2023年06月08日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R04-01-07 裁決 棄却 F0-1-1410
更正の請求/仕入計上漏れ/情報商材の販売事業
・R04-01-07 裁決 棄却 F0-1-1348
更正の請求(仕入計上漏れ)/重加算税(データの消去等)/情報商材の販売
事業
・R04-09-01 東京高裁 棄却 Z888-2489
譲渡株式の取得費/同一銘柄の株式を特定口座と一般口座双方に保有している
場合
【その他】
・R04-05-25 最高最 一部破棄自判、一部上告棄却
Z999-5467
在外邦人国民審査権行使制限憲法適合性訴訟/地位確認の訴え及び違法確認の
訴え
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
法人所有のマンションに係る敷地の評価~無償返還届出書の有効性~
(令05-01-26 東京地裁 棄却 Z888-2485)
亡母の相続財産である各土地(本件各土地)は、地上権持分と共に分譲された
マンション高層階の敷地及び原告が代表者を務めるA社を使用者とするマンショ
ン低層階の敷地として利用されていました。この事案は、原告が、本件各土地の
時価について、宅地の価額から借地権割合70%相当額を控除して、相続税の申
告をしたところ、目黒税務署長が、本件各土地のマンション低層階の敷地部分に
ついて無償返還届出書が提出されていたことから、その部分の時価は宅地の価額
の80%相当額であるとして、更正処分等をしたため、争われたものです。
東京地裁では、次のとおり判断し、原告の請求を棄却しました。
本件各土地のうちA社を使用者とする部分につては、A社がマンション低層階
の敷地部分として利用することにより現に一定の制限を受けるにとどまり、亡母
からA社に対しては何ら経済的利益が移転していないと認めるのが相当であるか
ら、その客観的な交換価値は、自用地としての価額の80%相当額を下回るもの
ではないと認められる。また、無償返還届出書が提出されていることは、相続税
法上は、土地所有者から借地人に対し何ら経済的利益が移転していないとの事実
を裏付ける事情として考慮されるにとどまるから、無償返還届出書の届出行為が
無効であったとしても、そのことが本件各土地のうちA社を使用者とする部分の
客観的な交換価値についての上記認定判断を左右するものにはならない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2485