2022年12月15日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・R02-03-02 裁決 棄却 F0-2-1013
低額譲受けによる受贈益/完全子会社化を目的に行われた株式譲受けと株式交
換
・R02-06-01 裁決 棄却 F0-2-949
特定資産買換え/譲渡した土地は棚卸資産か固定資産か
【所得税】
・R02-09-17 裁決 全部取消し、一部取消し F0-1-1285
所得の帰属と所得区分/不正指南等に係る業務委託報酬/税理士業
・R03-01-20 裁決 却下 F0-1-1304
処分の不存在/税務相談の回答を対象とした審査請求
・R03-02-05 裁決 棄却 F0-1-1305
馬券払戻金の所得区分/通常馬券・WIN5
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
固定資産税等/複合構造家屋における経年減点補正率の選択/低層階方式は?
(令04-03-25 大阪地裁 認容・控訴 Z999-8454)
原告は、複合構造家屋である本件各家屋(1及び2)の平成30年度の登録価
格に不服があるとして、大阪市固定資産評価審査委員会に対し審査の申出をした
ところ、同委員会は、家屋1(25階建て、S造部分58%)については審査の
申出を棄却、家屋2(地下階付き地上9階建て、S造部分80%)については登
録価格を一部修正すべきとしたことから、本件各価格は、いずれも経年減点補正
率の適用を誤ったために固定資産評価基準によって決定される価格を上回ると主
張して、評価基準によって決定される価格を超える部分の取消しを求めました。
裁判所は、専ら低層階の構造(現在の建築技術では鉄骨鉄筋コンクリート造=
SRC造等減価度合が小さい構造)に着目して経年減点補正率を定める低層階方
式は、各構造ごとの構造耐力に応じた各構造の損傷、損耗等による価値減少を、
減価補正の程度に可能な限り反映するものとはいえず、経年減点補正率に係る評
価基準の定めの内容、趣旨に沿ったものとはいえない。家屋1の棟1及び家屋2
に適用する経年減点補正率の求め方について低層階方式を選択したことは、大阪
市内における評価の統一性の要請からみて不合理であるといわざるを得ない。
などと判断し、原告が主張する床面積方式(減価度合が大きい鉄骨造=S造)
を認容しました。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z999-8454