TAINSメールニュース No.413 2019.5.30 発行(社)日税連税法データベース

2019年05月30日

【1】今週のお知らせ
(1)Japplic書式集検索 サービス停止のお知らせ
  下記の日程でJapplic書式集検索リニューアルメンテナンスを行うため、
 作業時間帯はJapplic書式集検索のご利用ができません。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
  日時:2019年6月1日(土) 午前9:00 ~ 午後7:00
                     (データベース部長:坂本 勝哉)
 
(2)税務訴訟資料第267号を収録中
  税務大学校のホームページに公表された税務訴訟資料第267号を引き続き編
 集・収録作業中です。収録が済んでいるものは下記のキーワードで検索できます。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資267号
 
(3)収録した裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・H30-06-01 裁決 棄却 F0-2-825
  寄附金/高額譲受け/貸付金等と相殺するために取得した土地
 ・H30-06-27 裁決 棄却 F0-2-827
  調査の違法/未完成部分のあった太陽光発電設備の即時償却の可否
 ・H30-05-24 裁決 棄却 F0-2-834
  青色取消し/2事業年度連続の期限後申告/郵便料金不足により差し戻された
  申告書                   (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  土地の取得価額~建物の取壊しの時における建物の帳簿価額及び取壊費用~
 (平30-06-01 非公開裁決 棄却 F0-2-835)
 
  本件は、建物の存する土地を建物とともに取得した後で建物を取り壊した場合
 において、建物の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額が、土地の
 取得価額に算入されるか否かが争われた事案です。請求人は、福利厚生目的の取
 得であり、取得日から1年以上経過している等を主張しましたが、審判所は、次
 のとおり認定し、通達の定めに従い土地の取得価額に算入されると判断しました。
 
  請求人が、本件物件の売買交渉の際、本件土地について、更地での引渡しを求
 めていたことからすれば、最終的には、現状有姿での引渡しを条件とした契約が
 締結されているものの、請求人としては、本件物件の売買交渉の時点において、
 建物を取り壊して本件土地を利用する予定であったことが推認される。本件信金
 も、本件建物を取り壊し、新築することを想定して、融資の提案をしている。
  他方、請求人が、収益を直接的に生み出さない従業員の福利厚生施設とする目
 的で、本件建物を含む本件物件を4億円以上かけて取得するというのは、請求人
 が営利法人であることや、取得資金の全額が融資で調達されていることからする
 と、合理性を欠くものといえる。加えて、福利厚生施設としての利用は本件建物
 の1階部分にとどまり、かつ、その回数も1回にとどまること、請求人は本件建
 物に係る電力契約、下水道契約を締結していないことなどからしても、請求人が
 福利厚生施設として利用する目的で本件建物を取得したとは認め難い。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-835

TAINSメールニュース No.412 2019.5.23 発行(社)日税連税法データベース

2019年05月23日

【1】今週のお知らせ
(1)Japplic書式集検索 サービス停止のお知らせ
  下記の日程でJapplic書式集検索リニューアルメンテナンスを行うため、
 作業時間帯はJapplic書式集検索のご利用ができません。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
  日時:2019年6月1日(土) 午前9:00 ~ 午後7:00
                     (データベース部長:坂本 勝哉)
 
(2)収録した裁決の一部を紹介します。
 【法人税】
 ・H30-06-01 裁決 棄却 F0-2-835
  土地の取得価額/土地取得後の建物取壊費用
 
(3)税務訴訟資料第267号を収録中
  現在、税務大学校ホームページに公表された税務訴訟資料第267号を編集・
 収録中です。収録したものを紹介いたします。
 ・H29-04-21 大阪地裁 却下、控訴 Z267-13013
 ・H29-10-19 大阪高裁 棄却、確定 Z267-13080
  租税債務不存在確認/訴えの利益及び確認の利益の有無/訂正申告書の提出
 
  収録済のものについては下記のキーワードで検索することができます。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資267号 (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  使用者が負担する慰安等を目的とする海外旅行費用~経済的利益は給与~
 (平30-05-18 非公開裁決 棄却 F0-2-833)
 
  請求人(税理士法人)が、請求人の所員及び社員(本件所員等)を対象として
 実施した海外旅行6泊7日(現地5泊及び機中1泊)の費用について、福利厚生
 費として損金の額に算入して法人税等の確定申告をしたところ、原処分庁から、
 本件所員等が受けた経済的利益は給与等に当たるとして、源泉所得税等の納税告
 知処分等を受けるとともに、請求人の社員が受けた経済的利益の額は、損金の額
 に算入できない役員給与に該当するとして法人税等の更正処分等を受けた事案で
 す。審判所は、次のように判断し、請求人の主張を退けました。
 
