TAINSメールニュース No.580 2022.07.14 発行(社)日税連税法データベース

2022年07月14日

【1】今週のお知らせ
 (1)よくあるご質問とその回答≪Q&Aピックアップ≫
  Q:過去に検索したことのあるTAINSコードを
    「細かい条件を指定して検索>TAINSコード」欄で検索しても、
    検索結果が0件になる。
  A:TAINSコードは税務訴訟資料や裁決事例集の公表に伴い、
    番号が変更になることがございます。検索結果が0件になる場合は、
    「細かい条件を指定して検索」をクリック後、
    「TAINSキーワード」欄に該当のTAINSコードを入力し、
    検索の実行をお試しください。
 
  その他のよくあるご質問は、TAINSにログイン後、右上の【よくある質問
 】より確認いただけます。
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  不動産所得~「賃貸人の地位」の譲渡対価として受領した解約金相当額~
 (令03-10-08 公表裁決 一部取消し J125-1-01)
 
  賃貸不動産及び敷地をP氏に売却した請求人は、原処分庁の調査に基づき、そ
 の売買代金とされた金額のうち賃貸借契約の解約金相当額について、不動産所得
 として所得税等の修正申告をしました。その後、解約金相当額は、臨時所得に該
 当し、平均課税が適用できるとして、また、その所得区分は譲渡所得であるとし
 て、更正の請求をしましたが、認められなかったため審査請求に及びました。
  審判所では、次のとおり判断し、請求の一部を認容しました。
 
  請求人及びP氏の双方は、「土地及び建物」と「賃貸人の地位」について、別
 個に、それぞれの価格を認識し、それら2つの財産を売買契約の目的としたとみ
 るのが相当である。請求人が「賃貸人の地位」の対価として受領した解約金相当
 額は、賃貸借契約が合意解約されることを前提として、K社が「残賃貸借期間の
 賃料の補償」として支払うことが確定していたものであり、賃貸借契約に基づく
 賃貸人の地位に包含されるものであることからすると、賃貸不動産の貸付けに起
 因して発生した所得であるといえ、不動産所得であるとみるのが相当である。
  解約金相当額は、「業務の全部又は一部を休止し、転換し又は廃止することと
 なった者が、当該休止、転換又は廃止により当該業務に係る3年以上の期間の不
 動産所得、事業所得又は雑所得の補償として受ける補償金」(所令8三)に該当
 すると認められ、臨時所得に該当し、平均課税の適用対象とされるべきである。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 J125-1-01

TAINSメールニュース No.579 2022.07.07 発行(社)日税連税法データベース

2022年07月07日

【1】今週のお知らせ
 収録した税務訴訟資料第270号(課税関係判決)の一部を紹介します。
 【消費税】
 ・R02-10-22 最高裁 不受理・確定 Z270-13471
  上告不受理/輸出免税/外国船舶乗組員に対する船内販売等
 ・R02-01-24 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13371
  上告棄却・不受理/義務付けの訴え/賃貸用共同住宅取得の用途区分の変更
 ・R02-10-23 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13472
  上告棄却・不受理/課税仕入れの時期/契約基準(通達ただし書)の適用
 ・R02-10-15 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13466
  上告棄却・不受理/課税仕入れの時期/契約基準(通達ただし書)の適用
 ・R02-09-03 最高裁 棄却・不受理・確定 Z270-13446
  上告棄却・不受理/課税仕入れの時期/契約基準(通達ただし書)の適用
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  財産の評価/汚染土壌の浄化費用相当額を考慮すべきか否か
 (令03-12-01公表裁決 全部取消し J125-2-04)
 
  請求人が、相続財産である土地は土壌汚染地であるとして、土地の評価につい
 て浄化・改善費用に相当する金額を控除して相続税の申告をしたところ、原処分
 庁が土壌汚染対策法に規定する汚染の除去等の措置を講ずることが必要な区域に
 指定等がされていないため、浄化・改善費用の負担が確実に発生するとはいえな
 いとして更正処分等を行った事案です。
  審判所は次のとおり、請求人の請求を認め、更正処分等を全部取り消しました。
 
