2020年03月26日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・H29-12-15 裁決 棄却 F0-1-928
更正の請求/通則法23条1項3号該当性
・H21-04-23 裁決 棄却 F0-1-1000
更正の請求/裁判上の和解/先物取引の無効
・H17-01-28 裁決 棄却 F0-1-999
所得の帰属/商品先物取引に係る所得
【相続税】
・H23-02-03 裁決 棄却 F0-3-668
課税財産/売買残代金請求権/成年後見人による売買契約の成立日
・H21-02-25 裁決 棄却 F0-3-669
不動産及び出資の評価/貸付金債権の存否/過少申告加算税「正当な理由」の
有無
【その他】
・H25-01-22 東京地裁 棄却、控訴 Z999-0153
税理士損害賠償/善管注意義務違反/原始資料に基づき仕訳伝票を精査すべき
義務
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
重加算税~外部からうかがい得る特段の行動は認められないとして一部取消し
(平30-11-12 非公開裁決 一部取消し F0-3-658)
被相続人の配偶者である請求人名義の定期貯金が申告漏れになったことについ
て、原処分庁は、隠蔽があるとして、重加算税の賦課決定処分を行いました。こ
の処分に対し、事実を隠蔽又は仮装したか否かが争点の一つとなった事案です。
審判所は、請求人は、高齢であり、長年にわたり被相続人と2人で農業に従事
した上、その所得の全部が被相続人に帰属するという法的知識を有していたとは
認め難いから、本件定期貯金を請求人の固有の財産と理解していたとしても不自
然とまでいうことはできないなどと認定し、重加算税の賦課決定処分については、
次のとおり違法であると判断し、一部を取り消しました。
原処分庁が提出する請求人の上申書及び質問応答記録書については、その信用
性を認めることができないから、上申書及び質問応答記録書からだけでは、請求
人が、当初申告の当時、本件定期貯金が被相続人に係る相続財産に含まれると認
識していたと認めることはできない。また、原処分庁が主張するように、請求人
が税理士や調査担当職員に、本件定期貯金の存在を告げなかったとしても、それ
が過少申告の意図を外部からうかがい得る特段の行動と認めることもできない。
当初申告は、事実を隠蔽又は仮装したところに基づくものとはいえないから、
通則法第68条第1項所定の重加算税の賦課要件を満たさない。したがって、重
加算税の賦課決定処分のうち過少申告加算税相当額を超える部分は違法である。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-3-658