TAINSメールニュース No.749 2025.11.27 発行(一社)日税連税法データベース

2025年11月27日

【1】今週のお知らせ
収録した判決の一部を紹介します。
【所得税】
・R07-09-12 東京地裁 棄却 Z888-2826
外国子会社合算税制/A国の財団を通じてB国法人の全株式を間接保有
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64312
・R07-04-25 大阪高裁
控訴人国、控訴人敗訴部分取消し、被控訴人の請求棄却、被控訴人上告
Z888-2774
行為計算否認/同族会社との不動産賃貸借契約における経済的合理性/転貸方

URL:https://app6.tains.org/search/detail/64203
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
賃貸料の収受を目的とする入会権~「収益の帰属」で納税者逆転勝訴!~
(令07-05-29 東京高裁 原判決取消し・確定 Z888-2787)

一般社団法人である控訴人は、陸上自衛隊B演習場等の土地の所有名義人であ
り、これを国に貸し付け、国からの賃貸料を、使用収益権者とされている会員に
分配するとともに、そのうちの3%を控除して取得していました。処分行政庁は、
賃貸料が控訴人の収益に当たり、分配金(本件金員)の支払が法人税法37条の
寄附金に当たるなどとして、法人税等の各更正処分等をしました。原審(Z27
3-13886)が控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人はこれを不服
として控訴しました。東京高裁は、賃貸料の収受を目的とする入会権の存在を認
めた上で、収益の帰属について次のように判断し、原判決を取り消しました。

国との間で毎年取り交わされる賃貸借契約も、当初は、控訴人が各土地の地権
者を代理して締結していたものであり、その後、控訴人が賃貸人とされたのは、
各土地の所有者であることを踏まえた手続上の理由によるものにすぎない。そう
すると、控訴人は、本件各賃貸料収入に係る収益を法的に支配しているとはいい
難く、各賃貸借契約も、実質的には国と地権者との間において締結されたもので
あって、控訴人は、各賃貸借契約における単なる名義人にすぎず、各賃貸料収入
のうち地権者に支払われた本件金員に対応する部分の収益を享受していない。
したがって、本件各賃貸料収入のうち本件金員に対応する部分を控訴人の収益
として法人税法22条1項所定の「益金の額」に算入することはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64195

TAINSメールニュース No.748 2025.11.20 発行(一社)日税連税法データベース

2025年11月20日

【1】今週のお知らせ
システム改修に伴うサービス停止のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
できません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年11月20日(木)午後10:00 ~ 午後11:00
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:西田 和生)
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【2】今週の判決等          (税法データベース編集室:草間 典子)
貸倒損失~取引先との関係が法基通9-6-3「継続的な取引」と認められず~
(令06-08-26 非公開裁決 棄却 F0-2-1330)

本件は、建築工事業を営む請求人が、工事が完了した令和2年1月から約2年
3か月経過しても売掛金が回収できなかったため、令和4年4月30日付で、法
人税基本通達9-6-3(本件通達)を適用し、その売掛金から備忘価額として
1円を控除し、また、仮受消費税等を控除した残額を貸倒損失として損金の額に
算入して法人税等の確定申告を行ったところ、原処分庁から本件貸倒損失は損金
の額に算入されないなどとして法人税等の更正処分等を受けた事案です。
国税不服審判所は、請求人と取引先との間で行われた工事は、本件通達に定め
る「継続的な取引」とは認められないとして、請求を棄却しています。

請求人と取引先との間には、建築工事の必要性が継続的にあることを前提とし
た基本契約書等のやり取り等はなく、請求人が取引先から工事を継続的に請け負
う関係にあったということはできず、工事の必要性が生じた都度、工事の受発注
と代金の請求を行っていたとみるのが自然である。したがって、請求人と取引先
との間で行われた工事は、本件通達に定める「継続的な取引」とは認められない。
本件取引先は、店舗の焼損後も本店所在地を移転して営業を継続している上、
建物の一部を賃貸して賃料収入を得ており、資産状況、支払能力等が悪化したと
までは認め難い。売掛金の取立てのために要する旅費その他の費用が、売掛金の
金額を超えるとは考えられず、本件売掛金には本件通達の定めは適用されないか
ら、貸倒損失は令和4年4月期の損金の額に算入されない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63925