  相続開始日後に実施された調査により、いずれの土地からも土壌汚染対策法所
 定の基準を超える特定有害物質が検出されている。そして、相続開始日後に新た
 にこれらの特定有害物質が発生した事実は認められないことから、これらの特定
 有害物質は、相続開始日において地中に含有されていたものと認められ、土壌汚
 染のある土地と認めるのが相当であることから、各土地の評価に当たり、浄化・
 改善費用相当額を考慮すべきである。
  請求人が主張する土壌汚染対策工事の各見積額は、浄化・改善費用の金額とし
 て相当であると認められるので、各土地の評価に当たり、土壌汚染がないものと
 した場合の評価額から、浄化・改善費用相当額として各見積額の80%相当額を
 控除して評価するのが相当である。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】J125-2-04

TAINSメールニュース No.578 2022.06.30 発行(社)日税連税法データベース

2022年06月30日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
  国税不服審判所のホームページに掲載された、令和3年10月から12月分の
 公表裁決事例の収録が完了いたしました。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】★裁決事例集125集
 
(2)収録した裁決を紹介します。
 【所得税】
 ・R04-01-26 裁決 棄却 F0-1-1284
  更正の請求/通則法23条1項の規定に該当する事由の有無
 【地方税】
 ・R04-03-31 裁決 認容 F0-7-047
  固定資産税等の賦課処分の違法性及び不当性/住宅の認定基準の要件充足性
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  みなし譲渡(土地の時価)/みなし贈与(著しく低い価額の対価)
(令02-10-23 東京地裁 一部認容・棄却 控訴 Z270-13473)
 
  本件は、亡Dの相続人である原告A、原告B及び亡Dから不動産の譲渡を受け
 た原告C社が、その譲渡は低額譲渡であったとして、所得税、相続税、法人税等
 につきそれぞれ更正処分等を受けた事案です。飯田税務署長は、不動産の価額を
 4億0840万円と評価しています。東京地裁は、不動産の評価単位を7区分し
 た上で、評価通達を準用した方法により時価を2億3489万円余と算定し、各
 税目について、次のように判示しました。
 
  本件譲渡に係る売買代金1億2000万円は、各不動産の譲渡時点における評
 価額2億3489万円余の2分の1(1億1744万円余)に満たない金額とは
 いえないから、本件譲渡に所得税法59条1項2号を適用することはできない。
  相続税法9条の関係においては、本件時価(公示価格水準)の80%程度あれ
 ば、「著しく低い価額の対価」とはいえないと解されるが、本件譲渡の対価1億
 2000万円は不動産評価額の約51.1%であるから、所得税法とは異なり、
 「著しく低い価額の対価」で利益を受けさせたものに当たると解され、本件譲渡
 によるC株式(原告B保有)の増加益は、原告Bが亡Dから贈与により取得した
 ものとみなして相続税の課税価格に加算されることとなる(相基通9-2)。
  本件譲渡は、原告C社が、時価に比して低い価額で各不動産の譲渡を受けたも
 のであるから、その差額を受贈益として原告C社の益金に加算すべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z270-13473

TAINSメールニュース No.577 2022.06.23 発行(社)日税連税法データベース

2022年06月23日

【1】今週のお知らせ
 収録した税務訴訟資料第270号(課税関係判決)の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・R02-10-23 東京地裁 一部認容・棄却・控訴
                        Z270-13473
  みなし譲渡(土地の時価)/みなし贈与(著しく低い価額の対価)
 【相続税】
 ・R02-01-29 大阪地裁 却下・控訴 Z270-13373
  租税債務不存在確認/実質的当事者訴訟の「確認の利益」の有無/修正申告書
 の提出
 ・R02-12-10 名古屋地裁 棄却・控訴 Z270-13493
  更正の請求/通則法23条2項1項の「判決等」該当性/夫婦間で成立した民
 事調停
 【消費税】
 ・R02-11-26 大阪高裁 棄却・確定 Z270-13485
  課税仕入れの時期/建物等の譲受けの場合/契約基準(通達ただし書)の適用
 ・R02-12-22 東京地裁 棄却・確定 Z270-13501
  課税資産の譲渡等の時期/自動販売機の販売手数料
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  所得の帰属~家族名義口座に振込送金された金員の給与所得該当性~
 (令02-11-05 大阪高裁 棄却 確定 Z270-13477)
 
