2018年07月26日
【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(平成30年夏号)を掲載いたしました。下記の会員専用ペ
ージから閲覧できます。 (事業部長:蓮間 好一)
https://gw.tains.org/doclibrary/docs?title_id=1&state=CATEGORY&cat=101
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介いたします。
【所得税】
・H29-11-15 千葉地裁 棄却・確定 Z888-2186
国家賠償請求/税務調査に際し事前通知をしなかったことの違法性
・H29-06-14 裁決 棄却 F0-1-814
上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
【法人税】
・H29-09-13 東京高裁 棄却・確定 Z888-2172
更正の請求/仮処分命令により職務執行停止となっていた取締役に対する役員
給与
【相続税】
・H29-10-19 名古屋地裁 棄却・確定 Z888-2182
みなし贈与/原告夫婦がジョイント・テナンツとして登記された米国所在の不
動産 (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
「資産の譲渡」に該当せず/スワップ取引による金地金の移転/高裁で逆転判決
(平29-12-14 名古屋高裁 原判決取消し・確定 Z888-2184)
控訴人(納税者)は、貴金属製造販売会社(A社)との間で、金の購入保管に
係る契約を締結すると同時に、所有する金地金を初回のスワップ取引により同社
が製錬した金地金と交換し、交換した金地金について保管取引を行いました。
本件は、四日市税務署長から、上記取引が所得税法33条1項に規定する資産
の譲渡に該当し、譲渡所得が生じているとして、更正処分等を受けた事案です。
名古屋高裁は、原判決を取消し、控訴人の請求を認容しました。
本件約款によれば、A社が取引に応じるのは、顧客の金地金がLBMAブラン
ドで純度99.99%以上の純金であると判定された場合であり、A社が顧客か
らの求めに応じて引き渡す金地金は、顧客が寄託した交換後の金地金そのもので
はなく、同質かつ同重量の金地金であることが認められる。そうすると、取引を
行う顧客からみれば、一定の重量の金地金をA社に預けて保管し、将来これと同
質かつ同重量の金地金の返還を受けるというのと同じであるから、本件取引を行
う顧客の目的は、特定の金地金をA社に預けて保管してもらうというのと等しい
ものである。したがって、本件取引は交換と寄託からなる混合契約の形をとって
いるものの、スワップ取引部分に係る交換は、寄託をするための単なる準備行為
にすぎず、実質的には寄託(混蔵寄託)契約であると認められるから、控訴人が、
スワップ取引により金地金を交換したことは「資産の譲渡」に該当しない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2184