2018年10月11日
【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録中です。
国税不服審判所のホームページに掲載された公表裁決事例の収録作業を行って
おります。相続税の事例の一部を紹介いたします。
【相続税】
・J110-1-02 H30-01-29公表裁決 一部取消し
無申告加算税 更正又は決定の予知
・J110-1-05 H30-02-06公表裁決 一部取消し
重加算税 隠ぺい、仮装の認定 認めなかった事例
収録済の公表裁決は下記キーワードで検索できます。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集110集
(2)収録した裁決の一部を紹介いたします。
・H27-09-17 裁決 却下 F0-5-201
延滞税の取消しを求める旨の審査請求/国税に関する法律に基づく処分
・H29-05-22 裁決 棄却 F0-5-202
役務の提供に係る内外判定/工事の請負か仲介か
・H29-05-22 裁決 棄却 F0-5-203
仕入税額控除/帳簿不提示/再調査時の領収書等提示
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:小菅 貴子)
みなし配当の源泉徴収義務/事業の全部の譲受けによる自己株式の取得
(平29-08-02 非公開裁決 棄却 F0-1-821)
本件は、請求人が自己の株式の取得に際し株主(前代表者)に交付した金銭に
ついて、原処分庁が、その一部が所得税法25条《配当等とみなす金額》1項に
規定する配当等とみなす金額に当たるとして、源泉徴収に係る所得税等の納税告
知処分等を行ったのに対し、請求人が、当該自己の株式の取得は同項5号括弧書
きに規定する配当等とみなす金額が生じない所得税法施行令61条1項4号に規
定する事業の全部の譲受けによる取得に該当するとして、その全部の取消しを求
めた事案です。審判所は次のとおり判断して、請求人の請求を棄却しました。
請求人が、本件自己株式のほかに前代表者から本件各不動産以外の資産を譲り
受けた事実は認められず、また、本件各不動産の貸付けに関する得意先関係等の
経済的価値のある事実関係を譲り受けた事実も認められない。そうすると、請求
人は、前代表者から本件自己株式及び本件各不動産を取得したが、これらに加え
て経済的価値のある事実関係を譲り受けた事実は認められないから、請求人は、
事業を前代表者から譲り受けたとは認められない。
請求人は、本件自己株式及び本件各不動産を前代表者から譲り受け、更に前代
表者は請求人の取締役を辞任しており、事業の全部の譲受けが行われた旨主張す
るが、結局のところ、請求人は、前代表者が請求人の経営から退くとともに、本
件自己株式及び本件各不動産を前代表者から取得した旨主張しているにすぎず、
請求人の主張には理由がない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-821