  医療法人社団A(A)の理事長である控訴人は、西宮税務署長から所得税等に
 ついて、Aが控訴人の妻であった者(乙)及び子ら(長男丙及び二男丁)に対し
 て支払った金員が控訴人への給与であると認定され更正処分等を受けました。本
 件は、控訴人がこの認定は誤りであるなどと主張して各処分の取消しを求めた事
 案です。大阪高裁は、原審判決を引用及び補正して次のとおり判示しました。
 
  妻乙及び長男丙はAの理事の地位にあったものの、理事としてあるいはAの職
 員として対価を得るような職務を行っていなかったこと、二男丁もAに何ら役務
 提供を行っていないこと、乙らへの報酬は、理事長である控訴人が、その一存で
 本件各金員の支払及びその額を決定し、控訴人が通帳及び印鑑を管理する本件各
 口座(乙、丙、丁名義の各口座)に入金していたことなどが認められる。
  本件各金員は、控訴人に対して支払われた給与であると解するのが相当であっ
 て、本件給与所得は控訴人に帰属するものというべきである。
  本件乙口座1及び2は、控訴人が管理する口座であったことからすると、たと
 え、本件別府物件の取得のための借入金の返済費用や乙名義の年金保険料が本件
 各口座からの支出金から充てられていたとしても、Aから本件乙口座1及び2に
 振込送金された各金員が控訴人に帰属するという判断が左右されるものではない。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z270-13477

TAINSメールニュース No.576 2022.06.16 発行(社)日税連税法データベース

2022年06月16日

【1】今週のお知らせ
 収録した税務訴訟資料第270号(課税関係判決)の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・R02-07-13 東京地裁 棄却・確定 Z270-13429
  国家賠償法上の違法/関与会社の更正処分等に伴う税理士の精神的苦痛
 ・R02-10-01 津地裁 棄却・控訴 Z270-13457
  実質所得者課税/親子間における所得の帰属/鉄道軌道保守工事に係る事業
 【法人税】
 ・R02-03-12 大阪地裁 棄却・控訴 Z270-13395
  一括取得した土地建物の取得価額/固定資産税評価額を用いた按分法
 【相続税】
 ・R02-07-28 最高裁 棄却・確定 Z270-13432
  上告棄却/貸付金債権の評価/事業協同組合に対する貸付金の回収可能性
 【消費税】
 ・R02-06-16 神戸地裁 棄却・控訴 Z270-13414
  課税仕入れの時期/建物等の譲受けの場合/契約基準(通達ただし書)の適用
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  更正の請求と立証責任~関係会社に対する架空業務支援費等~
 (令02-12-02 東京高裁 棄却・確定 Z270-13491)
 
  控訴人(医療法人社団A)が、税務調査を受けて控訴人の関連会社に支出して
 いた業務委託費や広告宣伝費を自己否認して修正申告書を提出しました。その後
 計算に誤りがあるとして更正の請求をしたところ、処分行政庁から更正すべき理
 由がない旨の通知処分を受けたことから通知処分の取消訴訟において「納税者が
 確定した申告書の記載が真実と異なることについての主張立証責任を負うか」等
 が争点になりました。
  裁判所は、次のように判示し、控訴人の請求を棄却しました。
 
  申告納税方式による国税に係る税額は、その後に更正がされない限り、納税者
 の納税申告のとおり確定するものであること、納税申告の前提となった事実関係
 及びそれを誤りであるとする事実関係は更正の請求をする納税者が熟知している
 こと等に照らせば、更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消訴訟においては、
 更正の請求に係る事実関係は納税者たる控訴人において主張、立証すべきものと
 解するのが相当である。
  控訴人は確定した申告書(修正申告書)に記載された事実が真実と異なること
 を主張立証すべきところ、各修正申告書記載の事実が真実と異なることをうかが
 わせる具体的な事情があるとはいえないから、本件各通知処分に違法な点はない
 というべきであり、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当である。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z270-13491

