2022年08月25日
【1】今週のお知らせ
(1)四国税理士会から提供いただいた「税務調査に関するアンケート」を収録し
ました。
「細かい条件を指定して検索」をクリックし、「TAINSキーワード」に
次のように入力します。税区分は、「その他」です。
四国税理士会 ☆2022年08月収録分 ‥‥ 1件
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【法人税】
・H03-05-14 裁決 一部取消し F0-2-957
損金の額/更正の理由附記と債券先物取引に係る損益の帰属時期
・H03-06-05 裁決 一部取消し F0-2-959
重加算税/実態のない法人を介在させた売上除外と仕入金額の過大計上
・H03-11-12 裁決 棄却・一部取消し F0-2-967
低額譲渡/相対取引によって譲受される場合の上場株式の取引価額
・R03-07-07 東京高裁 棄却・上告・上告受理申立て
Z888-2414
過少資本税制/国外支配株主等/措令39条の13に規定する事業方針決定関
係
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
更正の請求/商品先物取引に係る訴訟上の和解
(令04-02-25 東京地裁 棄却 Z888-2405)
本件は、原告が、商品先物取引について平成11年に2573万円余、平成1
2年に2億8787万円余の利益を得たとして課税処分を受けたのに対し、A証
券との間の訴訟上の和解の成立により、遡って委託契約が解除され、個別の取引
も効力を失ったとして、更正の請求をしたところ、更正をすべき理由がない旨の
通知処分を受けた事案です。
東京地裁は、訴訟上の和解の条項中に納税者の権利関係等を変更する旨の記載
がされていたとしても、それが、専ら租税負担を回避する目的で、実体とは異な
る内容を記載したものであって、その実質において客観的、合理的理由を欠き、
真実は権利関係等の変動がないような場合には、当該訴訟上の和解は、通則法2
3条2項1号の「判決と同一の効力を有する和解」には当たらないとした上で、
本件和解の内容とその法的効力等について、次のように判示しました。
和解条項において、本件先物取引が公序良俗に反して無効であり、その効果が
原告に帰属しないものであることを確認するとしている。しかし、別件の無効確
認訴訟の判決において、本件先物取引が公序良俗違反で無効ということまではで
きない旨が判示されている。また、本件和解は、原告が、課税処分による税の負
担を免れるために、原告に利益が帰属しないことになるという形式を作り出すこ
とを目的としてされたものというほかなく、それ以外に客観的、合理的理由はな
い。そうすると、本件和解は判決と同一の効力を有する和解には当たらない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2405
2022年08月18日
【1】今週のお知らせ
(1)次の税理士会から提供いただいた相談事例、その他文書を収録しました。
「細かい条件を指定して検索」をクリックし、「TAINSキーワード」に
次のように入力します。
千葉県税理士会 ☆2022年08月収録分 ‥‥24件
南九州税理士会 ☆2022年08月収録分 ‥‥12件
名古屋税理士会 ☆2022年08月収録分 ‥‥ 1件
なお、東京税理士会の相談事例は、毎月ご提供いただいています。
(2)収録した裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R02-01-07 裁決 棄却 F0-1-1249
更正の請求の可否/前納した社会保険料等の特例
・R02-01-16 裁決 却下 F0-1-1253
不服審査/処分の不存在/無申告加算税の賦課決定処分
・R02-02-17 裁決 却下 F0-1-1256
異議申立期間の徒過/処分に係る通知を受けた日
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
不動産取得税~複数の不動産に係る共有物の分割により取得した場合の課非
(令04-03-22 最高裁 棄却 確定 Z999-8444)
地方税法73条の7第2号の3は、共有物の分割による不動産の取得について、
同法73条の2第1項にいう「不動産の取得」に該当し、その例外として、持分
超過部分の取得を除いては非課税とする旨を定めたものと解されています。
上告人は、複数の不動産について各持分10分の1を有していましたが、共有
物の分割により本件各土地の各持分10分の9を取得しました。この各取得に対
する不動産取得税の賦課決定処分について、上告人が、被上告人(東京都)を相
手に取消しを求めて争いました。最高裁は次のとおり判示し、確定しています。
不動産取得税に関する地方税法の規定の内容等に照らせば、同税は、個々の不
動産の取得ごとに課されるものである。そうすると、共有物の分割による不動産
の取得に係る持分超過部分の有無及び額については、複数の不動産を一括して分
割の対象とする場合であっても、その対象とされた個々の不動産ごとに判断すべ
きものと解するのが、不動産取得税の課税の仕組みと整合的である。
したがって、複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不
動産を取得した場合における持分超過部分の有無及び額については、分割の対象
とされた個々の不動産ごとに、分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所
有することとなった不動産の価格とを比較して判断すべきものである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z999-8444
