TAINSメールニュース No.563 2022.03.10 発行(社)日税連税法データベース

2022年03月10日

【1】今週のお知らせ
  よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q1:プリセット検索とはどのようなものでしょうか?
  A1:プリセット検索は、三つの選択肢を指定することにより分野を絞り込む
    (例:所得税>必要経費>算入時期)と、あらかじめセットされたキーワ
     ードにより検索が実行されます。欲しい情報に対応する語句が思いつか
     ないときに利用してください。
 
    上記の「プリセット検索」は、検索ワード入力欄の下、「細かい条件を指
   定して検索」をクリック後、TAINSキーワード内の「プリセット」欄を
   指定することで利用出来ます。
 
  Q2:プリセット検索の検索結果を絞り込むことができますか?
  A2:次のいずれかの方法により絞り込むことができます。
   <1>検索結果一覧の検索窓に表示されている語句にキーワードを加える。
   <2>検索ワード入力窓の下にある「細かい条件を指定して検索」を開いて
      条件を指定する。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  純資産価額による株式評価~法人に株式と同時に遺贈された貸付金の負債性~
 (令03-05-21 東京地裁 一部取消し 確定 Z888-2382)
 
  甲がA社に対して株式等を遺贈する旨の遺言をしていたところ、死亡により遺
 贈の効力が生じ、相続の開始時に保有していたA社の株式とA社に対する貸付金
 債権が、A社に移転しました。本件は、譲渡所得の金額の計算について争われた
 事件で、具体的な争点は、所得税法59条1項の「その時における価額」(時価
 )を純資産価額により算定するに当たり、株式と同時に遺贈された貸付金債権(
 貸付金債務)をA社の負債として計上することの適否です。
  東京地裁は、次のように判断して、更正処分のほぼ全てを取り消しました。
 
  遺贈の性質に鑑みれば、遺言が作成されてからその効力が発生するまでの間に
 おいて、遺贈の目的である権利が受遺者とされた者に移転することが確実である
 とは通常は考え難いというべきである。
  本件貸付金債務が遺贈の直前においていまだ存在していた以上、被告が主張す
 るA社株式の価額の増加部分(遺贈に伴う貸付金債務の消滅により生ずる価値の
 増加部分)は、そもそも遺贈の時点において譲渡人である甲の下に生じている増
 加益ではないから、譲渡所得に対する課税の対象にはならないものである。
  以上によれば、A社の株式の「その時における価額」を純資産価額によって算
 定するに当たって、貸付金債務をA社の負債として計上すべきである。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2382