2018年11月15日
【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより2018秋号(新システム特集号)を掲載いたしました。下
記の会員専用ページから閲覧できます。 (事業部長:蓮間 好一)
https://gw.tains.org/doclibrary/docs?title_id=1&state=CATEGORY&cat=101
(2)収録した裁決を収録します。
【所得税】
・H29-12-19 裁決 棄却 F0-1-870
無申告加算税の正当な理由/税務署の混雑による体調不良のおそれ
【法人税】
・H29-09-12 裁決 棄却 F0-2-784
調査の違法と重加算税/交際費として計上された代表者個人の飲食代金
【相続税】
・H27-12-03 裁決 棄却 F0-3-561
貸付金債権の評価/評価通達205に定める「回収が不可能又は著しく困難」
該当性
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
相続分の無償譲渡~遺留分算定の基礎となる「贈与」に当たると判断~
(平30-10-19 最高裁 破棄差戻し Z999-5399)
上告人及び被上告人の母A(亡Bの妻)は、生前、亡Bの遺産分割調停手続に
おいて、被上告人に相続分の無償譲渡(本件相続分譲渡)をしました。本件は、
上告人が、被上告人に対し、遺留分減殺を原因とする不動産の持分移転登記手続
等を求める事案ですが、本件相続分譲渡が、母Aの相続において、その価額を遺
留分算定の基礎となる財産額に算入すべき贈与(民法1044条、903条1項)
に当たるか否かが争われました。最高裁では、次のとおり判断し、原判決を破棄
し、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻しました。
共同相続人間で相続分の譲渡がされたときは、積極財産と消極財産とを包括し
た遺産全体に対する譲渡人の割合的な持分が譲受人に移転し、相続分の譲渡に伴
って個々の相続財産についての共有持分の移転も生ずるものと解される。
したがって、共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡は、譲渡に
係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相
続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き、譲渡をした者の相続において、
民法903条(特別受益者の相続分)1項に規定する「贈与」に当たる。
以上と異なる見解に基づき、本件相続分譲渡はその価額を遺留分算定の基礎と
なる財産額に算入すべき贈与に当たらないとして上告人の請求を棄却すべきもの
とした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-5399