TAINSメールニュース No.747 2025.11.13 発行(一社)日税連税法データベース

2025年11月13日

【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

同族会社の行為計算否認/低利貸付け
~同族会社への低利率による金員の貸付け~
講 師:税理士 西田和生
※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
借名預金の帰属~確定判決は「更正の請求」の要件に該当すると判断!~
(令05-09-29 非公開裁決 全部取消し F0-3-901)

請求人が、被相続人名義ではない口座(本件各口座)の預金を相続により取得
したとして修正申告をした後、その預金に係る預金返還請求訴訟において請求人
の請求を棄却する判決(本件判決)がされたことを受けて更正の請求をしたとこ
ろ、原処分庁が、預金は被相続人に帰属しないとはいえないとして、更正をすべ
き理由がない旨の通知処分をしました。
審判所では、次のとおり判断し、通知処分の全部を取り消しました。

本件各口座の預金の原資が被相続人の出捐によるものであると断ずることはで
きないこと、本件各口座の名義人は被相続人ではなく、また、被相続人と本件各
口座の各名義人との関係及び委任内容は不明であることからすれば、相続の開始
時に本件各口座の預金通帳及び届出印が被相続人の自宅に保管されていたことを
踏まえても、被相続人が本件各口座につき自己の預金とする意思を有しており、
本件各口座の預金が被相続人に帰属していたことが明らかであるとは言い難い。
そうすると、本件各口座の預金が被相続人に帰属していたとは認められない旨
の本件判決における判断が、請求人が専ら相続税の軽減を図る目的で、馴れ合い
によって本件判決を得たなど、本件判決が確定判決として有する効力にかかわら
ず、その実質において客観的、合理的根拠を欠くとはいえない。
したがって、本件判決は、通則法23条2項1号に規定する「判決」に該当し、
また、更正の請求は、同法2項1号又は1項1号に規定する要件に該当する。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62858

TAINSメールニュース No.746 2025.11.06 発行(一社)日税連税法データベース

2025年11月06日

【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【相続税】
・R05-09-29 裁決 全部取消し F0-3-901
更正の請求/通則法第23条1項1号・2項1号の要件該当性/借名口座の帰

URL:https://app6.tains.org/search/detail/62858
・R05-10-16 裁決 棄却 F0-3-903
土地の評価/「広大地」該当性/準工業地域に存する事務所の敷地
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62904
・R06-01-16 裁決 棄却 F0-3-910
相続時精算課税適用の有無/期限後申告と相続時精算課税選択届出書の提出時

URL:https://app6.tains.org/search/detail/63287
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
更正の期間制限5年を経過した更正処分と重加算税賦課決定処分
(令05-08-07 非公開裁決 全部取消し F0-5-411)

請求人が、建物等の取得に係る課税仕入れについて、課税資産の譲渡等にのみ
要するものとして控除対象仕入税額を計算し消費税等の確定申告をしたところ、
原処分庁が、その建物の貸付けは「住宅の貸付け」に該当し非課税取引であり、
請求人に「偽りその他不正の行為」があるなどとして更正処分等を行ったのに対
し、請求人が、「住宅の貸付け」に該当せず、「偽りその他不正の行為」はないな
どとして、原処分の全部の取消しを求めた事案です。
審判所は、各賃貸借契約において各建物が本件管理会社の再転貸先により居住
の用に供されることが明らかにされているものであると認められるから、「住宅
の貸付け」に該当し、非課税取引となると判断しました。この判断は、同様の事
例でも同じような判断で更正処分が認められていました。
しかし、更正処分が、更正の期間制限の5年をわずか2か月経過していたこの
事例では、処分庁が、請求人に「仮装行為」や「偽りその他不正の行為」があっ
たとして通則法70条5項1号を適用して、重加算税を賦課しました。
審判所は、各2者間覚書における「居住用及び事業用を問わない」との記載が、
各建物の貸付けの実情とは異なっていたとしても、そのことから、請求人が、所
得、財産あるいは取引上の名義等に関し、あたかも、それが真実であるかのよう
に装う等、故意に事実をわい曲する行為に及んだと直ちに認めることはできない
とし、通則法第68条第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実
があったとは認められないと判断し、処分の全部を取り消しました。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62769