2022年08月04日
【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは8月18日に配信します。
次週8月11日は休日のため、メールニュース584号は8月18日に配信し
ます。
(税法データベース事務局)
(2)TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、右上部の「研修サイト」をクリックするとサイトに移動し、オン
デマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する研修となり、
視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間を登録するこ
とができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分以内となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。
記
節税目的で取得した不動産に総則6項を適用
~適用が認められる「特別の事情」とは~
講 師:税理士 額田朋子
(事業部長:上田 健一)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
関連会社から派遣された従業員が行った仮装行為~納税者本人行為と同視~
(令02-01-28 大阪高裁 棄却・確定 Z270-13372)
控訴人(納税者・A社)には、固有の従業員がいなかったことから、関連会社
のB社から派遣された従業員乙は、A社の経費等の支払依頼書の作成等の経理業
務に従事し、同時に関連会社C社の業務を兼務していました。乙が、C社からA
社あての架空請求書等を作成し、C社に振り込まれた代金を領得する行為をした
ことについて、A社が課税庁から法人税等の更正処分及び重加算税賦課決定処分
を受けた事案です。争点は、乙の隠ぺい仮装行為をA社本人の行為と同視し、A
社に対して重加算税賦課決定処分を行うことができるか否かです。
裁判所は、一部補正のうえ原判決は相当であるとして棄却し、確定しました。
乙が隠ぺい仮装行為を行ったのが、自己の利益を図るためであったとしても、
重加算税制度の趣旨に照らし、乙に確定申告手続を含め経理業務を任せていた控
訴人が、乙をして、適正な申告業務及びその前提となる適正な経理業務を行わせ
るよう指揮監督すべき義務を怠り、乙により隠ぺい仮装行為が行われた場合、乙
の行為を控訴人の行為と同視することを妨げる事情があるとはいえない。そして、
取引関係のある複数の会社の経理事務を担当させ、控訴人においては確定申告手
続も担当している乙について、特段の指揮監督体制の見直し・強化もせず、乙が
隠ぺい仮装行為に及び得る状況を放置した控訴人について、国税通則法68条1
項を適用した本件各賦課決定処分は適法なものであったということができる。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z270-13372
2022年07月28日
【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
できません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2022年7月29日(金) 午後10:00 ~ 午後10:30
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:小林 英樹)
(2)TAINSだより
TAINSだより(2022年夏号)を掲載いたしました。検索トップページ
の右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
(事業部長:上田 健一)
(3)北陸税理士会から提供いただいた相談事例を収録しました。
「細かい条件を指定して検索」をクリックし、「TAINSキーワード」に
次のように入力します。収録区分は、「所得税」「法人税」「相続税」です。
北陸税理士会 ☆2022年07月収録分 ‥‥15件
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:小菅 貴子)
租税条約の適用による限度税率/外国法人に分配されたみなし配当
(令04-02-17 東京地裁 認容 Z888-2418)
ルクセンブルク大公国に本店を有する外国法人である原告は、内国法人である
完全子会社2社がした非適格分割型分割に基因して剰余金の配当の分配を受けま
したが、この剰余金の配当の一部(みなし配当)につき20.42%の税率によ
る金額を源泉徴収されました。本件は、原告が、本件各みなし配当については、
租税条約10条2項(a)(本件規定(a))に定める保有期間要件に該当する
から、その限度税率は5%になり、当初納付額は過大であったとして、被告(国
)に対し、還付金等の支払を求める事案です。東京地裁は次のように判断し、原
告の請求を認容しました。
本件規定(a)の「利得の分配に係る事業年度の終了の日」の解釈については、
「利得の分配(配当)が行われる会計期間の終期」と解するのが相当である。
本件規定(a)は、配当受領法人が、利得の分配(配当)が行われる会計期間
(事業年度)の終期に先立つ6か月の期間を通じて、配当支払法人の議決権のあ
る株式の25%以上を所有することを要件とするものである。これを本件につい
てみると、原告は、本件規定(a)の定める保有期間要件を満たし、本件各みな
