2019年07月25日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・H30-03-19 裁決 棄却 F0-2-844
過少申告加算税/実地の調査を行う旨の通知を受けた後の修正申告書の提出
・H01-06-15 裁決 却下、一部取消し、棄却 F0-2-849
収益計上時期/輸出売上金額の計上時期/情報提供料
・H01-06-30 裁決 一部取消し F0-2-851
売上計上漏れ/オーバー・プライス取引による売上金額
・H30-08-30 東京地裁 棄却、控訴 Z888-2231
源泉所得税/重加算税/退職給付資産に計上された理事長の預金口座へ送金し
た金員
【地方税】
・H26-03-07 福岡地裁 一部認容・一部棄却、双方控訴
Z999-8404
・H26-12-01 福岡高裁 原判決変更、請求棄却 Z999-8405
固定資産税/非課税の範囲/商店街の通路における「公共の用に供する道路」
該当性
・H28-02-12 最高裁 棄却・不受理、確定 Z999-8406
上告棄却・不受理/固定資産税の非課税の範囲/「公共の用に供する道路」該
当性 (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
固定資産税/ショッピングセンターの開発許可に不可欠な調整池の評価
(平31-04-09 最高裁 破棄差戻し Z999-8403)
本件は、2筆の土地(調整池)について、志摩市長は地目を「宅地」と評価し、
納税義務者である上告人は「池沼」と主張している事案です。最高裁は、次のよ
うに判示して、原判決を破棄し、本件を名古屋高裁に差し戻しました。
本件各土地は、ショッピングセンター(商業施設)の開発に伴い調整池の用に
供することとされているのであるが、開発許可に条件が付されていることは、各
土地の用途が制限を受けることを意味するにとどまり、また、調整池の機能は、
一般的には、開発の対象となる地区への降水を一時的に貯留して下流域の洪水を
防止することにあると考えられる。そうすると、上記条件に従って調整池の用に
供されていることから直ちに、各土地が商業施設の敷地を維持し、又はその効用
を果たすために必要な土地(宅地)であると評価することはできない。
したがって、各土地が調整池の用に供されており、その調整機能を保持するこ
とが開発行為の許可条件になっていることを理由に、土地1の面積の80%以上
に常時水がたまっていることなど、各土地の現況等について十分に考慮すること
なく、各土地は宅地である商業施設の敷地を維持するために必要な土地であると
して、地目を宅地と認定した上、市街地宅地評価法により算出された登録価格が
評価基準によって決定される各土地の価格を上回るものではないとした原審の判
断には、固定資産の評価に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-8403