8499
固定資産税/登録価格/約17年間放置された家屋の損耗の程度に応ずる減点
補正率
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61624
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
海外のLPSに対する役務提供が、輸出免税とならないケースも!
(令03-11-10 非公開裁決 棄却 F0-5-369)
請求人が、ケイマン諸島のLPSの資産運営管理などを行っていたところ、課
税庁からこれら業務の対価は、輸出免税でなく課税売上に当たると消費税等の更
正処分等を受けた事案です。
審判所は、役務提供の相手方が誰であるかが問題として、その相手が、ケイマ
ンLPSか有限責任パートナーかを検討しています。そして本件LPSは、ケイ
マン特例法の規定に従い、特例有限責任パートナーシップとして、各パートナー
の合意により創設され、その目的は、請求人が随時決定する投資先にLPSの資
産を投資する点などから、日本の法令上は、法人格を有せず、収益を目的として
LPSの構成員が共同事業を行っていると判断し、請求を棄却しています。
本件役務提供の相手方は有限責任パートナーであると認められるところ、有限
責任パートナーは、いずれも、日本国内に住所を有しており、外為法6条1項5
号に規定する「本邦内に住所又は居所を有する自然人」であるから、同号及び消
費税法施行令1条2項1号の「居住者」に該当し、「非居住者」には該当しない。
したがって、本件役務提供に、消費税法7条1項の規定は適用されない。
(編集員からひとこと)
この事案について、訴訟が提起されたかは不明ですが、LPSに対し役務提供
を行う際は、その組織体の設立根拠法令等で法人格の有無の確認を忘れずに。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/60953