2022年10月27日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・R03-02-16 裁決 棄却 F0-2-1033
源泉所得税/インド法人に支払った技術上の役務に対する料金
・R03-07-16 東京地裁 棄却 Z888-2422
源泉徴収義務/減額更正処分で否認された売上高と役員給与等に係る源泉所得
税
【所得税】
・R04-09-09 東京地裁 却下、棄却 Z888-2427
修正申告の無効確認の訴え/通知処分の違法/風俗業
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
取引相場のない株式~発行会社を介する三者間の譲渡にみなし譲渡課税等~
(令04-02-14 東京地裁 棄却 Z888-2419)
A社は、代表取締役(甲)から、A社株式5000株を1株当たり1500円
で取得(本件取引1)した上で、取締役兼営業部長である甲の長男(乙)に譲渡
(本件取引2)しました。同様に、A社は、同社の元取締役から、A社株式1万
1460株を取得した上で、乙に譲渡(本件取引3)しました。この事案は、A
社の自己株式の取得及び譲渡に係る取引について、処分行政庁から、甲はみなし
譲渡に該当するとして、乙は享受した経済的な利益が給与所得に該当するとして
更正処分を、A社は源泉所得税の納税告知処分を受けたことから争われたもので
す。裁判所では、次のとおり判断し、甲、乙及びA社の請求を棄却しました。
本件取引1は、所基通59-6に基づき算定した価額(1株当たり1万757
7円)の2分の1に満たない金額(1株当たり1500円)によりA社株式50
00株を譲渡したものであり、所得税法59条1項2号所定の「著しく低い価額
の対価として政令で定める額による譲渡」に該当するものと認められるから、同
項の規定を適用したことをもって、甲の更正処分が違法なものはいえない。
乙は、本件取引2及び3の時における価額と実際の対価の額との差額に相当す
る経済的な利益を享受したものであるし、この経済的な利益は所得税法28条1
項所定の「給与等」に該当するものと認められるから、同項の規定を適用したこ
とをもって、乙の更正処分及びA社の納税告知処分が違法なものとはいえない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2419