【1】今週のお知らせ
  国外関連者への貸付金に係る利率〔行政文書の紹介〕
            (TAINSコード:調査に生かす判決情報068)
 
  今回、紹介する行政文書は、近年、国際税務で重要なテーマの一つである移転
 価格課税の訴訟を取り上げた「調査に生かす判決情報068」(平成28年12
 月東京国税局課税第一部国税訟務官室)です。
  平成10年3月期から平成12年3月期までの国外関連者との金銭貸借取引に
 ついて、移転価格税制を適用して行った更正処分の適法性が争われた事件を解説
 しています。納税者は国外関連者に対して年2.5%~3.0%としてタイバー
 ツ建ての貸付を行っていましたが、課税庁は独立価格比準法に準ずる方法と同等
 の方法を用いて行った独立企業間価格を算定し、年10.5%~19.2%の利
 率で納税者の所得金額を算定しました。裁判所は、課税庁の主張する金利は市場
 金利に基づき算出されており、高い合理性が認められるとして、納税者の更正処
 分取消請求を棄却しました。現在は、「移転価格事務運営要領」(平成13年6
 月)に国外関連者との金銭貸借取引についての定めがありますが、定めのない時
 点において、経済的合理性の有無がポイントとなったことが分かります。
  解説は課税庁の立場で説明されていますが、税理士としても大変参考になりま
 す。今回の文書では、「訴訟となった場合には、通達及び事務運営指針に従い検
 討し、更正処分を行っていたとしても、比較対象取引との比較可能性の有無や融
 資形態としての合理性等について、具体的な証拠に基づき立証をすることが必要
 となるため、調査時においては、その点を念頭において証拠の収集に努める必要
 がある。」という点が、調査を受ける側の立場としても参考となりました。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 調査に生かす判決情報068
                       (要点メンバー:筏井 陽子)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  カード会員に付与したポイントの未使用分の損金算入時期
 (令01-10-24 東京地裁 棄却・確定 Z888-2302)
 
  アニメのキャラクター商品等の販売を行う原告A社は、顧客(カード会員)が
 A社の店舗で商品等を購入する際に付与したポイントの事業年度末における未使
 用分に相当する金額(ポイント未払計上額)を損金の額に算入して申告したとこ
 ろ、豊島税務署長から、ポイント未払計上額につき、事業年度末において債務が
 確定しているとは認められないとして更正処分を受けました。裁判所は、次のよ
 うに判示して、処分の取消しを求めるA社の請求を棄却しました。
 
  カード会員の初回購入時に付与されたポイントは、期間内に失効して使用され
 なくなる可能性もある上、期間内に使用されるとしても、いつ、どのような内容
 を選択するかによって、費用の発生する時期や金額が異なってくるものといえる。
  そうすると、カード会員の初回購入時にポイントが付与された時点では、仮に
 その時点でA社の主張する債務(次回購入時における代金充当又は景品交換をす
 べき債務)が成立しているとしても、次回購入時における代金充当の選択又は景
 品交換の選択がされない限り、その債務に基づいて給付をすべき具体的内容が明
 らかにならないため、これに伴う費用が発生したとはいえず、その費用の金額を
 合理的に算定することができるともいえない。したがって、債務確定要件(法基
 通2-2-12)を充足していると認めることはできず、ポイント未払計上額を
 損金の額に算入することはできないというべきである。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2302

当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、社団職員について下記の通り勤務時間の変更及び交代での在宅勤務を実施することとしました。
これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができないことが予測されます。
お問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで時間を要する場合があることをご了承ください。
会員の皆様には大変ご不便をおかけしますが、ご理解をいただきますようよろしくお願いいたします。
勤務時間:午前10時~午後4時
期  間:2020年10月30日(金)まで
なお、実施期間については、状況により延長を検討します。

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
 2020年10月16日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変
 更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  破産会社の更正の請求~前期損益修正によることが公正処理基準に合致~
 (令02-07-02 最高裁 原判決破棄 Z888-2307)
 
  消費者金融業等を目的としていた株式会社クラヴィスは、平成7年度から同1
 7年度まで(同11年度を除く。)の本件各事業年度において、支払を受けた制
 限超過利息等を益金の額に算入して法人税の確定申告をしていました。破産管財
 人である被上告人は、不当利得返還請求権に係る破産債権が、同27年に確定し
 たことにより、本件各事業年度の益金の額を減額して国税通則法(平成23年改
 正前)23条の後発的事由等に基づく更正の請求をしました。
  原審(Z268-13199)は、各要件を満たすとして、被上告人の主張を
 認容しましたが、最高裁判所は、次のとおり判断して、原判決を破棄しました。
 