  本件参加者が本件旅行に参加することによって受けた経済的利益は、雇用契約
 又はこれに類する原因に基づき請求人の指揮命令に服して提供した非独立的な労
 務又は役務の対価として、給与等に該当すると認められる。
  所基通36-30(課税しない経済的利益‥使用者が負担するレクリエーショ
 ンの費用)の適用の可否については、本件旅行の日程や、請求人が負担した本件
 旅行費用の金額が参加者一人当たりが高額であることからすれば、社会通念上一
 般的に行われていると認められるレクリエーション行事ということはできない。
  また、本件社員は、法人税法上の役員に該当し、本件社員が受けた本件旅行費
 用に係る経済的利益は給与等に該当し、当該給与等は法人税法第34条第1項各
 号に規定する給与のいずれにも該当しないので、本件社員が受けた本件旅行費用
 に係る経済的利益の合計額は、請求人の損金の額に算入することはできない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-833

TAINSメールニュース No.411 2019.5.16 発行(社)日税連税法データベース

2019年05月16日

【1】今週のお知らせ
 収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 
 【所得税】
 ・H30-01-09 裁決 棄却 F0-1-911
  青色取消し・重加算税/帳簿不提示・書類の虚偽作成
 ・H30-01-26 裁決 棄却 F0-1-922
  不動産所得の必要経費/賃貸用不動産の購入と債務引受け
 【法人税】
 ・H01-02-07 裁決 一部取消し F0-2-821
  寄附金/外国子会社からの商品の仕入単価の増額改訂
 ・H30-03-14 大阪地裁 棄却 Z888-2206
  「機械及び装置」と「器具及び備品」の意義/工場で製造に使用されている冷
  蔵庫等
 ・H30-04-26 福岡地裁 棄却 Z888-2226
  収用/圧縮記帳の対象となる対価補償金/収用による土地の分筆と建物移転費
  用
 【その他】
 ・H29-08-30 東京地裁 棄却 控訴 Z999-5403
 ・H30-02-14 東京高裁 棄却 上告・上告受理申立て
                            Z999-5404
  損害賠償請求/教育資金贈与信託契約の成否/信託銀行の説明義務違反の有無
                        (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  市街化調整区域に所在する雑種地/宅地か農地かの比準土地の判定
 (平30-04-17 非公開裁決 棄却 F0-3-613)
  本件は、請求人らが、市街化調整区域に所在する雑種地(本件各土地)につい
 て、農地の価額を基に評価して相続税の申告をしたところ、原処分庁から、宅地
 の価額を基に評価すべきであるとして各更正処分等を受けたため、その取消しを
 求めた事案です。請求人らは、本件各土地は、いずれも市街化調整区域に所在し
 ており、都市計画マスタープランにおいても営農保全地区とされているなど、宅
 地化への期待度が非常に低いことから、比準土地を農地とすべきである旨主張し
 ましたが、審判所は下記のとおり判断し、請求人らの請求を棄却しました。
 
  評価通達82において、雑種地の評価は、原則として、その雑種地と状況が類
 似する付近の土地(比準土地)の評価額を基として評価する旨定めているところ、
 本件各土地は、いずれも、店舗等の建築が可能な幹線道路沿いなどにはなく、他
 方、その周囲が純農地、純山林、純原野でもないことから、一律に比準土地を定
 めるのが困難であるため、比準土地は、個別に判定することとなる。
  本件各土地は市街化区域に近接しているといえること、本件各土地の周囲には
 宅地が点在していること、本件各土地は、いずれも建築基準法第42条第1項に
 規定する道路に囲まれていることに加え、本件各土地は、いずれも農地法第5条
 の転用許可を受けた後、30年以上農耕の用に供されていないこと等を併せ考慮
 すれば、本件各土地の比準土地は、いずれも宅地と判定すべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-3-613

TAINSメールニュース No.410 2019.5.9 発行(社)日税連税法データベース

2019年05月09日

【1】今週のお知らせ
 収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・H30-03-19 裁決 棄却 F0-1-896
  源泉徴収義務/役員へ低額譲渡した自己株式
 
 【法人税】
 ・H30-02-20 裁決 棄却 F0-2-807
  減価償却費/中古の総合償却資産を取得した場合の耐用年数の見積り
 ・H29-12-01 裁決 棄却 F0-2-817
  青色申告の承認取消処分/取消通知書の送達
 