TAINSメールニュース No.745 2025.10.30 発行(一社)日税連税法データベース

2025年10月30日

【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R06-11-29 裁決 棄却、却下 F0-1-1714
調査の違法と修正申告の無効
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64116
・R06-10-29 裁決 棄却 F0-1-1715
馬券払戻金の所得区分/一時所得又は雑所得該当性
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64115

【法人税】
・R06-11-05 裁決 却下 F0-2-1326
青色取消し/既に原処分庁により取り消された処分
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64227
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
修正申告による新たな消費税額は、修正申告書提出年分の必要経費に算入!
(令07-03-03 公表裁決 棄却 J138-2-02)

本件は、請求人が、消費税等の修正申告により新たに納付すべきこととなった
消費税等の額(本件消費税額)を、当該修正申告に係る課税期間と同一年分の事
業所得の金額の計算上、必要経費に算入して所得税等の修正申告書を提出したと
ころ、原処分庁が、当該年分の必要経費には算入されないとして、所得税等の更
正処分をした事案です。請求人は、本件消費税額について、債務の確定がなくて
も必要経費に算入される場合があること及び本件消費税額は、所得税法37条1
項が規定する「その年中の総収入金額を得るために直接に要した費用」に該当す
ると主張しましたが、審判所は、次のように判断して、請求を棄却しました。

本件消費税額は、所得税法37条1項に規定する「その年における販売費、一
般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」に該当すると
解されるところ、同項は、必要経費の算入時期について、債務の確定を要求して
おり、本件消費税額は、消費税等の修正申告書を提出したことにより納付すべき
ことが具体的に確定したといえ、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべ
き時期は、請求人が消費税等の修正申告書を提出した日の属する年分となる。
請求人は、令和5年12月19日に消費税等の修正申告書を提出したのである
から、本件消費税額を必要経費に算入すべき時期は、修正申告書を提出した日の
属する令和5年分となる。したがって、本件消費税額は、本件課税期間と同一年
分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64257

TAINSメールニュース No.744 2025.10.23 発行(一社)日税連税法データベース

2025年10月23日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(2025年秋号)を掲載いたしました。
≪特別寄稿≫「資産から生ずる収益」の人的帰属に関する最近の3つの裁判例
(立命館大学法学部教授 望月 爾 氏)

ログイン後「TAINSだより」よりダウンロードすると閲覧できます。
https://tains.org/tains-news/
(広報部長:高栖 啓敬)

(2)国税不服審判所の「審査事務提要」(令和7年6月)を収録しました。
情報区分は「行政文書」です。ご活用ください。
TAINSコード 審査事務提要R070600
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64125
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
DCF法を用いた株式評価~事業用現預金等の額の推定方法で納税者勝訴!~
(令07-05-28 東京地裁 認容・控訴 Z888-2752)

企業グループの親法人である原告は、保有するB社の全発行済株式を、原告の
完全子会社であるC社に売却し、その譲渡価格をもって「譲渡に係る対価の額」
(法法61の2(1)一)であるとして、法人税の確定申告をしましたが、処分
行政庁から譲渡価格は過少であるなどとして、増額更正処分等を受けました。
本件は、B社株式の時価の算定に際し、B社が保有する同社の完全子会社であ
るD社のDCF法による株式の評価における事業用現預金等の額について争われ
ました。東京地裁は、次のように判断し、処分の全部を取り消しました。

継続企業の評価方法としては、企業が将来生み出すキャッシュ・フローを全て
現在価値に割り戻して合計するDCF法が価値評価の手法として適しており、確
かな根拠のある将来キャッシュ・フローが入手できる限りにおいてはDCF法が
最も正確に企業価値を推定できる手法である。
Z社(評価報告書を作成)は、D社の保有現預金の月末残高推移を参照する方
法により事業用現預金の額を推定した上で、個別具体的な事情を勘案して推定結
果を調整し、余剰現預金の額を上方修正したものである。対象企業の過去の現預
金残高の推移を分析して必要資金を推定する方法は、事業用現預金の額を推定す
る方法の一つとされており、Z社による余剰現預金の額の算定が合理的根拠を欠
くものであると直ちにいうことはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64179

TAINSメールニュース No.743 2025.10.16 発行(一社)日税連税法データベース

2025年10月16日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

簡易課税制度における事業区分~第4種事業か第5種事業か~
講 師:税理士 中尾円香

※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)

