2018年06月28日
【1】今週のお知らせ
税賠事故例12件を収録しました。
「税理士界平成30年6月15日号」から、税理士職業賠償責任保険の事故例
12件を収録しました。一部を紹介いたします。
☆保険金が支払われた事例
・消費税課税事業者選択届出書の適用年度誤りにより過大納付税額が発生した
事例
・簡易課税制度選択不適用届出書の提出を失念し過大納付税額が発生した事例
・所得拡大促進税制の税額控除の適用を失念した事例
・青色申告の承認申請書の提出を失念した事例
・エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却または法人税
額の特別控除の適用を失念した事例
★保険金が支払われなかった事例
・上場株式等に係る譲渡損失と上場株式等に係る配当所得等との損益通算を失
念した結果過大納付所得税等が発生した事例
・関与先従業員が不正出金していたことについて、顧問税理士が不正を発見で
きなかったことが税理士の責任であるとして争われた事例
≪検索方法≫【キーワード】 税賠事故例 ☆2018年06月収録分…12件
(税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
譲渡所得の取得費/宅建業法49条の帳簿(土地台帳)に記載された金額
(平29-12-13 公表裁決 一部取消し J109-2-02)
本件は、審査請求人が、相続により取得した土地の分離長期譲渡所得の金額の
計算上、概算取得費(収入金額の5%相当額)を土地の取得費として計算し、平
成25年分の所得税等の確定申告をした後、所有権移転登記の受付があった年の
地価公示価格を基に推計した金額を取得費として更正の請求をした事案です。
土地取得時の売買契約書等の書類が見当たらず、所有権移転登記も実際の取得
があってから10年経過後に行われていました。
国税不服審判所は、審判所の調査により把握された、本件土地の売主であるF
社が作成した「土地台帳」に記載された金額を土地の取得費と認めています。
本件土地台帳は、宅地建物取引業法により帳簿の備付け義務があるF社が、通
常業務の過程で作成したものであり、書面の性質上、取引内容が正確に記載され
ている蓋然性が高い。したがって、本件土地台帳は、その記載どおりの事実があ
ったことが推認でき、当該推認を妨げる事情が認められない限り、その記載どお
りの事実を認めるのが相当である。
本件土地の概算取得費は、上記の土地の取得費の金額に満たないことから、本
件土地に係る概算取得費を取得費と認めることは、納税者の利益に反することと
なり相当でない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 J109-2-02