TAINSメールニュース No.560 2022.02.17 発行(社)日税連税法データベース

2022年02月17日

【1】今週のお知らせ
情報収集の取組紹介
東京国税局・大阪国税局が実務で誤りやすいポイントをまとめた資料の収録を
進めています。

・国税庁調査課・東京国税局調査審理課 令和3年9月作成
法人税及び消費税等の処理における誤り易い事例とそのチェックポイント

・東京国税局 令和3年12月作成 所得税消費税誤りやすい事例集

・大阪国税局 令和3年12月作成 個人課税関係
令和3年版 誤りやすい事例 (国税通則法・所得税法・消費税法)

・大阪国税局 令和3年12月作成 資産課税関係誤りやすい事例
土地譲渡所得関係・株式譲渡所得関係・贈与税関係 令和3年分
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
企業ポイント交換により受領した金員/消費税法2条1項8号の「対価」該当性
(令03-09-29 大阪高裁 原判決取消し 確定 Z888-2392)

ICカードを発行している控訴人は、会員に対し商品購入代金等の決済手段と
して本件カードを利用した場合に企業ポイント(本件ポイント)を付与するサー
ビスのほか、本件ポイントと控訴人が提携する法人が付与する企業ポイント(提
携ポイント)との交換を行っていました。本件は、提携ポイントと本件ポイント
とを交換した後に、提携法人から控訴人に支払われた金員(本件金員)が、消費
税法2条1項8号の「対価」に該当するかが争われた事案です。
大阪地裁(Z269-13358)は対価に該当するとしましたが、大阪高裁
は、下記のように判断して対価に該当しないとしました。

各提携契約に基づく提携法人の控訴人に対する本件金員の支払は、ポイント交
換に係る提携ポイントを発行した者としてその利用に係る経済的負担を負うべき
立場にある提携法人が、ポイント還元を行う控訴人のために、その原資を提供す
る行為にほかならない。
そうであるとすれば、各提携契約に基づく提携法人と控訴人との間のポイント
交換は、無償取引というべきであり、本件金員が控訴人が各提携契約に基づき提
携法人に対して行う役務の提供の反対給付としての性質を有するとみるのは困難
というべきである。本件金員は消費税法2条1項8号にいう「対価」に該当せず、
これを消費税の課税標準とすることはできない。
《検索方法》
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2392