2019年11月07日
【1】今週のお知らせ
収録した判決の一部を紹介します。
【法人税】
・H30-10-31 福岡高裁 棄却、確定 Z888-2264
収用/圧縮記帳の対象となる対価補償金/収用による土地の分筆と建物移転費
用
【他国税】
・H31-04-17 横浜地裁 却下、棄却、確定 Z999-7215
更正の請求/通令6条1項3号「帳簿書類の押収その他やむを得ない事情」の
有無
・H31-02-15 東京地裁 棄却、控訴 Z999-7213
酒税法/納税義務者/他の製造者から移入した酒類を容器詰め後に再移出した
者
【その他】
・H30-03-16 東京地裁 有罪、懲役3年、執行猶予5年
Z999-9157
刑事事件/破産法違反/重要文化財の隠匿・破産管財人に対する虚偽説明
・H16-10-07 東京地裁 本訴棄却、反訴認容、控訴
Z999-5400
不動産売買契約の有効性/通謀虚偽表示の有無・新会社に対する不動産の譲渡
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
行為計算否認/組織再編に伴う同族会社からの借入
(R01-06-27 東京地裁 全部取消し・控訴 Z888-2250)
原告が、同族会社である外国法人からの借入れに係る支払利息の額を損金の額
に算入して申告したところ、麻布税務署長から、同支払利息の損金算入は法人税
の負担を不当に減少させるものであるとして、法人税法132条1項に基づき、
各更正処分等を受けた事案で、裁判所はその処分を全部取り消しました。
原告による借入れが行われる原因となった、ヴィヴェンディ・グループが設定
した8つの目的は、日本の関連会社に係る資本関係の整理や、同グループの財務
態勢の強化等の観点からいずれも経済的合理性を有するものであったと認められ
、本件再編成等スキームに基づく組織再編取引等は、これらの目的を達成する手
段として相当であったと認められる。そして、これらの目的の達成は原告にとっ
ても経済的利益をもたらすものであったといえる一方、本件借入れが原告に不当
な経済的不利益をもたらすものであったとはいえない。
そうすると、原告による本件借入れについては、法人税の負担が減少するとい
う利益を除けばこれによって得られる経済的利益がおよそないとか、あるいは、
これを行う必要性を全く欠いているなどということはできないから、専ら経済的
、実質的見地において、純粋経済人として不自然、不合理なものとはいえず、経
済的合理性を欠くものと認めることはできない。
≪検索方法≫【キーワード】 Z888-2250