 【消費税】
 ・H30-02-22 裁決 棄却 F0-5-217
  非課税取引/介護付有料老人ホームにおける食事の提供
 ・H30-02-23 裁決 却下 F0-5-218
  地方税法附則9条の10第2項の規定に基づく委託納付の処分性
 
 【他国税】
 ・H29-08-09 大阪地裁 却下、棄却 控訴 Z999-7205
 ・H30-02-01 大阪高裁 棄却 Z999-7208
  差押処分/滞納国税の徴収権の消滅時効の成否/信用組合の出資持分及び株式
  の帰属                    税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
 不動産取得税/共有物分割時の持分超過部分の有無の判断となる不動産の価格 
 (平30-01-24 大阪地裁 棄却 Z999-7206)
 
  本件は、原告及び原告の弟Cが、遺贈によりA土地の共有持分2分の1を取得
 した後、財産評価基本通達を参考にして土地の価格が同一となるように土地1と
 土地2との分筆線を定めてA土地を分筆し、土地1を原告が、土地2をCが単独
 所有としたところ、原告が、不動産取得税賦課決定処分を受けた事案です。原告
 は、本件取得は持分超過部分は存在しないと主張しましたが、大阪地裁は、持分
 超過部分の有無は下記のように判断するとし、処分は適法であるとしています。
 
  共有物の分割による不動産の取得に持分超過部分の取得が存在するか否かは、
 当該取得の事実から担税力の存在を推定することができるものか否かの観点から
 判断されるべきであるところ、地方税法は、不動産取得税の課税標準を不動産の
 価格としており、その価格をもって不動産の移転の事実から推定される担税力の
 指標としているものと解される。
  持分超過部分の有無については、当該共有物の価格の持分割合相当額と当該分
 割により取得した不動産の価格とを比較して判断すべきであり、当該各価格は不
 動産取得税の課税標準となるべき価格と解するのが相当である。その価格は、地
 方税法73条の21第1項の場合には、固定資産課税台帳に登録された価格であ
 り、同条2項の場合には、固定資産評価基準によって決定される価格である。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-7206

TAINSメールニュース No.409 2019.4.25 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月25日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
  TAINSだより(2019年春号)を掲載いたしました。検索トップページ
 の右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
                         (事業部長:蓮間 好一)
 
(2)次号メールニュースは5月9日に配信します。
  次週5月2日は休日のため、メールニュース410号は5月9日に配信します。
 
(3)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・H30-07-04 横浜地裁 却下、棄却 控訴 Z888-2220
  修正申告取消しの訴え/差押処分に至る手続と国家賠償法上の違法性
 【消費税】
 ・H30-01-16 裁決 棄却 F0-5-221
  過少申告加算税/更正があるべきことの予知/調査の事前通知
 ・H30-03-06 裁決 棄却 F0-5-222
  貸倒れに係る消費税額控除/納税者による立証
 
(4)税務訴訟資料第267号が公表されました。
  国税庁の<税務大学校>のホームページに、平成29年1月~平成29年12
 月までの税務訴訟資料第267号156件が公表されました。TAINSでも順
 次収録予定です。               (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  貸宅地の評価~底地の買取業者に一括売却した価格を時点修正した価額~
 (平30-01-04 非公開裁決 棄却 F0-3-611)
 
  この事案では、審査請求人が、相続により取得した借地権の目的となっている
 土地(本件各土地)の価額について、評価通達25《貸宅地の評価》により評価
 した価額によるべきか、相続税申告後、底地の買取業者に一括売却した価格(売
 買価格)を相続開始日に時点修正した価額によるべきかが、争われました。
  審判所では、次のとおり判断し、通達評価額によることを相当としました。
 
  審査請求人は、本件各土地の土地所有権(更地)の相場が1坪当たり400万
 円であり、借地権割合が70%程度、底地割合が30%程度であると認識してい
 たが、本件各土地を個別に交渉して売却することの煩わしさから、これを一括し
 て売却するために、その認識に基づく本件各土地の価額の合計額(約3億5,0
 00万円)を大きく下回る売買価格(9,800万円)で売却したものである。
  そうすると、売買価格は、請求人が底地の買取業者に対する一括売却という取
 引方法を選択した結果、底地の買取業者である買受人の仕入価格(底地の転売に
 よる利益を確保するため転売時の売買価格として想定する価格の半額程度)によ
 り決定されたものであり、不特定多数の当事者間での自由な取引が行われる場合
 に通常成立すると認められる価額を下回ることとなったものと認められる。
  したがって、売買価格を時点修正した請求人主張額は、相続開始日における本
 件各土地の時価であるとはいえない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-3-611

