TAINSメールニュース No.616 2023.04.20 発行(社)日税連税法データベース

2023年04月20日

【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
 できません。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
  日時:2023年4月24日(月) 午後10:00 ~ 午後10:30
  ※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
                       (システム部長:小林 英樹)
 
(2)収録した判決の一部を紹介します。
 【他国税】
 ・R05-03-08 東京地裁 一部認容・棄却 Z999-7226
  印紙税/消費生活協同組合が運営する総合病院等が作成した領収書及び契約書
 等
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  実質所得者課税の原則/資金調達のために発行した社債の利子
 (令04-02-01 東京地裁 認容・確定 Z888-2457)
 
  外国法人A社の東京支店は、ロンドン本店と本支店間取引により資金調達を行
 っていましたが、英国の税法上、外国税額控除を十分に受けられずにいました。
 そこで、本支店間融資取引の経済的実質を変えない資金調達として、東京支店が
 ロンドンの本店に対して社債を発行し、本店はその社債をA社の完全子会社で外
 国法人のB社に、B社は日本のC社に譲渡しました。本件は、利子の収益を実質
 的に享受している者はB社として、A社が課税庁から源泉所得税の納税告知処分
 等を受けた事案です。東京地裁は、下記判断をして、処分を全て取り消しました。
 
  本件の課税物件である利子の実質所得者を判断するに当たっては、本件利子に
 係る経済的損益の帰属先のほか、資金調達取引全体の仕組み、資金調達取引に至
 る経緯あるいは関係者の認識、資金調達取引の実施状況など諸般の事情を総合的
 に考慮すべきものと解される。本件資金調達取引においては、利子に係る収益を
 含む社債等に関する経済的な損益につき、法的な権利義務関係を通じて、最終的
 にロンドン本店に帰属するという仕組みを採用していることのほか、社債等に係
 る損益を全てロンドン本店に帰属させることが資金調達取引を実施する不可欠の
 要素であることは、関係者間における一貫した共通認識であって、本件資金調達
 取引の実際の実施状況もこれに沿う形で行われているものである。
  以上によれば、本件利子の実質所得者はロンドン本店と認めるのが相当である。
《検索方法》
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2457