TAINSメールニュース No.351 2018.3.22 発行(社)日税連税法データベース

2018年03月22日

【1】今週のお知らせ
  平成29年の各税理士会の相談事例を収録しました。
 
 【キーワード】税理士会提供相談事例 平成29年
 【税区分】  法人税
 
 ・南九州税理士会会員税務相談室事例0011 法人税 時価が下落している販
  売用不動産の評価について
          【南九州税理士会報 平成29年3月1日第461号掲載】
 
 ・東京税理士会会員相談室0078 国際税務 中国(上海)出向者に対する日
  本と中国の税務   【東京税理士界 平成29年4月1日第723号掲載】
 
 ・東京税理士会会員相談室0079 国際税務 中国(上海)から支払われる技
  術使用料に対する日本と中国の税務
            【東京税理士界 平成29年4月1日第723号掲載】
 
 ・東京税理士会会員相談室0084 法人税 事前確定届出給与の届出支給額と
  実際支給額が異なる場合
            【東京税理士界 平成29年7月1日第726号掲載】
 
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  取締役が行った行為による損害賠償請求権の収益計上時期~同時両建説
 (平29-05-09 非公開裁決 棄却 F0-2-719)
 
  本件は、請求人の取締役が虚偽の書類を作成して架空の委託加工費を計上し請
 求人から不法に金員を取得した行為について、原処分庁が、その行為による損害
 賠償請求権の収益計上時期はそれぞれ損失が発生した各事業年度に帰属させるべ
 きであるなどとして、法人税等の各更正処分並びに消費税等の各更正処分及び重
 加算税の各賦課決定処分をしたのに対し、請求人が、収益は全て損失が発生した
 事実を請求人の代表者が把握した事業年度に帰属させるべきであるとして各処分
 の全部又は一部の取消しを求めた事案です。
  審判所は、次のように判断し、請求人の主張を棄却しました。
 
  法人税法第22条第2項及び第4項の規定からすると、収益は、その実現があ
 った時、すなわち、その収入すべき権利が確定した時の属する事業年度の益金に
 計上すべきものと解される。そして、不法行為による損害賠償請求権については、
 通常、損失が発生した時には同額の損害賠償請求権が発生、確定しているから、
 これらを同時に損金と益金とに計上するのが原則であると考えられる。
  本件取締役が行った行為は、通常人を基準にして、請求人の代表者が本件損害
 賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるよう
 な客観的状況にあったとはいえないのであり、本件損害賠償請求権に係る収益は、
 それぞれ損失が発生した各事業年度に帰属させるべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-719