し配当に係る限度税率につき5%の軽減税率の適用を受ける。したがって、本件
においては、本件請求金額に係る還付請求権を認めることができる。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2418
2022年07月21日
【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
研修サイトに新しい判例紹介動画「TAINS MOVIE」を掲載いたしま
した。ログイン後、右上部の「研修サイト」をクリックするとサイトに移動し、
オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施する研修と
なり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講時間を登録
することができます。
初回は「判例を読み解くTAINS講座」として、下記の二作となり、今後も
同シリーズを順次掲載していく予定です。いずれも受講時間が30分以内となっ
ており、通勤時間等を利用して受講・登録ができます。
記
1 売主は非居住者か否か 不動産売買と源泉徴収義務
講 師:税理士 菅野真美
2 税理士による調査拒否が注意義務違反に ~損害賠償金額は3億円超~
講 師:税理士 梅野智子
(事業部長:上田 健一)
(2)次の税理士会から提供いただいた相談事例、その他文書を収録しました。
「細かい条件を指定して検索」をクリックし、「TAINSキーワード」に
次のように入力します。
東京地方税理士会 ☆2022年07月収録分 ‥‥10件
東海税理士会 ☆2022年07月収録分 ‥‥ 2件
なお、東京税理士会の相談事例は、毎月ご提供いただいています。
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
役員給与/取締役が取引先の役員に就任していた期間に生じた損害賠償金等
(令02-12-17 非公開裁決 棄却 F0-2-1012)
請求人の取締役丙は、取引先B社の取締役にも就任していましたが、B社の株
式等を購入した者から未公開株商法の被害を被ったとして、損害賠償金を請求す
る訴訟の提起や損害賠償金を請求する旨の内容証明郵便を受け取っていました。
請求人は、これら損害賠償請求の解決金や弁護士費用(本件各金員)を支払手数
料などとして処理していたところ、原処分庁から、これら損害賠償金等は請求人
の業務遂行に関連するものとは認められず、丙に対する給与に該当し、損金の額
に算入することはできないとして法人税等の更正処分等を受けた事案です。
国税不服審判所は、下記のように判断し、納税者の請求を棄却しています。
本件各金員は、取締役丙がB社の取締役としての職務を怠り、重大な過失を認
定された訴訟等に起因するところ、一般的に紛争を解決するために支払う金員は、
当該紛争を解決することにより利益を享受する紛争の当事者が負担するものと認
められる。請求人が本件各金員について民法650条3項の規定に基づく損害補
填債務を負う必要もないから、本件各金員が請求人の業務遂行上必要であると認
めることはできない。本件各金員は、内国法人がその役員に対して支給する退職
給与等以外の給与に該当するところ、法人税法34条1項各号に掲げる給与のい
ずれにも該当しないことから、本件各事業年度の法人税の所得の金額の計算上損
金の額に算入されない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】F0-2-1012
2022年07月14日
【1】今週のお知らせ
(1)よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
Q:過去に検索したことのあるTAINSコードを
「細かい条件を指定して検索>TAINSコード」欄で検索しても、
検索結果が0件になる。
A:TAINSコードは税務訴訟資料や裁決事例集の公表に伴い、
番号が変更になることがございます。検索結果が0件になる場合は、
「細かい条件を指定して検索」をクリック後、
「TAINSキーワード」欄に該当のTAINSコードを入力し、
検索の実行をお試しください。
その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
】より確認いただけます。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
不動産所得~「賃貸人の地位」の譲渡対価として受領した解約金相当額~
(令03-10-08 公表裁決 一部取消し J125-1-01)
賃貸不動産及び敷地をP氏に売却した請求人は、原処分庁の調査に基づき、そ
の売買代金とされた金額のうち賃貸借契約の解約金相当額について、不動産所得
として所得税等の修正申告をしました。その後、解約金相当額は、臨時所得に該
当し、平均課税が適用できるとして、また、その所得区分は譲渡所得であるとし
て、更正の請求をしましたが、認められなかったため審査請求に及びました。
審判所では、次のとおり判断し、請求の一部を認容しました。
請求人及びP氏の双方は、「土地及び建物」と「賃貸人の地位」について、別
個に、それぞれの価格を認識し、それら2つの財産を売買契約の目的としたとみ
るのが相当である。請求人が「賃貸人の地位」の対価として受領した解約金相当
額は、賃貸借契約が合意解約されることを前提として、K社が「残賃貸借期間の
賃料の補償」として支払うことが確定していたものであり、賃貸借契約に基づく
賃貸人の地位に包含されるものであることからすると、賃貸不動産の貸付けに起
因して発生した所得であるといえ、不動産所得であるとみるのが相当である。