TAINSメールニュース No.575 2022.06.09 発行(社)日税連税法データベース

2022年06月09日

【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料第270号(課税関係判決)を収録中です。
  国税庁ホームページに掲載された、令和2年判決分の税務訴訟資料(課税関係
 判決)の収録作業を行っております。
  収録が済んでいるものは下記のキーワードで検索できます。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 ★税資270号
 
(2)収録した裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・H30-12-06 裁決 棄却 F0-2-978
  更正の請求/売上過大計上/携帯電話における課金システムと匿名組合契約の
 分配金
 ・H31-01-29 裁決 棄却 F0-2-980
  更正の請求/債務免除益の計上誤りと資金調達のための支払手数料
 ・H31-02-25 裁決 棄却 F0-2-983
  売上計上漏れ/現金で受領したスポンサーからの広告収入、チケット収入等
 ・R01-09-11 裁決 棄却 F0-2-991
  役員給与/不相当に高額な部分の金額
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  仕入税額控除/用途区分/ドラッグストアでの商品券販売
 (令02-06-18 非公開裁決 棄却 F0-5-295)
 
  本件は、ドラッグストア等を経営する請求人の店舗に係る水道光熱費等につい
 て、原処分庁が、当該店舗において、商品券の販売(本件販売行為)があること
 から、水道光熱費等については、課税資産の譲渡等と課税資産の譲渡等以外の資
 産の譲渡等に共通して要する共通対応に該当する課税仕入れに区分すべきである
 などとして、消費税等の更正処分等を行ったのに対し、請求人が、本件販売行為
 は、委託販売に該当し、販売手数料(課税資産の譲渡等)のみを収入として計上
 することが適正であるなどとして、原処分の一部の取消しを求めた事案です。
  審判所は、次のように判断し、請求人の請求を棄却しました。
 
  請求人と商品券を発行するAとの間で、本件販売行為を委託販売の方法で行う
 旨の契約書が取り交わされた事実は認められないこと、Aが作成する商品券取扱
 加盟店取引約款等においても、本件販売行為が委託販売に該当するものであると
 判断するに足りる記載は見当たらないこと、請求人は、額面金額と等額の現金で
 販売したとする会計処理を行っていたこと等からすれば、本件商品券の顧客への
 販売代金の最終的な帰属者は請求人であると認められる。以上のことから、本件
 販売行為が委託販売に該当するとは認められず、本件販売行為は、非課税資産の
 譲渡に該当し、水道光熱費等は、共通対応に該当する課税仕入れと認められる。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 F0-5-295

TAINSメールニュース No.574 2022.06.02 発行(社)日税連税法データベース

2022年06月02日

【1】今週のお知らせ
 収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・R03-09-28 大阪地裁 却下、棄却 Z888-2403
  受取配当金の益金不算入/外国子会社の要件/議決権のある株式の数と株式の
 金額
 ・H03-12-02 裁決 一部取消し、棄却 F0-2-968
  収益計上時期/入金のあった日に計上された売上高
 ・H03-12-09 裁決 一部取消し F0-2-970
  寄附金/他社から借用した機械に装着された消耗工具
 ・R01-11-15 裁決 棄却 F0-2-987
  受増益/関連会社から受領した経営援助協力費
 ・R01-09-10 裁決 却下、棄却 F0-2-989
  税務調査手続の違法/調査結果の内容説明
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  外国子会社合算税制/特定外国子会社等が締結した再保険に係る元受保険契約
 (令01-09-03 非公開裁決 棄却 F0-2-992)
 
  本件は、原処分庁が、請求人の特定外国子会社等が非関連者である保険会社と
 の間で締結した再保険契約に係る元受保険について、租税特別措置法施行令39
 条の117第8項5号括弧書(平成28年政令第159号による改正前のもの)
 に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責
 任を保険の目的とする保険」に該当せず、外国子会社合算税制の適用除外基準の
 うち非関連者基準を満たさないとして法人税等の更正処分等を行った事案です。
  審判所は、下記のように判断して請求を棄却しています。
 