TAINSメールニュース No.408 2019.4.18 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月18日

【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
 できません。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:水澤 裕)
  日時:2019年4月23日(火) 午後9:00 ~ 午後10:00
 
(2)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 【所得税】
 ・H30-01-09 裁決 棄却 F0-1-892
  必要経費/医療業に係る建物及び車両の費用/家事関連費
 ・H30-01-30 裁決 棄却 F0-1-905
  給与所得/差し押さえられた給与の額を収入金額から控除することの可否
 【相続税】
 ・H13-02-09 裁決 一部取消し F0-3-626
  貸宅地の評価/借地権付分譲マンションの底地/特別の事情・小規模宅地等の
  特例
 ・H30-02-02 大阪高裁 控訴棄却、請求一部認容
                            Z888-2216
  宅地及び雑種地の評価/「特別の事情」の有無・がけ地等の評価
                        (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  重加算税要件非該当/寄附金/兄弟会社に対する債権放棄
 (平30-05-31 公表裁決 一部取消し J111-1-02)
 
  請求人が、兄弟会社である分割法人A社の債務を引き受け、A社に対する債権
 を放棄し、債権放棄の金額を貸倒損失勘定に計上して法人税等の各確定申告をし
 た後、原処分庁の指摘を受けて、債権放棄の金額が寄附金に該当するとして修正
 申告をしたところ、重加算税の賦課決定処分を受けたのに対し、過少申告加算税
 相当額を超える部分の取消しを求めた事案です。
  審判所は、次のとおり、確定申告は、事実を隠蔽又は仮装したところに基づく
 ものであるとは認められないとして、重加算税の一部を取り消しました。
 
  請求人が、債務免除益に係る課税を避けるためにA社の整理を検討したことを
 もって、直ちに、請求人が、貸倒損失額が寄附金に該当することを認識していた
 とはいい難い。かえって、(1)A社は、遅くとも会社分割の行われた事業年度
 の3期前の事業年度以後、実質的には債務超過の状態にあったと認められる、(
 2)請求人の店舗・敷地に、本件債務が被担保債権の範囲に含まれる根抵当権を
 設定していたことからすると、同店舗の経営ができなくなるなど、法基通9-4
 -1にいう「相当な理由がある」可能性も否定できない。よって、貸倒損失額が
 、寄附金に該当することを認識していたとは認められない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J111-1-02

TAINSメールニュース No.407 2019.4.11 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月11日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例の収録を完了しました。
  国税不服審判所のホームページに掲載された、平成30年7月から9月分の公
 表裁決事例の収録を完了しました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集112集  →9件
 
(2)判決速報を収録しました。
  判決速報1464から1488までの計25件を収録しました。一部を下記に
 紹介します。
 
 ・判決速報1467 債権残高の10%相当額で取得した貸付債権について、当
  該債権の原債権者との免責的債務引受けの存在が否定され、当該債権の回収額
  と取得価額との差額が債権回収益として益金の額に算入されるとされた事例
 ・判決速報1484 不動産鑑定評価額の存在のみでは、財産評価基本通達の定
  める評価方法によるべきではない特別の事情に当たらないとされた事例
 
 ≪検索方法≫
  検索ワード欄に下記キーワードを入れたら、「TAINSコードなど、細かい
 条件を指定して検索」を選択します。「判決・裁決の検索条件」画面が表示され
 ますので、「情報区分」の項目の「行政文書」にチェックを入れて検索します。
 【キーワード】判決速報 ☆2019年03月収録分  →20件
        判決速報 ☆2019年04月収録分  →5件
                        (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  重加算税の賦課要件/税理士に対する意図的な資料の不提示
 (平30-06-29 東京地裁 棄却・確定 Z888-2229)
 
  原告の代理人である税理士は、原告の申告関係資料に不動産の賃料収入を示す
 資料が含まれていなかったことから、賃料収入があることを認識せずに、平成1
 9年ないし平成25年分所得税の申告をしました。本件は、原告の税理士に対す
 る資料の不提示が、過失によるものなのか、脱税の意思に基づくものなのかを争
 点とする事案です。
  裁判所は、「隠蔽又は仮装」の解釈を示した上で、次のように判断しました。
 