解約金相当額は、「業務の全部又は一部を休止し、転換し又は廃止することと
なった者が、当該休止、転換又は廃止により当該業務に係る3年以上の期間の不
動産所得、事業所得又は雑所得の補償として受ける補償金」(所令8三)に該当
すると認められ、臨時所得に該当し、平均課税の適用対象とされるべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J125-1-01
2022年07月07日
【1】今週のお知らせ
収録した税務訴訟資料第270号(課税関係判決)の一部を紹介します。
【消費税】
・R02-10-22 最高裁 不受理・確定 Z270-13471
上告不受理/輸出免税/外国船舶乗組員に対する船内販売等
・R02-01-24 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13371
上告棄却・不受理/義務付けの訴え/賃貸用共同住宅取得の用途区分の変更
・R02-10-23 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13472
上告棄却・不受理/課税仕入れの時期/契約基準(通達ただし書)の適用
・R02-10-15 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13466
上告棄却・不受理/課税仕入れの時期/契約基準(通達ただし書)の適用
・R02-09-03 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13446
上告棄却・不受理/課税仕入れの時期/契約基準(通達ただし書)の適用
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
財産の評価/汚染土壌の浄化費用相当額を考慮すべきか否か
(令03-12-01公表裁決 全部取消し J125-2-04)
請求人が、相続財産である土地は土壌汚染地であるとして、土地の評価につい
て浄化・改善費用に相当する金額を控除して相続税の申告をしたところ、原処分
庁が土壌汚染対策法に規定する汚染の除去等の措置を講ずることが必要な区域に
指定等がされていないため、浄化・改善費用の負担が確実に発生するとはいえな
いとして更正処分等を行った事案です。
審判所は次のとおり、請求人の請求を認め、更正処分等を全部取り消しました。
相続開始日後に実施された調査により、いずれの土地からも土壌汚染対策法所
定の基準を超える特定有害物質が検出されている。そして、相続開始日後に新た
にこれらの特定有害物質が発生した事実は認められないことから、これらの特定
有害物質は、相続開始日において地中に含有されていたものと認められ、土壌汚
染のある土地と認めるのが相当であることから、各土地の評価に当たり、浄化・
改善費用相当額を考慮すべきである。
請求人が主張する土壌汚染対策工事の各見積額は、浄化・改善費用の金額とし
て相当であると認められるので、各土地の評価に当たり、土壌汚染がないものと
した場合の評価額から、浄化・改善費用相当額として各見積額の80%相当額を
控除して評価するのが相当である。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】J125-2-04
2022年06月30日
【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、令和3年10月から12月分の
公表裁決事例の収録が完了いたしました。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】★裁決事例集125集
(2)収録した裁決を紹介します。
【所得税】
・R04-01-26 裁決 棄却 F0-1-1284
更正の請求/通則法23条1項の規定に該当する事由の有無
【地方税】
・R04-03-31 裁決 認容 F0-7-047
固定資産税等の賦課処分の違法性及び不当性/住宅の認定基準の要件充足性
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
みなし譲渡(土地の時価)/みなし贈与(著しく低い価額の対価)
(令02-10-23 東京地裁 一部認容・棄却 控訴 Z270-13473)
本件は、亡Dの相続人である原告A、原告B及び亡Dから不動産の譲渡を受け
た原告C社が、その譲渡は低額譲渡であったとして、所得税、相続税、法人税等
につきそれぞれ更正処分等を受けた事案です。飯田税務署長は、不動産の価額を
4億0840万円と評価しています。東京地裁は、不動産の評価単位を7区分し
た上で、評価通達を準用した方法により時価を2億3489万円余と算定し、各
税目について、次のように判示しました。
本件譲渡に係る売買代金1億2000万円は、各不動産の譲渡時点における評
価額2億3489万円余の2分の1(1億1744万円余)に満たない金額とは
いえないから、本件譲渡に所得税法59条1項2号を適用することはできない。
相続税法9条の関係においては、本件時価(公示価格水準)の80%程度あれ
ば、「著しく低い価額の対価」とはいえないと解されるが、本件譲渡の対価1億
2000万円は不動産評価額の約51.1%であるから、所得税法とは異なり、
「著しく低い価額の対価」で利益を受けさせたものに当たると解され、本件譲渡
によるC株式(原告B保有)の増加益は、原告Bが亡Dから贈与により取得した
ものとみなして相続税の課税価格に加算されることとなる(相基通9-2)。
本件譲渡は、原告C社が、時価に比して低い価額で各不動産の譲渡を受けたも