  本件元受保険契約は、請求人の関連者との間でクレジット契約を締結する顧客
 のうち、本件元受保険契約に加入する各顧客の死亡、失業又は全身の障害という
 保険事故に関し一定の保険給付を行うことを約するものであり、本件元受保険契
 約では、請求人の関連者が有する各債権の回収を確実にすることがその契約上予
 定されていると認められる。すなわち、本件元受保険契約は、各顧客が有する資
 産に生ずる損害又は各顧客が損害賠償責任を負うことによって被る損害の填補を
 約する内容のものではないと認められる。
  したがって、本件元受保険契約に係る保険は租税特別措置法施行令39条の1
 17第8項5号括弧書に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外
 の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」に該当しない。
 《検索方法》
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】F0-2-992

TAINSメールニュース No.573 2022.05.26 発行(社)日税連税法データベース

2022年05月26日

【1】今週のお知らせ
 収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・R02-04-07 裁決 一部取消し F0-2-972
  重加算税/減価償却資産/事業の用に供した日
 ・R02-05-26 裁決 棄却 F0-2-974
  貸倒損失/回収不能の金銭債権の貸倒れ/ゴルフクラブ会員権の預託金返還請
 求権
 ・H30-11-01 裁決 却下 F0-2-976
  審理手続を経ないでする却下裁決/督促処分の取消請求
 
 【所得税】
 ・R03-01-28 東京高裁 棄却、上告受理申立て Z888-2407
  外国税額控除/控除限度額の規定と租税条約
 ・R03-02-24 東京高裁 棄却、上告受理申立て Z888-2408
  取得費加算の特例と更正の請求/上場株式等の譲渡に申告不要制度を選択した
 場合
 ・R03-03-24 横浜地裁 棄却、控訴 Z888-2410
  所得区分/給与所得を有する医師の洋画等制作販売から生じた損失
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  ゴルフ用地の登録価格~固定資産評価基準によって算定されたか否か~
 (令04-03-03 最高裁 破棄差戻し Z999-8439)
 
  下松市長は、被上告人が所有する土地(ゴルフ場用地)の平成27年度の登録
 価格について、不動産鑑定士の鑑定に基づき、附近の工場用地に比準する方法に
 より工場用地としての取得価額を評定し、造成費の加算をせずに算定しました。
 被上告人は、登録価格を不服として、審査の申出をしましたが、棄却決定を受け
 たため本訴に及びました。原審は、登録価格について、固定資産評価基準(評価
 基準)の定める評価方法に従って算定されたものでないとして、棄却決定の全部
 を取り消しました。最高裁では、次のとおり判断し、原判決を覆しました。
 
  評価基準は、ゴルフ場用地の評価に際し附近の土地に比準して取得価額を評定
 する方法として、特定の具体的な方法を挙げているものではないし、造成から長
 期間が経過するなどの事情により、当該ゴルフ場用地の造成前の状態を前提とし
 た取得価額を正確に把握できない場合も想定される。そうすると、下松市長が、
 その造成前の状態である塩田跡地としての取得価額を評定していないことをもっ
 て、評価基準の定める評価方法に従っていないと解すべき理由は見当たらない。
  したがって、登録価格について、塩田跡地としての取得価額を評定していない
 ことを理由として評価基準の定める評価方法に従って算定されたものということ
 ができないとした原審の判断には、固定資産の評価に関する法令の解釈適用を誤
 った違法がある。よって、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻すこととする。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z999-8439

TAINSメールニュース No.572 2022.05.19 発行(社)日税連税法データベース

2022年05月19日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
  TAINSだより(2022年春号)を掲載いたしました。検索トップページ
 の右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
                         (事業部長:上田 健一)
 
(2)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・R02-12-01 東京地裁 棄却、控訴 Z888-2390
  源泉所得税/特定民間国外債利子の非課税/利子受領者確認書の期限後提出
 ・R02-12-02 東京高裁 棄却、確定 Z888-2402
  損金の額/売上原価/高額譲受けにより取得した土地の購入価額と時価との差
 額
 ・R01-05-24 裁決 棄却 F0-2-971
  重加算税と期間制限、青色取消し/水増し請求された外注費
 ・R02-05-20 裁決 棄却 F0-2-973
  繰越欠損金/青色取消処分後の青色申告の承認申請書の未提出
 
