2018年05月31日
【1】今週のお知らせ
(1)先週(5月21日~5月25日)収録した裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・H29-06-27 裁決 棄却 F0-2-733
中小連結法人の機械等の特別償却/指定事業の用/工事に係る収益計上時期
【相続税】
・H29-06-27 裁決 棄却 F0-3-551
取引相場の株式/相続開始前3年以内に取得した不動産(無償返還届出の有効
性)
【消費税】
・H29-04-12 裁決 棄却 F0-5-194
過少申告加算税の正当な理由/課税仕入れの時期/出来高払いの工事費
(2)税務訴訟資料第266号を収録中
現在、税務大学校ホームページに公表された税務訴訟資料第266号の収録作
業を行っています。
収録が済んでいるものについては、下記のキーワードで検索することができま
す。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資266号
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除/連年提出要件
(平30-03-08 東京高裁 棄却 Z888-2169)
平成25年分申告書を提出した控訴人は、平成24年分期限後申告書等を提出
するとともに、措置法41条の15第1項の特例(先物取引の差金等決済に係る
損失の繰越控除)が適用されるものとして、FX取引に関し平成23年中に生じ
た先物取引の繰越損失額を平成25年分の先物取引に係る雑所得の金額から控除
して更正の請求をしました。本件は、税務署長が、同条3項の「連続して確定申
告書を提出している場合」に当たらず、本件特例を適用することはできないとし
て更正をすべき理由がない旨の通知処分をした事案です。
本件特例の適用を受けるためには、本件特例の適用を受ける年分の確定申告書
を提出するまでに、確定申告書の連年提出を含め、本件特例の手続的要件を充足
し、当該年分の先物取引に係る雑所得等の金額から控除されるべき、その年の前
年以前3年内の各年において生じた先物取引の差金等決済に係る損失の金額が確
定している必要があると解するのが相当である。
これを本件についてみると、控訴人が平成26年3月10日に本件特例の適用
を受けようとする平成25年分確定申告書を提出した時点において、平成23年
分確定申告書は提出されていたものの、平成24年分の確定申告書は提出されて
いなかったのであるから、「その後において連続して確定申告書を提出している
場合」には該当しない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2169