のであるから、その差額を受贈益として原告C社の益金に加算すべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z270-13473
2022年06月23日
【1】今週のお知らせ
収録した税務訴訟資料第270号(課税関係判決)の一部を紹介します。
【所得税】
・R02-10-23 東京地裁 一部認容・棄却・控訴
Z270-13473
みなし譲渡(土地の時価)/みなし贈与(著しく低い価額の対価)
【相続税】
・R02-01-29 大阪地裁 却下・控訴 Z270-13373
租税債務不存在確認/実質的当事者訴訟の「確認の利益」の有無/修正申告書
の提出
・R02-12-10 名古屋地裁 棄却・控訴 Z270-13493
更正の請求/通則法23条2項1項の「判決等」該当性/夫婦間で成立した民
事調停
【消費税】
・R02-11-26 大阪高裁 棄却・確定 Z270-13485
課税仕入れの時期/建物等の譲受けの場合/契約基準(通達ただし書)の適用
・R02-12-22 東京地裁 棄却・確定 Z270-13501
課税資産の譲渡等の時期/自動販売機の販売手数料
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
所得の帰属~家族名義口座に振込送金された金員の給与所得該当性~
(令02-11-05 大阪高裁 棄却 確定 Z270-13477)
医療法人社団A(A)の理事長である控訴人は、西宮税務署長から所得税等に
ついて、Aが控訴人の妻であった者(乙)及び子ら(長男丙及び二男丁)に対し
て支払った金員が控訴人への給与であると認定され更正処分等を受けました。本
件は、控訴人がこの認定は誤りであるなどと主張して各処分の取消しを求めた事
案です。大阪高裁は、原審判決を引用及び補正して次のとおり判示しました。
妻乙及び長男丙はAの理事の地位にあったものの、理事としてあるいはAの職
員として対価を得るような職務を行っていなかったこと、二男丁もAに何ら役務
提供を行っていないこと、乙らへの報酬は、理事長である控訴人が、その一存で
本件各金員の支払及びその額を決定し、控訴人が通帳及び印鑑を管理する本件各
口座(乙、丙、丁名義の各口座)に入金していたことなどが認められる。
本件各金員は、控訴人に対して支払われた給与であると解するのが相当であっ
て、本件給与所得は控訴人に帰属するものというべきである。
本件乙口座1及び2は、控訴人が管理する口座であったことからすると、たと
え、本件別府物件の取得のための借入金の返済費用や乙名義の年金保険料が本件
各口座からの支出金から充てられていたとしても、Aから本件乙口座1及び2に
振込送金された各金員が控訴人に帰属するという判断が左右されるものではない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z270-13477
2022年06月16日
【1】今週のお知らせ
収録した税務訴訟資料第270号(課税関係判決)の一部を紹介します。
【所得税】
・R02-07-13 東京地裁 棄却・確定 Z270-13429
国家賠償法上の違法/関与会社の更正処分等に伴う税理士の精神的苦痛
・R02-10-01 津地裁 棄却・控訴 Z270-13457
実質所得者課税/親子間における所得の帰属/鉄道軌道保守工事に係る事業
【法人税】
・R02-03-12 大阪地裁 棄却・控訴 Z270-13395
一括取得した土地建物の取得価額/固定資産税評価額を用いた按分法
【相続税】
・R02-07-28 最高裁 棄却・確定 Z270-13432
上告棄却/貸付金債権の評価/事業協同組合に対する貸付金の回収可能性
【消費税】
・R02-06-16 神戸地裁 棄却・控訴 Z270-13414
課税仕入れの時期/建物等の譲受けの場合/契約基準(通達ただし書)の適用
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
更正の請求と立証責任~関係会社に対する架空業務支援費等~
(令02-12-02 東京高裁 棄却・確定 Z270-13491)
控訴人(医療法人社団A)が、税務調査を受けて控訴人の関連会社に支出して
いた業務委託費や広告宣伝費を自己否認して修正申告書を提出しました。その後
計算に誤りがあるとして更正の請求をしたところ、処分行政庁から更正すべき理
由がない旨の通知処分を受けたことから通知処分の取消訴訟において「納税者が
確定した申告書の記載が真実と異なることについての主張立証責任を負うか」等
が争点になりました。
裁判所は、次のように判示し、控訴人の請求を棄却しました。
申告納税方式による国税に係る税額は、その後に更正がされない限り、納税者
の納税申告のとおり確定するものであること、納税申告の前提となった事実関係
及びそれを誤りであるとする事実関係は更正の請求をする納税者が熟知している
こと等に照らせば、更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消訴訟においては、
更正の請求に係る事実関係は納税者たる控訴人において主張、立証すべきものと
解するのが相当である。
控訴人は確定した申告書(修正申告書)に記載された事実が真実と異なること
を主張立証すべきところ、各修正申告書記載の事実が真実と異なることをうかが
わせる具体的な事情があるとはいえないから、本件各通知処分に違法な点はない
というべきであり、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当である。
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