TAINSメールニュース No.640 2023.10.12 発行(社)日税連税法データベース

2023年10月12日

【1】今週のお知らせ
収録した判決の一部を紹介します。
【法人税】
・R05-02-17 東京地裁 認容 Z888-2511
非収益事業に属する有価証券の取得価額/移行前の非収益事業で計上した減価
償却費
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61501

【地方税】
・R04-01-12 富山地裁 認容、却下、控訴、納税者勝訴
Z999-8496
固定資産税/納税義務者/存続期間を「永代」とする地上権が設定されている
土地
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61509
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
相続税の還付金の受領権限/偽造された委任状に基づく還付金の支払の効力
(令03-08-24 東京地裁判決 一部認容 Z777-202116)

被告国は、被告Y(相続人)が偽造した還付金の受領に係る委任状に基づき、
本来原告に対して支払うべき還付金を被告Yに支払いました。本件は、原告が、
本件支払は代理権を有しない者に対してされたため効力がないと主張して、国に
対し、還付金等の支払を求めるとともに、被告Y及び被告税理士法人に対して、
共同不法行為に基づき、還付金の額に弁護士費用を加えた損害金等の支払を求め
る事案です。
地裁は、被告Yは、不法行為責任を免れないと判断し、原告の被告Yに対する
請求を認容しました。
被告税理士法人が本件委任状を税務署に提出するに当たって原告に対する意思
確認をすべき注意義務を負っていたということはできず、税理士法人にはこの点
に関する過失は認められないとして、請求人の請求を棄却しました。
被告国については、委任状の原告名下の押印が原告の意思に反してされた可能
性を疑うべき事情があったとは認め難いとし、税務署長が本件支払をしたことに
は過失を認めることができず、国は善意無過失であったというべきであり、本件
支払は、債権の準占有者に対する弁済としての効力を有し(民法478)、これ
により本件還付請求権は消滅したと判断しました。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61124