TAINSメールニュース No.629 2023.07.27 発行(社)日税連税法データベース

2023年07月27日

【1】今週のお知らせ
(1)システム改修実施のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はデータベースに一時的に
つながりにくくなる可能性がございます。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2023年7月31日(月) 午後10:00 ~ 午後11:00
(システム部長:小林 英樹)

(2)TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、右上部の「研修サイト」をクリックするとサイトに移動し、オン
デマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する研修となり、
視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間を登録するこ
とができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分以内となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

興銀事件から考える~貸倒損失の認定において社会通念基準は有効か?~
講 師:税理士 渡邉信子
(データベース部長:水庭 清隆)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
取引相場のない株式の評価~評価通達6が適用される特別の事情の有無~
(令04-03-25 非公開裁決 棄却 F0-3-858)

被相続人は、株式移転によりA社株式を取得し、相続開始直前に73億円を借
り入れ(本件借入れ)、A社が自己株式として保有していたA社株式を取得(本
件取得)しました。この事案は、審査請求人が、A社株式を評価通達に定める方
法(純資産価額方式、A社が保有する子会社2社の株式は類似業種比準方式)に
より株式の価額を評価して相続税の申告をしたところ、原処分庁が、A社株式の
価額は、評価通達の定めによって評価することが著しく不適当であるとして評価
通達6を適用したことから争われたものです。審判所では、次のとおり判断し、
原処分庁の鑑定評価に基づく評価方法を認めました。(本件は訴訟中です。)

A社が子会社株式を100%保有し、割合的持分を超えて会社全体を財産とし
て保有していたことからすると、A社株式について、不特定多数の当事者間で自
由な取引が行われる場合に、子会社株式についても純資産の価値を反映させた価
額を基に取引が成立することは、極めて自然で合理的なことというべきである。
本件は、評価通達の評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くこ
とによって、富の再分配機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的
に反し、かえって、相続発生を見越して本件借入れ及び本件取得に相当するよう
な行為を行わなかった納税者との間での実質的な租税負担の公平を著しく害する
ことが明らかであるといえるから、他の合理的な評価方法により、本件株式の適
正な時価を評価すべき特別の事情があると認められる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61014