2022年05月26日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・R02-04-07 裁決 一部取消し F0-2-972
重加算税/減価償却資産/事業の用に供した日
・R02-05-26 裁決 棄却 F0-2-974
貸倒損失/回収不能の金銭債権の貸倒れ/ゴルフクラブ会員権の預託金返還請
求権
・H30-11-01 裁決 却下 F0-2-976
審理手続を経ないでする却下裁決/督促処分の取消請求
【所得税】
・R03-01-28 東京高裁 棄却、上告受理申立て Z888-2407
外国税額控除/控除限度額の規定と租税条約
・R03-02-24 東京高裁 棄却、上告受理申立て Z888-2408
取得費加算の特例と更正の請求/上場株式等の譲渡に申告不要制度を選択した
場合
・R03-03-24 横浜地裁 棄却、控訴 Z888-2410
所得区分/給与所得を有する医師の洋画等制作販売から生じた損失
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
ゴルフ用地の登録価格~固定資産評価基準によって算定されたか否か~
(令04-03-03 最高裁 破棄差戻し Z999-8439)
下松市長は、被上告人が所有する土地(ゴルフ場用地)の平成27年度の登録
価格について、不動産鑑定士の鑑定に基づき、附近の工場用地に比準する方法に
より工場用地としての取得価額を評定し、造成費の加算をせずに算定しました。
被上告人は、登録価格を不服として、審査の申出をしましたが、棄却決定を受け
たため本訴に及びました。原審は、登録価格について、固定資産評価基準(評価
基準)の定める評価方法に従って算定されたものでないとして、棄却決定の全部
を取り消しました。最高裁では、次のとおり判断し、原判決を覆しました。
評価基準は、ゴルフ場用地の評価に際し附近の土地に比準して取得価額を評定
する方法として、特定の具体的な方法を挙げているものではないし、造成から長
期間が経過するなどの事情により、当該ゴルフ場用地の造成前の状態を前提とし
た取得価額を正確に把握できない場合も想定される。そうすると、下松市長が、
その造成前の状態である塩田跡地としての取得価額を評定していないことをもっ
て、評価基準の定める評価方法に従っていないと解すべき理由は見当たらない。
したがって、登録価格について、塩田跡地としての取得価額を評定していない
ことを理由として評価基準の定める評価方法に従って算定されたものということ
ができないとした原審の判断には、固定資産の評価に関する法令の解釈適用を誤
った違法がある。よって、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻すこととする。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z999-8439