  法人税の課税においては、事業年度ごとに収益等の額を計算することが原則で
 あるといえるから、貸金業を営む法人が受領し、申告時に収益計上された制限超
 過利息等につき、後に不当利得として返還すべきことが確定した場合においても、
 これに伴う事由に基づく会計処理としては、当該事由の生じた日の属する事業年
 度の損失とする処理、すなわち前期損益修正によることが公正処理基準に合致す
 るというべきである。
  上記の場合において、当該制限超過利息等の受領の日が属する事業年度の益金
 の額を減額する計算をすることは、公正処理基準に従ったものということはでき
 ないと解するのが相当である。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2307

【1】今週のお知らせ
(1)<AIセミナー、明日開催です!>
先日お知らせしたAIセミナーの開催が、明日10月9日(金)となりました。
詳しくはTAINSログイン後の「TAINSからのお知らせ」をご覧くださ
い。

(2)会員各位
平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
2020年10月16日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変
更及び交代での在宅勤務を実施しております。

これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
性がございます。
問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
時間を要する場合があることをご了承ください。
なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。

会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
役員退職給与額のうちに「不相当に高額な部分の金額」があるか否か
(令02-02-19 東京地裁 棄却 控訴 Z888-2306)

肉用牛の飼育、販売等を営む原告は、租税特別措置法67条の3第1項2号に
定める農業協同組合等に委託して行う肉用牛の売却に係る所得の課税の特例を適
用し、また、原告を退職した元代表取締役乙への退職給与の支給額を損金の額に
算入して申告をしたところ、肉用牛の売却取引の中には、特例適用が認められな
いにもかかわらず、委託販売取引であるように装われたものがあり、当該取引は、
法人税法127条1項3号及び国税通則法68条1項の「仮装」に、かつ、国税
通則法70条5項(現4項)の「偽りその他不正の行為」に該当し、また、乙の
役員退職給与の額には法人税法34条2項の「不相当に高額な部分の金額」があ
るとして、青色申告の承認取消しを始めとする各処分を受けた事案です。
原告は、各取引に本件特例の適用がないことは争わないが、「仮装」の事実は
ないなどと主張しましたが、裁判所は、原告の行為は「仮装」「偽りその他不正
の行為」に該当すると判示し、役員退職給与額の「不相当に高額な部分の金額」
の有無についても、次のように判断して、原告の主張を退けました。

被告が採用した原告の同業類似法人の抽出基準はいずれも合理的で、平均功績
倍率1.06であることが認められ、乙の最終月額報酬額は110万円、役員と
しての勤続年数は34年であり、平均功績倍率を乗じると3964万4000円
となる。本件役員退職給与の額である2億9920万円のうち、上記3964万
4000円を超える2億5955万6000円については、「不相当に高額な部
分の金額」に該当すると認められる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2306

【1】今週のお知らせ
(1)<AIセミナー開催迫る!>
先日お知らせしたAIセミナーの開催が10月9日(金)に迫っています。
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(2)会員各位
平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

2020年10月2日(金)までを予定しておりました当社団職員の新型コロ
ナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保の対策ですが、現状を鑑み、202
0年10月16日(金)まで延長させていただくこととなりました。
引き続き、営業時間を10時から16時までに変更及び交代での在宅勤務を実
施いたします。

これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
性がございます。
問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
時間を要する場合があることをご了承ください。
なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。

会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。

(3)名古屋税理士会と中国税理士会から提供いただいた情報を収録しました。
税区分【その他】、情報区分【その他文書】、検索ワードは、次のとおりです。
名古屋税理士会 税務研究 ☆2020年09月収録分 →1件
中国税理士会 研究論文集 ☆2020年09月収録分 →1件
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
障害者控除/過去に遡及して障害基礎年金の支給決定を受けた場合
(平31-03-19 非公開裁決 棄却 F0-1-1042)
本件は、請求人の配偶者乙が平成28年中に平成17年1月まで遡及して障害
基礎年金の支給決定を受けたことから、請求人が平成25年分及び平成26年分
(本件各年分)の所得税等について障害者控除の適用があるとして更正の請求を
したところ、原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分をした事案です。
審判所は次のとおり判断して、請求人の請求を棄却しました。