(2)システム改修に伴うサービス停止のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
できません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年10月22日(水)午後10:00 ~ 午後11:00
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:西田 和生)
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【2】今週の判決等          (税法データベース編集室:草間 典子)
完了部分に応じ交付される概算払補助金は、交付を受けた日の事業年度の益金に!
(令06-03-15 非公開裁決 一部取消し F0-2-1272)

本件は、固定資産の取得に伴い国の補助金の交付を受けていた請求人の経理処
理が問題となった事案です。原処分庁は、請求人が固定資産の取得価額からその
取得に充てた補助金の額を直接減額するなどの経理処理を行っていたため、補助
金の額は収益に計上されていないなどとして、令和2年12月18日に概算払い
で交付を受けた補助金を、補助金の額が確定した日の属する事業年度である令和
4年3月期の益金の額に加算して、法人税等の更正処分等を行いました。
国税不服審判所は、本件補助金は、益金の額には算入されていないとしました
が、益金の額に算入する時期については、次のように判断しています。

本件各補助金の概算払については、補助事業が実際に完了した部分に応じて交
付されるものであり、原則として、払い過ぎにより返還を求めることはないこと、
補助事業者は、概算払を希望する場合、概算払請求書のほか添付書類として事業
の進捗状況が分かる出来高仕様書、工事写真及び支払金額が分かる書類を添付し
なければならないこと、提出された概算払請求書等につき、補助事業終了後に補
助金を交付する場合と同様に書類の審査等を行い、不備がなければ概算払をする
こととされていることからすれば、交付を受けたときに、本件各補助金の収入す
べき権利が確定したと解するのが相当である。
したがって、概算払により交付を受けた本件各補助金の額については、実際に
交付を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入される。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63359

TAINSメールニュース No.742 2025.10.09 発行(一社)日税連税法データベース

2025年10月09日

【1】今週のお知らせ
「資産課税課情報」を「行政文書」に収録しました。
・資産課税課情報 第2号 「税制改正の概要について(情報)」
(令和7年4月23日 国税庁 課税部 資産課税課)
TAINSコード 資産課税課情報R070423-002
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64068
・資産課税課情報 第7号 「資産税質疑事例集」
(令和7年6月 東京国税局 課税第一部 資産課税課 資産評価官)
TAINSコード 資産課税課情報R070600-007
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64113

なお、「資産税質疑事例集」については、目次とI~Vの項目に分けて
「相続税」又は「所得税」の「相談事例」に収録しています。
TAINSキーワードは「資産税質疑事例集 令和7年6月」です。
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
証券会社の源泉徴収は違法!~外国法人の分割型分割に係るみなし配当~
(令07-07-28 東京地裁 一部認容・確定 Z999-5517)

原告は、令和4年4月当時、外国証券取引口座においてAT&Tの株式100
株を保有していましたが、AT&Tの分割型分割に伴い、WBDの株式24.1
917株(本件株式)の割当てを受け、被告(証券会社)を介して本件株式の交
付を受けました。被告は、証券総合口座から本件株式に係る源泉徴収等として、
本件株式の評価金額7万8383円の全額が課税対象(みなし配当)となること
を前提に合計1万5923円を徴収し、納付しました。この事案は、原告が、被
告に対して、565円を超える部分は誤徴収であるとして、その返還を求めたも
のです。東京地裁では、次のとおり判断し、原告の返還請求を認めました。

所得税法25条《配当等とみなす金額》1項の規定は、株式交付が同法24条
1項の配当等とみなされ、課税対象となるのは、飽くまで本件株式の価額の合計
額がAT&Tの資本金等の額のうちその交付の基因となったAT&Tの株式に対
応する部分の金額を超えるときであり、かつ、その超える部分に限られる。
本件株式の価額の合計額のうち、AT&Tの資本金等の額のうちその交付の基
因となったAT&Tの株式に対応する部分の金額を超える部分の有無及びその額
を積極的に認定することは困難であって、被告の主張する諸事情を考慮しても、
本件株式の評価額全部がみなし配当額になるとする法的根拠を欠き、これを前提
として行われた本件徴収は、原告の自認する565円の部分を除き、適法である
とは認められず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64187

