TAINSメールニュース No.457 2020.04.09 発行(社)日税連税法データベース

2020年04月09日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録中です。
  先週より、国税不服審判所のホームページに掲載された、令和元年7月から9
 月分の公表裁決事例の収録作業を行っております。
  収録が済んでいるものは下記のキーワードで検索できます。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集116集
 
(2)判決速報を収録しました。
  判決速報1509から1510、また1512から1517までの計8件を収
 録しました。一部を下記に紹介します。
 ・判決速報1510
   X(控訴人会社)が行った特定資本関係発生後5年を経過した適格合併につ
  いて、法人税法132条の2を適用し得るとされた事例
 ・判決速報1512
   調査に基づき行われた期限後申告が錯誤により無効とはいえないとされた事
  例
 ・判決速報1517
   麻酔科医が受領する出張麻酔の対価は、措置法26条所定の「社会保険診療
  報酬につき支払を受けるべき金額」に該当せず、また、消費税も非課税とはな
  らないとされた事例
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 判決速報 ☆2020年04月収録分 →8件
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  損害賠償額の算定/将来の逸失利益の計算における控除すべき中間利息の割合
 (平17-06-14 最高裁判決 破棄差戻し Z999-5415)
 
  原審(札幌高裁)は、交通事故による損害賠償額の算定において、A(被上告
 人の子)の将来の逸失利益を現在価額に換算するための中間利息の控除割合を年
 3%とすることが将来における実質金利の変動を考慮しても十分に控え目なもの
 というべきである旨を示して、被上告人らの請求を一部認容したところ、一審被
 告(上告人)が上告した事案です。最高裁は、原審の判断は是認することができ
 ないとして、原判決中上告人の敗訴部分を破棄し、原審に差し戻しました。
 
  民法404条において民事法定利率が年5%と定められたのは、ヨーロッパ諸
 国の一般的な貸付金利や法定利率、我が国の一般的な貸付金利を踏まえ、金銭は、
 通常の利用方法によれば年5%の利息を生ずべきものと考えられたからである。
  損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するにつ
 いても、法的安定及び統一的処理が必要とされるのであるから、民法は、民事法
 定利率により中間利息を控除することを予定しているものと考えられる。
  事案ごとに、また、裁判官ごとに中間利息の控除割合についての判断が区々に
 分かれることを防ぎ、被害者相互間の公平の確保、損害額の予測可能性による紛
 争の予防も図ることができる。諸点に照らすと、損害賠償額の算定に当たり、被
 害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は、
 民事法定利率によらなければならないというべきである。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-5415