2018年11月08日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決・判決の一部を紹介します。
【所得税】
・H30-04-19 大阪地裁 Z888-2201
必要経費該当性/LPガス等の燃料小売業者が同族会社へ支払った業務委託費
・H29-10-06 裁決 F0-1-877
収入すべき時期/馬主が受ける競走馬の賞金
【法人税】
・H30-03-13 東京地裁 Z888-2200
収益の帰属/管理組合か区分所有者か/マンション共用部分及び敷地を賃貸し
た収益
・H29-09-07 裁決 F0-2-782
タックスヘイブン対策税制/管理支配基準/香港の会社法による書面決議
・H29-09-12 裁決 F0-2-783
重加算税/交際費/代表取締役の個人的費消
【相続税】
・H29-10-02 裁決 F0-3-591
無申告加算税/「正当な理由」の有無/株式の贈与事実について係争中の場合
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
居住者該当性(生活の本拠)/非永住者期間の起算日
(平29-12-26 非公開裁決 棄却 F0-1-871)
本件は、原処分庁が、平成23年分ないし平成26年分の所得税等について、
請求人が所得税法上の居住者に該当することを前提に決定処分等を行ったのに対
し、請求人がその取消しを求めた事案です。審判所は次のように判断しました。
請求人は、年の約8割に相当する日数を日本国内で滞在していたこと、4年間
の任期で大学の学長職に就任し、その後任期を延長して離任するまでの間、継続
して学長職に在任していたこと、当初はA国大学の教授職を兼任していたが、半
年後には同大学を退職したこと、A国に住居を残したまま日本に入国したものの、
以後、日本国内に滞在中は、大学の宿舎に、取得したマンションにそれぞれ居住
していたこと、住民票上の住所は、宿舎及びマンションの所在地にそれぞれ登録
されていたことが認められる。以上によれば、請求人の生活の本拠は、日本国内
にあったと認めるのが相当であり、居住者に該当すると認められる。
請求人は、あらかじめ用意されていた宿舎に平成21年3月26日の入国と同
時に若しくはその直後に入居したと認められるから、請求人が国内に居所を有す
ることとなった日を入国の日とし、その翌日を起算日として請求人の所得税法上
の非永住者に該当する期間を計算するのが相当である。そうすると、請求人は、
各年分のうち、平成26年3月26日までの期間については非永住者に該当する
が、同月27日以降については、非永住者以外の居住者に該当すると認められる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-871