TAINSメールニュース No.361 2018.6.7 発行(社)日税連税法データベース

2018年06月07日

【1】今週のお知らせ
(1)先週(5月28日~6月1日)収録した裁決を紹介します。
 
 【法人税】
 ・H25-07-01 裁決 棄却 F0-2-737
  収益計上漏れ/重機等の売却に伴い仲介業者を介して行われた裏金作り
 ・H24-08-01 裁決 棄却 F0-2-740
  独立企業間価格の算定の適否/国外関連者に対し行った生産管理、技術的指導
  の対価
 ・H24-08-01 裁決 棄却 F0-2-741
  理由不備と収益計上時期/国外関連者に対し行った生産管理、技術的指導の対
  価
 
 【相続税】
 ・H25-05-08 裁決 棄却 F0-3-554
  贈与税の配偶者控除/対象財産となる「居住用不動産」該当性
 
(2)税務訴訟資料第266号を収録中
  税務大学校のホームページに公表された税務訴訟資料第266号を引き続き編
 集・収録作業中です。
  収録済のものは下記のキーワードで検索できます。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資266号
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  建物の取得価額/売買契約書に基づく算定方法の適否
 (平28-09-14 前橋地裁 棄却・控訴 Z266-12901)
 
  原告は、土地建物を購入し、建物の取得価額を土地と建物の各不動産取得税の
 概算税額の比によって算定し、減価償却費の額及び課税仕入れに係る支払対価の
 額を計算して、所得税及び消費税等について、確定申告及び修正申告をしました。
 本件は、税務署長が、建物の取得価額は売買契約書に記載された建物の売買代金
 に、土地建物の取得に際し支出した金額を契約書の土地建物の価額の比によって
 按分した額を算入した額によるべきとして更正処分等をした事案です。
 
  第1契約書は、売主・買主の署名、実印による押印があり、多数の利害関係人
 が同席する中で作成され、収入印紙も貼付されていること、土地建物の価額はA
 社が土地と建物を一括購入した場合に通常行っている算定方法と同じ固定資産税
 評価額比で按分計算する方法により決定されているから、同価額は、一定の合理
 的な理由をもって決定されていること、原告は、算定方法について事前にFAX
 送信された文書及び当日の丙からの説明により認識・了解し、売買代金等を訂正
 し、訂正印を押した上で、作成したことが認められる。第1契約書は、真正に成
 立した原告及びA社の合意を反映した正式な契約書であるというべきである。
  原告は、代金を3億9200万円(実際の支払額)と記載された第2契約書が
 真の契約書であると主張するが、契約書として不完全、不十分である。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z266-12901