TAINSメールニュース No.606 2023.02.02 発行(社)日税連税法データベース

2023年02月02日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
  TAINSだより(2023年新年号)を掲載いたしました。
  ≪特別寄稿≫2022年の裁判例を振り返る
                (TAINS編集長:三木 義一)
  検索トップページ右下「TAINSだより」をクリックすると閲覧できます。
                         (事業部長:上田 健一)
 
(2)収録した裁決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・R03-06-08 裁決 棄却 F0-1-1317
  所得の帰属/駐車場の実質的な賃貸人
 ・R03-05-20 裁決 棄却 F0-1-1319
  上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除/連続申告要件
 ・R03-06-24 裁決 棄却 F0-1-1320
  青色申告特別控除の適用要件/貸借対照表の不添付
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
 「居住者」該当性/内国法人及び外国法人2社の取締役/職業活動と住所の判定
 (令03-11-25 東京地裁 棄却・確定 Z888-2434)
 
  原告は、内国法人及び外国法人2社(台湾及びシンガポール)の取締役として
 役員報酬を得ていました。本件は、原告が「居住者」に該当することを前提に申
 告した後、「非居住者」に該当するとして更正の請求をしたところ、更正すべき
 理由がない旨の通知処分を受けたため、その取消しを求めた事案です。東京地裁
 は、「住所」を民法と同義に解釈すべき以上、生活の本拠の判断において特段職
 業を重視すべき理由はなく、職業は、滞在日数等の他の要素とともに総合して考
 慮すべき一要素と解するのが相当であるとした上で、次のように判示し、原告は
 日本国内に住所を有する者として「居住者」に該当すると判断しました。
 
  原告は、本件各係争年のいずれの年においても、1年のうち3分の2以上の期
 間を日本国内に滞在し、国内の滞在日数と国外の滞在日数との間に有意な差があ
 る上、日本国内の滞在期間のうち大部分を過ごしていた本件住宅は、原告夫婦が
 事実上所有者として使用できる状況にあったものであり、実際に、原告の癌の治
 療、療養等の活動において重要な拠点として機能していた。他方、原告の職業活
 動の中心は外国法人2社の業務にあるが、その業務において原告が重要な役割を
 果たしていたことが、直ちに当該法人の所在地に生活の中心があったことを意味
 するものではないというべきである。以上によれば、原告の生活に最も関係の深
 い一般的生活、全生活の中心は日本にあったものであるから、原告の生活の本拠
 である「住所」は日本国内の本件住所地であると認めるのが相当である。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2434