2023年05月25日
【1】今週のお知らせ
収録した判決の一部を紹介します。
【消費税】
・R03-10-19 東京地裁 棄却、確定 Z888-2432
還付申告と重加算税/輸出代行業者による商品購入の課税仕入れ該当性
・R04-10-26 東京高裁 棄却、上告、上告受理申立て
Z888-2486
簡易課税制度選択不適用届出書の不提出/本則課税適用の可否
【その他】
・R02-08-24 札幌地裁 認容、控訴棄却、確定 Z999-5463
行政手続法14条1項の理由の提示/運転免許取消処分取消請求事件における
理由提示
・R01-05-21 東京高裁 原判決変更、請求一部認容、確定
Z999-5464
裁決取消請求/行政不服審査法9条2項1号の「審査請求に係る処分に関与し
た者」
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
消費税の輸出免税と仕入税額控除/輸出物品販売場での時計の販売と買取り
(令05-01-25 東京高裁 棄却 上告等 Z888-2474)
本件は、輸出物品販売場を営む控訴人A社が、新宿税務署長から、時計の販売
につき、非居住者から旅券等の写しの提出を受けていないから消費税を免除する
ことができず、また、時計の買取りにつき、帳簿が保存されていないことから仕
入税額控除ができないとして、更正処分等を受けた事案です。
東京高裁は、A社の請求は棄却すべきものであると判断し、その理由を、原判
決(Z888-2460)を引用して、次のように判示しました。
消費税法施行令18条2項1号ハは、国内での商品の横流し等の不正を防止す
るという観点から設けられたものであり、消費税法8条1項による委任を受けて
定められた有効なものである。時計の販売については、A社は購入者から旅券等
の提出を受けておらず、かつ、同一の日に購入する対価の額の合計額が100万
円を超えており、消費税法施行令18条2項1号ハの要件を満たしていないこと
が認められる。したがって、消費税を免除することはできない。
仕入税額控除の要件として保存が要求される帳簿等においては、仕入先の氏名
等の記載が真実であることを要し、真実ではない場合には仕入税額控除が認めら
れないことになると解される。本件販売場においては、買取申込者ではなく同行
者が買取承諾書に記載するなどして時計の買取りが行われることが認められ、本
件各仕入れに関して仕入税額控除を認めることはできない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2474