TAINSメールニュース No.741 2025.10.02 発行(一社)日税連税法データベース

2025年10月02日

【1】今週のお知らせ
(1)東京税理士会から提供いただいた「相談事例」を収録しました。
税区分は、「相続税・消費税・その他」です。
「TAINSキーワード」に次のように入力すると検索できます。
東京税理士会 ☆2025年09月収録分 ‥‥6件
(税法データベース編集室)

(2)システム改修に伴うサービス停止のお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年10月7日(火)午後10:00 ~ 午後10:30
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:西田 和生)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
益金の額にならず/太陽光発電事業の和解交渉中に振り込まれた金員
(令07-05-28 福岡地裁判決 認容 Z888-2753)

原告は、税務調査の指摘を受けて、補助参加人との間に和解契約が成立し、補
助参加人から本件和解契約に基づいて振込送金された金員を益金の額として算入
する旨の修正申告をしました。ところが、原告は、その後、原告と補助参加人と
の間で本件和解契約の成立に争いがあり、これが成立していないことを理由に、
本件振込金に対応する益金の額を減額して計算して、法人税等について、更正の
請求をしたところ、博多税務署長から、更正をすべき理由がない旨の各通知処分
を受けたため、その取消しを求める事案です。
裁判所は、以下のとおり、原告の請求を認めました。

本件和解契約書には、補助参加人の連帯保証人の押印がないから、少なくとも
補助参加人が、原告に対し、本件和解契約書の内容を明示又は黙示に承諾する意
思表示をしたと推認する余地はなく、原告と補助参加人らとの間で本件和解契約
が成立したとは認められない。
本件振込送金は、補助参加人において、和解交渉の過程の中で、明確な根拠な
く、今後の交渉を円滑に進める目的で、将来の何らかの合意の成立を期待して振
込送金されたものにすぎないといえ、法律上の原因を欠くものであったといわざ
るを得ない。そうすると、原告が本件振込金を取得する権限(収入すべき権利)
が、平成29年12月期において、確定的に発生していたとは認められない。
税務署長は、原告の更正請求に対し、更正をすべきであったものである。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64181

TAINSメールニュース No.740 2025.09.25 発行(一社)日税連税法データベース

2025年09月25日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

社会保険労務士の相談業務に係る損失~事業所得か雑所得か~
講 師:税理士 土師秀作
※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)

(2)中国税理士会と南九州税理士会から提供いただいた資料を収録しました。
・中国税理士会の「研究論文集」は、「その他」「その他文書」に収録してい
ます。「TAINSキーワード」に次のように入力すると検索できます。
中国税理士会研究論文集0008 ‥‥1件
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64200

・南九州税理士会の資料は、「相談事例」「所得税・法人税・相続税・消費税」
に収録しています。
「TAINSキーワード」に次のように入力すると検索できます。
南九州税理士会 ☆2025年09月収録分 ‥‥12件
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
固定資産税/土地及びログハウスの登録価格の適法性
(令06-05-29 東京高裁 棄却・上告等 Z999-8529)

本件は、控訴人らが所有する土地及び家屋(ログハウス)の令和3年度の登録
価格の評価方法を争点とする事案です。安曇野市長は、土地については評価基準
により、ログハウスについては、評価基準の木造家屋評点基準表ではなく、ログ
基準表と同旨の基準表を適用して評価しています。東京高裁は、控訴人らの請求
をいずれも棄却し、その理由を、原判決を引用して、次のように判示しました。

標準宅地の評点数の付設は、鑑定評価(取引事例比較法)の7割を目途として
行われたものである。取引事例の採用については、場所的な条件以外にも複数条
件を設けており、より近隣や標準宅地と同じ状況類似地区内の取引事例が他に
あったとしても、その評価方法が不合理とは直ちに認められない。したがって、
標準宅地の評点数を基に算出された本件土地の登録価格に違法はない。
ログ基準表の部分別「柱・壁体」では、「丸太組壁体」を新たな評点項目とす
るものの、これを外周部分の丸太組壁体に限る旨の記載は見当たらず、建物内部
の「間仕切部分」の丸太組壁体もこれに含まれると解するのが合理的である。
(編集員からひとこと)
「原告の第2準備書面」が、長野地裁(Z999-8528)の別紙リンクに
収録されています。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64019