TAINSメールニュース No.584 2022.08.18 発行(社)日税連税法データベース

2022年08月18日

【1】今週のお知らせ
(1)次の税理士会から提供いただいた相談事例、その他文書を収録しました。
   「細かい条件を指定して検索」をクリックし、「TAINSキーワード」に
   次のように入力します。
 
    千葉県税理士会 ☆2022年08月収録分 ‥‥24件
    南九州税理士会 ☆2022年08月収録分 ‥‥12件
    名古屋税理士会 ☆2022年08月収録分 ‥‥ 1件
 
   なお、東京税理士会の相談事例は、毎月ご提供いただいています。
 
(2)収録した裁決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・R02-01-07 裁決 棄却 F0-1-1249
  更正の請求の可否/前納した社会保険料等の特例
 ・R02-01-16 裁決 却下 F0-1-1253
  不服審査/処分の不存在/無申告加算税の賦課決定処分
 ・R02-02-17 裁決 却下 F0-1-1256
  異議申立期間の徒過/処分に係る通知を受けた日
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  不動産取得税~複数の不動産に係る共有物の分割により取得した場合の課非
 (令04-03-22 最高裁 棄却 確定 Z999-8444)
 
  地方税法73条の7第2号の3は、共有物の分割による不動産の取得について、
 同法73条の2第1項にいう「不動産の取得」に該当し、その例外として、持分
 超過部分の取得を除いては非課税とする旨を定めたものと解されています。
  上告人は、複数の不動産について各持分10分の1を有していましたが、共有
 物の分割により本件各土地の各持分10分の9を取得しました。この各取得に対
 する不動産取得税の賦課決定処分について、上告人が、被上告人(東京都)を相
 手に取消しを求めて争いました。最高裁は次のとおり判示し、確定しています。
 
  不動産取得税に関する地方税法の規定の内容等に照らせば、同税は、個々の不
 動産の取得ごとに課されるものである。そうすると、共有物の分割による不動産
 の取得に係る持分超過部分の有無及び額については、複数の不動産を一括して分
 割の対象とする場合であっても、その対象とされた個々の不動産ごとに判断すべ
 きものと解するのが、不動産取得税の課税の仕組みと整合的である。
  したがって、複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不
 動産を取得した場合における持分超過部分の有無及び額については、分割の対象
 とされた個々の不動産ごとに、分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所
 有することとなった不動産の価格とを比較して判断すべきものである。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z999-8444