所得税法施行令10条(障害者及び特別障害者の範囲)1項2号は、精神保健
福祉法45条2項に規定する精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者を所
得税法2条1項28号に規定する障害者に該当する者として掲げているところ、
配偶者乙は、平成27年8月5日付で本件福祉手帳の交付を受けていることか
ら、本件各年分において、配偶者乙が精神障害者保健福祉手帳の交付を受けてい
た事実は認められない。そして、配偶者乙が本件福祉手帳において、その障害等
級が〇〇とされていることからすると、平成27年の前年又は前々年である本件
各年分において、配偶者乙が、さらに重度の精神障害の状態である同施行令10
条1項1号等に規定する「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況に
ある者」であったとは認められない。以上によれば、配偶者乙は、障害者控除の
対象となる障害者に該当しない。所得税法は、同施行令10条1項各号に掲げる
者を障害者控除の対象となる障害者として規定しているから、障害基礎年金の支
給決定が過去に遡ってされたとしても、このことは当該判断を左右しない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-1042

【1】今週のお知らせ
(1)<AIセミナー開催迫る!>
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(2)勘定科目内訳明細書のチェックポイント 〔行政文書の紹介〕
(TAINSコード:法人消費事例東京局300900)

法人税の勘定科目内訳明細書は、適正に作成しようとすると思った以上に手間
がかかることがあります。どこに気をつけて作成すればよいのだろうかと、考え
たことはないでしょうか。
今回ご紹介する行政文書は、「事例集 法人税及び消費税等の処理における誤
り易い事例とそのチェックポイント 平成30年9月」の中の、「第2章 勘定
科目内訳明細書等のチェックポイント」です。勘定科目ごとの表形式になってお
り、関連する別表や申告書の該当箇所の記載もあります。
例えば、「売掛金・未収金」科目では、「貸倒引当金の繰入限度額の計算を法
定繰入率で行っている場合、買掛金あるいは未払金の内訳書と比較し、『実質的
に債権とみられないものの額』がないか。」、「役員給与」科目では、「損金の
額に算入されない役員給与がある場合、別表四の加算があるか。」「事前確定届
出給与がある場合、届出額と一致しているか。」等が留意事項として記載されて
います。勘定科目内訳明細書を作成する際のポイントを抑えるほか、作成後のチ
ェックリストとして使うのもよいと思います。
事例集の第5章では、法人税の申告書の別表ごとにチェックポイント等が図解
形式で収録されていますので、こちらも必見です。ぜひ一度行政文書を検索され
ることをお勧めします。
※こちらは旧様式に関する原稿です。平成31年4月1日以降終了事業年度分
の様式については、現在社団で開示請求中です。
≪検索方法≫ 【キーワード】 法人消費事例東京局300900
(本文は、別紙リンクからPDFで閲覧出来ます。)
(要点メンバー:木村 紀代)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
課税仕入れを行った日/建設仮勘定に計上した太陽光発電設備の設置工事
(平30-10-01 非公開裁決 棄却 F0-5-258)

請求人は、太陽光発電設備の設置工事を業者に発注しましたが、平成29年1
月期末(本件課税期間の末日)までに工事が完成しなかったため、工事代金を建
設仮勘定として経理し、これら工事に係る消費税額を控除対象仕入税額に含めて
消費税等の確定申告を行いました。本件は、原処分庁が、請求人は課税期間の末
日までに資産の引渡しを受けていないとして、消費税等の更正処分等を行ったこ
とに対し、請求人が本件課税期間の末日までに資産の譲受け又は役務の提供を受
けたものについては、控除することができると主張した事案です。審判所は、本
件工事に係る「課税仕入れを行った日」について次のように判断をしています。

物の引渡しを要する請負契約における「課税仕入れを行った日」とは、目的物
の部分引渡しに応じて請負代金が支払われるなどの特約又は慣習がない限り、そ
の目的物の全部が完成して相手方から引き渡された日をいうと解するのが相当で
ある。本件各工事は、物の引渡しを要する請負契約であるところ、請求人と各業
者との間で、本件各工事の代金について、出来高や各月均等で支払う旨の合意は
あったが、その引渡量に従い工事代金を支払っておらず、目的物の全部の完成引
渡しの前に請負代金の一部に係る権利が確定する旨の特約はなかったから、課税
仕入れを行った日は、原則のとおり、目的物の全部が完成して請求人に引き渡さ
れた日となる。
《検索方法》 【キーワード】 F0-5-258

【1】今週のお知らせ
<AIセミナー開催のお知らせ>
当社団では、下記のとおり、AI技術をテーマに全税理士が視聴可能なセミナ
ーのライブ配信を実施いたします。会員の皆様につきましても、ぜひご視聴いた
だきますようご案内いたします。
なお、当セミナーは研修受講時間に計上することができます。

