2018年08月16日
【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・H27-08-27 裁決 棄却 F0-1-807
重加算税と偽りその他不正の行為/底引網漁業における売上除外
・H27-10-28 裁決 棄却 F0-1-809
所得区分/麻酔科医が病院から得た報酬は給与所得
【法人税】
・H27-08-04 裁決 棄却 F0-2-751
債務免除益の収益計上時期/元理事長に対し負っていた求償債務
・H27-10-15 裁決 棄却 F0-2-757
修繕費か資本的支出か/立体駐車場の循環装置駆動部に係る部品の取替工事費
用
【相続税】
・H29-08-02 裁決 棄却 F0-3-571
調査の範囲/配偶者名義預金の帰属/重加算税「隠ぺい」の有無
・H29-08-04 裁決 棄却 F0-3-572
土地の評価/「広大地」該当性・建築制限等を受ける準承役地
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
退職者を被保険者とするがん保険等の保険料/返戻金受領に係る隠蔽仮装行為
(平29-12-12 非公開裁決 一部取消し F0-2-760)
本件は、原処分庁が、請求人が損金の額に算入した支払保険料のうち、退職し
た従業員を被保険者とするがん保険契約等に係る支払保険料については、請求人
の業務との関連性が認められないことから損金の額に算入できないとし、また、
がん保険契約に係る解約返戻金等を雑収入に計上せず、短期借入金とした経理処
理は、隠蔽又は仮装の事実があるとして法人税等の更正処分等をした事案です。
審判所は、保険料については下記のように判断し、納税者の請求を認めました
が、解約返戻金の経理処理については、隠蔽仮装行為があったと判断しました。
本件各がん保険契約は、請求人と生命保険会社との間で、請求人の従業員の福
利厚生を目的として治療費補助等制度に基づく見舞金等又は弔慰金の原資とする
ために締結したものである。そして、請求人は、本件各事業年度の途中にはがん
規程を改訂し、従業員との間でがん規程並びに「入社された方へ」及び「退社さ
れた方へ」と題する各書面により、従業員が請求人を退職した後も5年間は、退
職者ががんに罹患又はがんにより死亡した場合に、受取保険金を原資として退職
者に見舞金等又は弔慰金を支払うことを約したものである。
各がん保険契約等に係る退職者支払保険料は、請求人の業務との関連性を有し、
業務の遂行上必要と認められることから、損金の額に算入することができる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-760