2018年12月06日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決・判決を紹介します。
【所得税】
・H29-10-31 裁決 F0-1-880
収入すべき時期/借上公共賃貸住宅の用途廃止に伴い公社から受領した金員
・H29-12-01 裁決 F0-1-882
住宅借入金等特別控除/引き続き居住の用に供している場合
【法人税】
・H29-10-12 東京地裁 Z888-2176
留保金課税/匿名組合契約に基づく分配金/債権を譲り受けた後の免責的債務
引受け
・H01-10-30 裁決 F0-2-793
交際費等/外国の仲介人を通して関係者に支払われたコミッション
【消費税】
・H29-06-23 裁決 F0-5-207
課税取引/資産の譲渡/割賦払いによる資産の取得
・H29-08-21 裁決 F0-5-209
課税仕入れの時期/建物等の譲受けの場合
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等(税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
未使用設備の償却費が損金不算入額となった場合の翌事業年度の認容額は
(平30-03-27 公表裁決 棄却 J110-3-12)
請求人が、太陽光発電設備を取得した事業年度において、同設備に係る償却費の額を損金算入して確定申告をした後、同設備を当該事業年度内に事業の用に供していなかったことから当該償却費の額を償却超過額として修正申告するとともに、当該事業年度の翌事業年度に同設備を事業の用に供したことから、当該翌事業年度に同設備に係る償却費の額を損金の額に算入すべきであるとして更正の請求をしました。これに対して原処分庁が、同設備を事業の用に供した当該翌事業年度において償却費の損金経理額はないとして更正をすべき理由がない旨の通知
処分をしたので、請求人が、当該翌事業年度において、前期から繰り越した償却超過額の認容額として損金の額に算入すべきであると主張した事案です。
審判所は次のように判断して、請求人の主張を棄却しました。
同設備は当該事業年度終了時においては事業の用に供されていないから、法人税法上の減価償却資産に該当しない。そして、当該事業年度において償却費として損金経理をしていたとしても、それは法人税法上の減価償却資産に該当しない資産に係るものであって、法人税法第31条第1項に規定する償却費として損金経理をした金額に該当せず、また、償却超過額にも当たらない。そうすると、請求人が当該事業年度に償却超過額とした金額は、当該翌事業年度において、同条第4項に規定する償却超過額には該当せず、当該翌事業年度の損金経理額に含まれないから、当該翌事業年度の損金の額に算入することはできない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 J110-3-12