  原告が、建物の賃貸人名義を母親名義としていること、土地の賃料変更を税理
 士に伝えていないこと、税務調査において賃料収入を秘匿していたこと等の間接
 事実を総合すれば、原告は、賃料収入に係る不動産所得を申告すべきことを熟知
 しながら、確定的な脱税の意思に基づき、当該所得に関する資料を意図的に税理
 士に提示せず、税理士に過少な申告を記載した申告書を作成させてこれを提出す
 るという「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」をした上で、
 その意図に基づく過少申告をしたものと認めるのが相当である。
  そうすると、本件申告は「隠蔽又は仮装」に基づく申告であって、重加算税の
 賦課要件を満たすものと認められる。同時に、通則法70条4項にいう「偽りそ
 の他不正の行為」によりその全部又は一部の税額を免れたものともいえる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】Z888-2229

TAINSメールニュース No.406 2019.4.4 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月04日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
  研修サイトに新たなテーマ「改正消費税法のファイナルチェック」を追加いた
 しました。こちらは3月22日にライブ配信したテーマと同じになります。なお、
 同ライブ配信では、通信回線のトラブルによる配信開始時刻の繰り下げなどによ
 り、会員の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
                          (事業部長 蓮間好一)
 
(2)公表裁決事例を収録中です。
  先週に引き続き、国税不服審判所のホームページに掲載された公表裁決事例の
 収録作業を行っております。収録した事例の一部を下記に紹介します。
 【所得税】
 ・J112-1-01 H30-09-03公表裁決 一部取消し
  重加算税 隠ぺい、仮装の認定 認めなかった事例
 ・J112-2-03 H30-07-05公表裁決 棄却
  住宅借入金(取得)等特別控除 その他
 【他国税】
 ・J112-5-09 H30-08-06公表裁決 一部取消し
  課税標準 固定資産課税台帳がない場合 土地
 
  収録が済んでいるものは、下記のキーワードで検索することができます。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集112集
                        (税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  相続税の課税財産の認定~「預け金返還請求権」があるか否か
 (平30-08-22 公表裁決 全部取消し J112-4-06)
 
  本件は、請求人らが、原処分庁から、請求人D名義の預金口座に入金された資
 金(本件入金資金)及び上場株式の購入資金の合計約5500万円(本件資金)
 について、原資は被相続人に帰属し、請求人Dに対する本件資金相当額の預け金
 返還請求権が相続財産であるなどとして相続税の更正処分等を受けたため、預け
 金返還請求権があるか否かが争点となった事案です。審判所は次のとおり判断し、
 預け金返還請求権にかかる更正処分等については全部を取り消しました。
 
  (1)本件資金及び本件資金の原資の管理運用は、被相続人が行っていたもの
 であり、そうであれば、本件入金資金を本件預金口座に入金したり、その後、請
 求人D名義の上場株式の購入資金に充てたりしたことは、本件財産の管理運用の
 一環として、請求人Dの名義で被相続人が実質的に行っていたものと認められる
 こと、(2)請求人Dが本件自宅に居住するようになった平成18年以降、本件
 預金口座の預金通帳及び届出印を請求人Dが自身で管理するようになったこと及
 び請求人Dの本件株式の配当金に係る所得税等の申告状況などを総合的に考慮す
 れば、本件化体財産の帰属は、平成18年頃に、贈与により請求人Dに移転した
 ものとみるのが相当であることからすれば、そもそも本件資金相当額の預け金返
 還請求権は存在はおろか発生していたとすらいえない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J112-4-06

TAINSメールニュース No.405 2019.3.28 発行(社)日税連税法データベース

2019年03月28日

【1】今週のお知らせ
(1)収録した裁決・判決の一部を紹介します。
 
 【所得税】
 ・H30-03-14 名古屋地裁 棄却 Z888-2203
  先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除/連年提出要件
 ・H30-02-20 裁決 棄却 F0-1-900
  所得区分と損益通算/給与所得者が営むネイルサロンの損失
 
 【相続税】
 ・H30-09-23 東京地裁 棄却 Z888-2213
  土地の評価/広大地通達の合理性・「特別の事情」の有無・鑑定評価の合理性
 
 【消費税】
 ・H27-10-19 裁決 却下 F0-5-226
  延滞税の取消しを求める旨の審査請求/国税に関する法律に基づく処分
 
(2)公表裁決事例を収録中です。
  国税不服審判所のホームページに平成30年7月から9月分の裁決事例9件が
 公表されました。現在、編集・収録作業を行っております。
  http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/112.html
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  元従業員が下請業者から受領したリベートの帰属と隠蔽行為の有無
 (平30-04-24 非公開裁決 棄却 F0-2-828)
 
