2023年03月23日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R04-01-27 裁決 棄却 F0-1-1414
行為計算否認/同族会社とのサブリース契約における適正賃貸料/転貸方式
・R03-07-12 裁決 棄却 F0-1-1381
所得区分/リストリクテッド・ストック・ユニットに係る経済的利益
・R04-03-25 東京地裁 却下 Z888-2482
訴えの利益/減額再更正処分がされた場合/非居住者の店頭外国為替証拠金取
引
【法人税】
・R04-08-26 東京地裁 棄却 Z888-2464
源泉徴収義務と重加算税/社会福祉法人から理事長に移動した施設建築資金
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
生命保険契約に関する権利~保険料負担者・代理人による贈与契約の有効性~
(令04-03-02 非公開裁決 全部取消し F0-3-794)
原処分庁は、請求人らの一部(被相続人の孫ら8名)を契約者とする各生命保
険契約に関する権利は、遺贈により取得したものとみなされる(相法3(1)三
)として、相続税に係る各更正処分等を行いました。これに対し、請求人らが、
各保険料については、各契約者が、被相続人から贈与された現金により支払った
ものであるとして、各更正処分等の全部の取消しを求めた事案です。
争点は被相続人が各保険料を負担したか否かであり、請求人Aが被相続人の代
理として行った本件各贈与契約の有効性が争われました。
審判所は、次のように判断し、各更正処分等の全部を取り消しました。
被相続人から請求人Aに対し本件代理権の授与がなかったと認められないこと
からすると、本件各贈与契約が無権代理により無効であるとはいえず、また、原
処分庁からは、顕名がないことのほかに、本件各贈与契約が無効であることにつ
いての客観的な証拠に基づく主張立証がなく、この点を根拠として、被相続人が
本件各保険料を負担したとする原処分庁の主張には理由がないこととなる。そう
すると、被相続人が本件各保険料を負担したとは認められないことから、各保険
契約に関する権利は、相続税法第3条第1項第3号に規定する遺贈により取得し
たものとみなされる財産には該当しない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 F0-3-794