2018年04月12日
【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決(裁決事例集No.108)の法人税の事例を収録しました。
【法人税】
・H29-08-21 公表裁決 棄却・一取・全取 J108-3-07
(土地等の販売又は譲渡に係る収益/宅地等/その他)
・H29-07-14 公表裁決 棄却 J108-3-08
(役員退職給与/支給事実/退職の事実の有無)
・H29-09-26 公表裁決 一取・全取 J108-3-09
(移転価格税制/米ドルの各貸付けに係る利息額の独立企業間価格の算定)
(2)平成29年7月から9月までの公表裁決12事例の収録が完了しました。
≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集108集 ………12件
(3)法人税の判決を収録しました。
・H29-12-06 東京地裁 全部取消し(控訴) Z888-2162
(受取配当益金不算入/資本剰余金と利益剰余金を原資とする剰余金の配当)
・H29-01-24 東京高裁 棄却 Z888-2164
(米国LPSの法人該当性と申告是認通知書/過少申告加算税
/通則法65条4項所定の正当な理由)
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
徴収事件~滞納処分の停止の「取消事由」該当性~
(平29-07-25 公表裁決 棄却 J108-5-12)
税務署長等は、滞納者に滞納処分の執行等をすることができる財産がないとき
(徴収法153条1項1号)、その生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき(
同法153条1項2号)などの事実が認められるときは、滞納処分の執行を停止
し、その停止後3年以内に、その事実がないと認めるときは、執行の停止を取り
消します(同法154条1項)。この事案は、滞納処分の停止取消処分について、
請求人に滞納処分の停止の取消事由が認められるか否かが争われたものです。
審判所では、下記の滞納処分の停止の取消事由が認められると判断しました。
請求人は、停止取消処分時において供託金払渡請求権(係属中の配当異議の訴
えに係る未払賃金に基づく請求人の配当額に相当する供託金)を有していたと認
められ、その払渡請求権は差押えの対象となる将来生ずべき債権であると認めら
れる以上、請求人に徴収法153条1項1号に該当する事実はない。
また、請求人は、妻の扶養親族であるが、自らも就労して収入を得ており、請
求人の属する世帯は、それなりの収入がある一方、定期的に多額の支出があると
は認められず、生活が窮迫しているとは認められないことを考慮すると、払渡請
求権に対して滞納処分を執行したとしても、生活保護法の適用を受けなければ生
活を維持できない程度の状態に直ちに陥ることはないと認められ、請求人に徴収
法153条1項2号に該当する事実もない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 J108-5-12