2019年05月09日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決・判決の一部を紹介します。
【所得税】
・H30-03-19 裁決 棄却 F0-1-896
源泉徴収義務/役員へ低額譲渡した自己株式
【法人税】
・H30-02-20 裁決 棄却 F0-2-807
減価償却費/中古の総合償却資産を取得した場合の耐用年数の見積り
・H29-12-01 裁決 棄却 F0-2-817
青色申告の承認取消処分/取消通知書の送達
【消費税】
・H30-02-22 裁決 棄却 F0-5-217
非課税取引/介護付有料老人ホームにおける食事の提供
・H30-02-23 裁決 却下 F0-5-218
地方税法附則9条の10第2項の規定に基づく委託納付の処分性
【他国税】
・H29-08-09 大阪地裁 却下、棄却 控訴 Z999-7205
・H30-02-01 大阪高裁 棄却 Z999-7208
差押処分/滞納国税の徴収権の消滅時効の成否/信用組合の出資持分及び株式
の帰属 税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
不動産取得税/共有物分割時の持分超過部分の有無の判断となる不動産の価格
(平30-01-24 大阪地裁 棄却 Z999-7206)
本件は、原告及び原告の弟Cが、遺贈によりA土地の共有持分2分の1を取得
した後、財産評価基本通達を参考にして土地の価格が同一となるように土地1と
土地2との分筆線を定めてA土地を分筆し、土地1を原告が、土地2をCが単独
所有としたところ、原告が、不動産取得税賦課決定処分を受けた事案です。原告
は、本件取得は持分超過部分は存在しないと主張しましたが、大阪地裁は、持分
超過部分の有無は下記のように判断するとし、処分は適法であるとしています。
共有物の分割による不動産の取得に持分超過部分の取得が存在するか否かは、
当該取得の事実から担税力の存在を推定することができるものか否かの観点から
判断されるべきであるところ、地方税法は、不動産取得税の課税標準を不動産の
価格としており、その価格をもって不動産の移転の事実から推定される担税力の
指標としているものと解される。
持分超過部分の有無については、当該共有物の価格の持分割合相当額と当該分
割により取得した不動産の価格とを比較して判断すべきであり、当該各価格は不
動産取得税の課税標準となるべき価格と解するのが相当である。その価格は、地
方税法73条の21第1項の場合には、固定資産課税台帳に登録された価格であ
り、同条2項の場合には、固定資産評価基準によって決定される価格である。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-7206