  土木建築請負業等を営む請求人の法人税について、原処分庁が、当時営業部長
 等の地位にあった元従業員乙が下請業者から受領した金員は請求人に帰属し、ま
 たその金員を収益に計上しなかったことは、事実の隠蔽に該当するとして、各更
 正処分及び重加算税の各賦課決定処分をしたのに対し、請求人が、その金員は乙
 個人のもので、請求人に帰属しないとして、全部取消しを求めた事案です。
  争点は、本件各金員が請求人に帰属し、損害賠償請求権が本件各事業年度の益
 金の額に算入されるか否か、請求人に事実の隠蔽行為があったか否かです。
  審判所は次のように判断し、請求人の主張を棄却しています。
 
  本件各金員は、請求人が各外注先に工事を発注し、各外注先が請求人から工事
 を受注したことに基因しての謝礼で、また、今後も請求人から工事を受注できる
 ことを期待して、その地位及び権限を有する乙に対して支払われたものであり、
 本件各金員は請求人に帰属するものとみるべきである。
  横領行為による損害賠償請求権についても、本件各事業年度において、乙によ
 り各金員が横領され、請求人に損失を発生させ、それと同時に乙に対する不法行
 為による損害賠償請求権が発生したといえる。
  乙が5年間という長期間にわたり本件各外注先から本件各金員を受領し続けて
 いた行為は、請求人の行為と同視でき、本件各金員を収益に計上しなかったこと
 について、請求人に事実の隠蔽があったと認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-828

TAINSメールニュース No.404 2019.3.14 発行(社)日税連税法データベース

2019年03月14日

【1】今週のお知らせ
(1)インターネットライブ配信によるTAINS研修会の開催
  標記研修会を下記により開催いたします(日本税理士会連合会後援)。この機
 会にご視聴いただき、TAINS6をぜひご体感ください。
                         (事業部長:蓮間 好一)
  日  時:平成31年3月22日(金)13:30~16:30
  内  容:「改正消費税法のファイナルチェック」
  講  師:熊王征秀 住吉真
  視聴方法:上記日時に次のHPアドレスへアクセスしてください。

          https://www.tains-kenshu.jp/live/
       なお、レジュメにつきましては、3月19日(火)からダウンロー
       ドできます。
  受講登録:日税連研修受講管理システムから、研修中に表示される確認コード
       を入力してご登録いただけます。
 
(2)次号メールニュースは3月28日に配信します。
  次週3月21日は祝日のため、メールニュース405号は3月28日に配信し
 ます。
 
(3)全国国税不服審判所長会議資料を収録しました。
  平成30年9月7日開催の、全国国税不服審判所長会議資料を収録しました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 審判所長会議H300907
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  輸出免税/輸出許可を証する書類/輸出申告時点で価格が未確定である郵便物
 (平30-06-05 公表裁決 棄却・却下 J111-5-15)
  本件は、請求人が、国際郵便により輸出した腕時計の譲渡について、輸出取引
 に係る消費税を免税する旨の規定が適用されるとして消費税等の確定申告を行っ
 たところ、原処分庁から、当該輸出販売の一部について、輸出許可を証する書類
 の保存がなく、当該規定の適用はないとして、消費税等の各更正処分等を受けた
 事案です。審判所は次のとおり判断して、請求人の請求を棄却しました。
 
  請求人は、本件取引について輸出許可書等の交付を受けていないことから、本
 件取引が簡易郵便物としての資産の輸出に該当しなければ、本件取引について消
 費税法7条《輸出免税等》2項に規定する証明はなされていないこととなる。
  そして、ある郵便物が簡易郵便物に該当するか否かは、郵便物1個当たりの価
 格が20万円を超えるか否かで判断することとなる。
  輸出申告時点で資産の価格が未確定である郵便物については、郵便物1個当た
 りの輸出時見積価格をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であり、通常は、
 輸出時見積価格は調達原価を上回るといえる。本件取引においては、1個の郵便
 物にまとめられた各腕時計のそれぞれの仕入金額の合計額は、最も少ないもので
 も20万円の2倍超であり、郵便物1個当たりの輸出時見積価格は、いずれも2
 0万円を上回ると認められる。
  以上によれば、本件取引は簡易郵便物としての資産の輸出には該当せず、本件
 取引について同法7条2項に規定する証明はされていないと認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J111-5-15