日 時     令和2年10月9日(金)
午前10時30分から午後2時30分(うち1時間昼休憩)
開催形式    インターネットによるライブ配信
セミナーの構成
第一部 午前10時30分から正午まで
テーマ:「AIでできること,できないこと
~健全な社会導入に向けて~」
講 師:山田誠二氏
第二部 午後1時から午後2時30分まで
テーマ:「エンジニアの視点からみたAIの実践的活用法
~法律分野における活用事例から~」
講 師:舟木類佳氏
進行役:酒井啓司(当社団副会長)
視聴先URL  https://vimeo.com/454238952
後日配信有無  午後に開催する第二部については、後日TAINSログイン後
の研修サイト内で配信を予定しております。
受講登録    日税連研修受講管理システムから、研修中に表示される確認コ
ードを入力してご登録いただけます。
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
重加算税の賦課要件~関与税理士に伝えなかった預金の申告漏れ~
(令01-11-19 公表裁決 一部取消し J117-1-01)

預金の申告漏れは、それが過失によるものか、故意によるものかは判別が難し
いところです。この事案は、原処分庁が、相続人(請求人の亡母)が関与税理士
に伝えなかった預金については、相続人がこれを隠ぺいし、相続財産として申告
しなかったとして重加算税の賦課決定処分を行ったことから争われたものです。
審判所では、次のとおり判断し、国税通則法第68条第1項に規定する隠ぺい
又は仮装の行為があったとは認められないとして、重加算税を取り消しました。

相続人が本件預金の存在を関与税理士に伝えなかったことは認められるとして
も、必ずしも相続人が本件預金を相続財産であることを認識した上で、あえて関
与税理士に本件預金の存在を伝えなかったとまで認めることはできず、また、相
続人は、本件預金を他の金融機関や相続人名義以外の口座などに入金したのでは
なく、解約した本件預金の口座と同じ金融機関の相続人名義の口座に入金し、調
査日現在においても、当該口座を解約していなかったことからすると、相続人が
原処分庁をして本件預金の発見を困難ならしめるような意図や行動をしていると
は認められないことなどの事情から、相続人が、本件預金を故意に相続税申告の
対象から除外する意図があったものとは認め難い。
これらによれば、相続人が当初から相続財産を過少に申告する意図を有し、そ
の意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申
告をしたものと認めることはできない。
≪検索方法≫ 【キーワード】 J117-1-01

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
 2020年9月18日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変更
 及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  国家賠償請求/税務相談における回答の違法性/管理受託料の内の人件費
 (平30-07-26東京地裁 棄却・確定 Z268-13173)
 
  上越市が開設する病院の指定管理者である原告は、上越市との間で締結した病
 院管理に関する協定に基づいて支払われた管理委託料のうち、病院の人件費に相
 当する部分(協定変更後の部分は除く)も消費税等の課税標準に含まれるとして
 確定申告をしました。期中変更した協定では、委託費を診療交付金(人件費)と
 病院管理運営委託料に区分して支払うと定めました。原告は、上越市が地方自治
 法の解釈を誤り、人件費を交付金による支出としなかったことにより、本来不課
 税であった納付額が生じたこと、本件協定を取り消し、無効としたことにより、
 原告が人件費相当委託料に係る消費税等相当額を返還することとしていることな
 どを理由に更正の請求をしましたが、認められませんでした。
  原告が、高田税務署職員の税務相談に対する回答及び高田税務署長の減額更正
 をしない旨の通知処分などが、十分な調査を行うことなく、職務上の注意義務違
 反に当たるなどと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項による損害賠償を
 求めた事案です。裁判所は、次のとおり、原告の請求を棄却しました。
  税務相談における上越市職員の照会に対する高田税務署職員の回答は、新たな
 協定案における人件費相当部分が課税取引に該当するか否かに関する照会につい
 て、上越市が地方自治法232条の2「寄附又は補助金」として支出している場
 合には基本的には不課税取引となることや、交付要綱により交付金が充当される
 旨を明らかにすることにより不課税取引となる旨を回答しているのであって、そ
 の回答自体に誤りがあるとはいえない。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z268-13173

  「判決速報」や「調査に生かす判決情報」では、調査官目線の判決ポイントが
 読めます!
             (TAINSコード:調査に生かす判決情報086)
 
