2018年10月25日
【1】今週のお知らせ
(1)裁決事例集110集の収録を完了しました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、平成30年1月から3月分の裁
決事例集110集の収録を完了しました。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集110集 ………→15件
この中から消費税の事例を紹介します。
【消費税】
・J110-5-14 H30-02-23公表裁決 棄却
納税義務の免除(免税事業者)
(2)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
【所得税】
・H30-08-29 最高裁 不受理・確定 Z888-2199
上告不受理/馬券払戻金の所得区分と外れ馬券の必要経費性
【法人税】
・S63-09-21 裁決 全部取消し F0-2-781
更正の請求/黒字決算とするため自己加算した貸倒損失
【相続税】
・H29-12-19 裁決 棄却 F0-3-590
無申告加算税/納税義務の成立・正当な理由の有無/権利の帰属につき係争中
の場合 (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
源泉所得税の納税告知処分~法定納期限経過後における錯誤無効の主張~
(平30-9-25 最高裁 上告棄却・確定 Z888-2197)
本件は、青果荷受組合の元理事長に対する債務免除に係る経済的利益の賞与該
当性が争われていた事件の2度目の最高裁判決です。本最高裁では、上告人(青
果荷受組合)は、納税告知処分の適法性を争い、債務免除益が納税告知処分の対
象になるのであれば、前提条件に錯誤があり、要素の錯誤であるから、本件債務
免除は無効である旨主張しました。最高裁は、次のとおり判断し、原審〔差戻後
控訴審(広島高裁 H29-02-08・Z888-2087)〕の判断は結論
において是認し、論旨は、結局、採用することができないとして、上告人の請求
を棄却しました。なお、山崎敏充裁判長裁判官の補足意見があります。
上告人が法定納期限の経過後に本件債務免除の錯誤無効を主張することは許さ
れないとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるものといわざ
るを得ない。しかしながら、上告人は、本件債務免除が錯誤により無効である旨
の主張をするものの、納税告知処分が行われた時点までに、債務免除により生じ
た経済的成果がその無効であることに基因して失われた旨の主張をしておらず、
したがって、上告人の主張をもってしては、源泉所得税の納税告知処分のうち4
億8573万4304円の源泉所得税の額を超えない部分及び不納付加算税の賦
課決定処分のうち同部分に係る部分が違法であるということはできない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2197