 【消費税】
 ・R02-06-18 裁決 棄却 F0-5-295
  仕入税額控除/用途区分/ドラッグストアーでの商品券販売
                        (税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  仕入税額控除/米国アマゾン社の役務の提供に対する支払手数料
 (令04-04-15 東京地裁 棄却 Z888-2412)
  
  インターネット上のウェブサイト(アマゾン)に、主としてCD、DVD、書
 籍等の商品を出品し、販売する事業を営んでいる原告が、消費税等についてした
 期限後申告につき、処分行政庁から、原告が米国アマゾン社から受けた役務の提
 供は、課税仕入れに該当せず、仕入税額控除することはできないなどとして、消
 費税等の更正処分等を受けた事案です。
  裁判所は次のとおり、原告の請求を棄却しました。
 
  掲載された商品はサイトを通じて、全世界の人々が閲覧できるのであるから、
 出品サービスは、全世界の人々が原告の商品に関する情報を閲覧することを可能
 にするものといえ、また、その役務提供の対価である出品手数料が国内の役務に
 対応する部分と国内以外の地域の役務に対応する部分とに合理的に区分されてい
 るとはいえない。そうすると、出品サービスは、「国内及び国内以外の地域にわ
 たって行われる役務の提供その他の役務の提供が行われた場所が明らかでないも
 の」に該当するものと認められる。
  出品サービスに係る「役務の提供を行う者」は、米国アマゾン社であるといえ、
 役務の提供の管理・支配を行うことを前提とした事務所等は、米国国内に所在し
 ていると認められるから、役務の提供が国内において行われたとは認められない。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2412

TAINSメールニュース No.571 2022.05.12 発行(社)日税連税法データベース

2022年05月12日

【1】今週のお知らせ
 収録した判決・裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・R02-03-18 広島地裁 棄却、控訴 Z888-2398
  重加算税/コンサルタント料の損金算入/契約書の相手先と支払の相手先
 
 【所得税】
 ・R02-06-15 裁決 棄却 F0-1-1170
  給与所得の収入金額/無申告加算税の正当な理由
 ・R02-06-18 裁決 棄却 F0-1-1171
  調査の違法/更正の請求と立証責任/飲食業(スナック)及び警備業
 ・R02-06-22 裁決 棄却 F0-1-1172
  無申告加算税/期限後申告書提出の有無
 ・R02-06-30 裁決 棄却 F0-1-1173
  過少申告加算税の正当な理由/不動産所得の修正申告
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  ユニバーサルミュージック事件/同族会社等の行為計算否認(納税者勝訴)
 (令04-04-21 最高裁 国の上告・棄却 確定 Z888-2411)
 
  本件は、音楽事業を行うA社(被上告人)が、組織再編に伴い、同じ企業グル
 ープに属する外国法人からの866億円余の借入れに係る支払利息を損金の額に
 算入したところ、課税庁が、支払利息の損金算入は法人税の負担を不当に減少さ
 せるものであるとして、法人税法132条1項を適用して更正処分等をした事案
 です。最高裁は、法人税法132条1項の解釈を示した上で、次のように判示し
 て、A社の請求を認めた原審の判断を是認し、国の上告を棄却しました。
 
  本件組織再編取引は、音楽部門において日本を統括する会社としてA社を設立
 するなどの組織再編成を行うものであるところ、本件取引等は、通常は想定され
 ない手順や方法に基づいたり、実態とはかい離した形式を作出したりするなど、
 不自然なものであるとまではいえず、また、税負担の減少以外に本件組織再編取
 引等を行うことの合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在したものとい
 うことができる。そうすると、本件組織再編取引等は、これを全体としてみたと
 きには、経済的合理性を欠くものであるとまでいうことはできず、本件借入れは、
 その目的において不合理と評価されるものではない。
  したがって、本件借入れは、法人税法132条1項にいう「これを容認した場
 合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当た
 らないというべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2411