  TAINSで判決を検索した際、「判決速報」や「調査に生かす判決情報」に
 ヒットしたことはありませんか?これらは東京国税局が作成した文書で、現在、
 「判決速報」は約400件、「調査に生かす判決情報」は約90件が収録されて
 います。
  今回ご紹介する、調査に生かす判決情報086「判決情報の探し方・活用方法
 」(平成31年4月)には、これらの文書を中心に、判決情報の探し方やその活
 用方法などが紹介されています。
  「判決速報」は、国税訴務官室の職員が担当した東京局の訴訟事件について、
 判決内容の速やかな周知を主な目的として掲載されたものです。
  また、「調査に生かす判決情報」は、参考とすべき内容が多く含まれている判
 決を選び、事件の概要や主な争点、国側の立証活動のポイント、裁判所の判断な
 どを紹介し、まとめ部分で「国税訴務官室からのコメント」等として、訴務官室
 の職員がその事件を担当する上で得た見識等を調査に役立てる視点から解説した
 ものです。
  TAINSで検索できる例として、東京高裁平成30年9月27日判決(Z8
 88-2234、要点あり)は、「判決速報1476」と「調査に生かす判決情
 報083」に掲載されています。「調査に生かす判決情報083」では、納税者
 と国側でそれぞれ主張の根拠とした裁判例が紹介され、裁判例を参照する際の留
 意事項が記載されています。
  「判決速報」や「調査に生かす判決情報」が検索でヒットした場合、ぜひご確
 認下さい。
  《検索方法》 【キーワード】 調査に生かす判決情報086
  (本文は、別紙リンクからPDFで閲覧出来ます。)
                       (要点メンバー:兼平 浩美)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  税理士が提出した簡易課税制度選択届出書の有効性/税務代理の範囲
 (令01-11-01 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2304)
 
  弁理士業を営む原告は、平成26年、27年課税期間の消費税について本則課
 税により控除対象仕入税額を計算して申告したところ、立川税務署長から、平成
 9年に簡易課税制度選択届出書が提出されているとして更正処分を受けました。
  本件は、原告が、届出書は開業当初の関与税理士Aの無権代理行為によって提
 出されたものであるとして、更正処分の取消しを求めた事案です。東京地裁は、
 次のように判示して、原告の請求を棄却しました。(信義則等については省略)
 
  原告は、A税理士に対し、所得税に係る税務代理のみ委任した旨主張する。し
 かし、原告は、A税理士との間で、税務代理の内容を定める契約書を作成してい
 なかったが、個人事業者が、特段の事情のない限り、税目ごとに別々の税理士に
 対して税務代理を委任することはなく、自己の税務全般に係る税務代理を包括的
 に委任するものであるとの一般的な経験則があることにも照らすと、原告は、平
 成7年2月頃、A税理士に対し、自己の税務全般に係る税務代理を包括的に委任
 したものと認めるのが相当である。
  本件簡易課税制度選択届出書は、記載事項が全て記載されている適式なもので
 あり、A税理士が、所得税申告書等を提出する代理権を有していたことは、当事
 者の間に争いがないことにも照らすと、A税理士は、平成9年3月17日、原告
 から委任された原告の税務全般に係る税務代理権に基づき、有効に簡易課税制度
 選択届出書を提出したものと認められる。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2304

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
 2020年9月4日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変更及
 び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  株式譲渡契約~「警備業の認定」と「租税負担の有無」に関する錯誤無効
 (平30-12-06 大阪地裁 棄却・確定 Z268-13218)
 
  警備業を営む原告会社の代表取締役原告乙は、警察から反社会的勢力とみられ
 ていました。そこで、原告会社と原告乙は平成23年4月に株式譲渡契約(本件
 譲渡契約)を締結し、原告会社は原告乙を株主から除外するため原告乙から自己
 株式を取得し、原告乙は、その対価として原告会社からC社の株式を取得したと
 ころ、C社の株式の価額にはみなし配当とされる部分があるとして、原告会社は
 平成27年12月に源泉所得税の納税告知処分等を、原告乙は平成28年3月に
 所得税の更正処分等を受けました。そこで、原告会社及び原告乙は、本件譲渡契
 約は租税負担がないとの錯誤により行った取引で無効だなどと主張しましたが、
 大阪地方裁判所は、次のとおり判断して、原告らの請求を棄却しました。
 
  原告らは、原告乙が原告会社の株主から外れれば警備業の認定の取消しを回避
 することができるかどうかについても不確定であることを前提に本件譲渡契約を
 締結したといわざるを得ない。本件譲渡契約において租税負担がないとの動機が
 表示されて法律行為の内容となっていたと認めるに足りる証拠は見当たらないし、
 原告会社の警備業の認定が取り消される事態を回避する目的で本件譲渡契約を締
 結したというのであるから、原告らは、租税負担の有無にかかわらず、あえて本
 件譲渡契約を締結していたとも考えられる。本件譲渡契約が租税負担の有無に関
 する錯誤により無効であるということはできない。
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