TAINSメールニュース No.344 2018.2.1 発行(社)日税連税法データベース

2018年02月01日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
  研修サイトを更新し、新たに3テーマを追加しました。ログイン後、「TAI
 NS研修」のアイコンをクリックするとサイトに移動し、オンデマンド研修を受
 講できます。また、この研修は税理士会が実施する研修となり、視聴後に受講管
 理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間を登録することができます。
                        (事業部長:蓮間 好一)
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(2)タックスヘイブン対策税制に関する判決・裁決3件を収録
 ・ 平成29年3月3日非公開裁決 タックスヘイブン対策税制/適用除外要件
    ①請求人が株式を有する外国法人は特定外国子会社等に該当し、その主た
     る事業は株式の保有であると認められる
    ②請求人は5000万円を超える外国法人の株式を有していたから国外財
     産調書を提出しなければならない
 ・ タックスヘイブン対策税制/香港子会社の適用除外要件該当性
   平成28年9月28日東京地裁判決
   平成29年10月26日東京高裁判決
    処分行政庁から、いずれも外国子会社であり香港を本店所在地とするB社
    及びC社はいずれも措置法66条の6第1項に規定する「特定外国子会社
    等」に該当し、かつB社等の主たる事業は製造業であるところ、同事業を
    本店の所在する国又は地域において行っていないとして、B社等の課税対
    象留保金額に相当する金額は、控訴人の益金の額に算入すべきであるなど
    判示                        (朝倉 洋子)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
 上場株式等に係る配当所得の申告分離課税の特例/一部総合課税を適用した場合
 (平29-12-06 東京地裁 棄却 Z888-2148)
 
  本件は、原告が、外国払配当金に係る配当所得を総所得金額に含めるとともに、
 国内払配当金に係る配当所得につき申告分離課税の特例(措法8の4)を適用し
 て申告したところ、本件特例を適用することはできないから、国内払配当金を総
 合課税の配当所得に加算すべきであるとして更正処分を受けた事案です。
 
  措置法8条の4第2項は、上場株式等に係る配当所得について総合課税の適用
 を受けた場合には、同一年中に支払を受けるべき他の上場株式等に係る配当所得
 については、本件特例を適用しない旨を定めている。
  その制度上、上場株式等に係る配当所得のうち、一部については上場株式等に
 係る譲渡損失との損益通算をしつつ、他の部分について配当控除の適用を受ける
 といったことは相当でないというべきであり、同項の趣旨には、損益通算をする
 場合にはその年中に受ける全ての上場株式等に係る配当所得についてしなければ
 ならないこととし、その一部でも総合課税の適用を受けた場合には、当該年中の
 上場株式等に係る配当所得全体について総合課税の適用を受けることとして、上
 記のような事態が生ずることを回避するということがあると解される。
  そうすると、現に総合課税の適用を受けたものがある以上は、措置法8条の4
 第2項に該当し、申告分離課税の特例の適用はないというべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2148